内藤環境管理株式会社の”あなたの分析室”だより

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偏光顕微鏡によるアスベスト分析

2014-05-07 18:38:20 | 技術情報 アスベスト分析

第1回 -偏光顕微鏡によるアスベスト分析って何?-

 最近、アスベスト分析で“偏光顕微鏡(へんこうけんびきょう)”というキーワードが
話題にあがることが多くなりました。偏光顕微鏡によるアスベスト分析という馴染のない言葉に戸惑うと思います。
 2012年、建材中に含まれるアスベストの定性分析法に関する国際規格として
ISO22262-1(以下:ISO法)が制定されました。ISO法では、主に実体顕微鏡や
偏光顕微鏡を使ってアスベストの分析を行います。
 日本においても国際規格への整合化の流れにあって国内への導入にむけた
活動を行っています。その活動の中で、“偏光顕微鏡”という言葉がよく聞こえ
るようになったのです。

 そこで、今回から複数回に分けて、実体顕微鏡と偏光顕微鏡によるアスベスト
分析についてご紹介させていただきます。

 では、実体顕微鏡や偏光顕微鏡とは何でしょう?

 最初に実体顕微鏡について説明します。この実体顕微鏡を例えて言えば、
高性能な虫眼鏡といったところです。下の写真が実体顕微鏡です。

Photo

 実体顕微鏡で観察すると、石綿含有のスレート材といわれる建材は
下の写真のようにみることができます。

__2

 中央赤丸内にある繊維がクリソタイル(別称:白石綿)といわれる
アスベストです。肉眼で目視しただけではどの様な種類や形状をした繊維なのか
がわかりませんが、このように拡大すると、色々な特徴が見えてきます。
 しかし、繊維を拡大しての目視観察だけではクリソタイルの繊維であるとは
結論づける(同定する)ことはできません。
 そこで、登場するのが下の写真の偏光顕微鏡です。

_2

 では、偏光顕微鏡をどのように使ってアスベストを同定するのか。
 次回、それをご紹介いたします。
 気になること、ご質問などがございましたら、弊社お問い合わせフォームより
お知らせくださいませ。

第2回 -偏光顕微鏡によるアスベスト分析-

キーワード:アスベスト










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