第1回 -偏光顕微鏡によるアスベスト分析って何?-
最近、アスベスト分析で“偏光顕微鏡(へんこうけんびきょう)”というキーワードが
話題にあがることが多くなりました。偏光顕微鏡によるアスベスト分析という馴染のない言葉に戸惑うと思います。
2012年、建材中に含まれるアスベストの定性分析法に関する国際規格として
ISO22262-1(以下:ISO法)が制定されました。ISO法では、主に実体顕微鏡や
偏光顕微鏡を使ってアスベストの分析を行います。
日本においても国際規格への整合化の流れにあって国内への導入にむけた
活動を行っています。その活動の中で、“偏光顕微鏡”という言葉がよく聞こえ
るようになったのです。
そこで、今回から複数回に分けて、実体顕微鏡と偏光顕微鏡によるアスベスト
分析についてご紹介させていただきます。
では、実体顕微鏡や偏光顕微鏡とは何でしょう?
最初に実体顕微鏡について説明します。この実体顕微鏡を例えて言えば、
高性能な虫眼鏡といったところです。下の写真が実体顕微鏡です。
実体顕微鏡で観察すると、石綿含有のスレート材といわれる建材は
下の写真のようにみることができます。
中央赤丸内にある繊維がクリソタイル(別称:白石綿)といわれる
アスベストです。肉眼で目視しただけではどの様な種類や形状をした繊維なのか
がわかりませんが、このように拡大すると、色々な特徴が見えてきます。
しかし、繊維を拡大しての目視観察だけではクリソタイルの繊維であるとは
結論づける(同定する)ことはできません。
そこで、登場するのが下の写真の偏光顕微鏡です。
では、偏光顕微鏡をどのように使ってアスベストを同定するのか。
次回、それをご紹介いたします。
気になること、ご質問などがございましたら、弊社お問い合わせフォームより
お知らせくださいませ。
→第2回 -偏光顕微鏡によるアスベスト分析-
キーワード:アスベスト
最新の画像[もっと見る]
- 学会で研究発表を行いました(2024.7) 1ヶ月前
- 改正 労働安全衛生法セミナー(2024)を実施しました 6ヶ月前
- 水道水セミナーを実施しました 8ヶ月前
- 研究発表を行いました!(2023.11) 9ヶ月前
- Dioxin 2023に参加しました 11ヶ月前
- 「作業環境の改善について」セミナーを実施しました 12ヶ月前
- 排水セミナーを実施しました 1年前
- 改正 労働安全衛生法セミナーを実施しました 2年前
- 浴槽水の衛生管理セミナーを実施しました 2年前
- 水道水セミナーを実施しました 2年前