手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

「自然にみる」 ことの難しさ

2010-06-05 20:00:00 | 治療についてのひとりごと
わたしは筋力検査を封印しています







「なんのこっちゃ?


そう感じられた方も、いらっしゃるかもしれません。







とはいっても、いわゆる徒手筋力検査(MMT)ではありません。


それは必要に応じて行っています。


では何なのかというと、オーリングテストや、カイロプラクティックのアプライドキネシオロジー(AK)で用いられる筋力検査です。


患者さんが力を入れた瞬間の、筋肉の反射的な反応をみるので、筋力反射検査といった方がよいのでしょうか?







じつは一頃、AKをほんの少しだけ勉強したことがありました。


セミナーに出たり、考案者のグッドハートDCが来日した時には、話を聞きにノコノコと出かけたりもしました


AKで用いられる筋力検査では、反応が弱化した筋肉を調べ、何らかの刺激を加えた後、筋力が回復しているかを検査します。


治療後に筋力が回復していたら、治療成功というわけです







ある日、大腰筋の筋力検査を行っていたとき、自分が恐ろしいことをしていることに気がついてしまいました







なんと私は、治療前の筋力検査ではしっかり力を加え、治療後の筋力検査では軽めに加えるということをしていたのです


同じように検査しなければならないのに


若気の至りでしょうか。


私の中の、デビルくつぬぎ のささやきに負けていたようです。







そこに、エンジェルくつぬぎが

「お前っ!! チョロまかしとるやないか~

と、後ろからハリセンで頭を叩いてカツを入れてくれました


どうやら、デビルくつぬぎ よりも、エンジェルくつぬぎ のほうが厳しいようです。


ようやく目を覚ました私は 「アカン、こんなスケベ根性丸出しの、煩悩のかたまりやったら、筋力検査を使う資格がないわ」 と封印することにしました。







あれから10年ほど経ちましたが、未だに煩悩が抜けきらないので、封印したままになっています。


かといって筋力検査を否定しているわけではなく、(できないのだから肯定も否定もしようがないのですが)、いつかまた勉強し始めるかもしれないと、自分の中で保留にしています。


そのようなわけで、セミナーなどでお会いした方に、筋力検査のことを質問されることがあるのですが、正直困ってしまいます







とにかく今は、自分が納得して行える評価の方法、触診に磨きをかけるよう心がけています


しかし、これも自分が納得できたとしても、客観的に示すのは難しい…。


しかも、先入観を持って触診すると、そのように見えてしまうから不思議です


たとえば、左短下肢が多いという頭で触診すると、本当にそう見えてしまいます。


これは、左短下肢に見えるような視点で見たり、触れ方や、動かし方をしてしまうからだと思います。


私が筋力検査で行っていたことと、似たような誤りですね







触診にせよ筋力検査にせよ、先入観や思い込みを持たず、鏡に映るのように、自然にありのままを見なければなりませんが、これが一番難しいことだと思います


茶道でも、自然が一番だが、それが一番難しいと教えていたと思います


ゴルフでも、自然なスイングが一番といわれるそうですが、やはりそれが一番難しいのだそうです


何ごとにも通じることなんですね







「自然にありのままをみる」とは一体どういうことなのか?


まったく悩みは尽きません










≪おまけの話≫
自宅から車で1時間ほどはなれた、石狩湾の海岸沿いにある 「はまなすの丘」 に行ってきました

お目当ての 「はまなす」 という花は6月ごろから咲き始める…のですが、今年は寒かったためか、まだ姿かたちも見あたりませんでした

でも、のどかな景色なので、木道をブラブラ散歩して気分転換してきました



右手が石狩灯台で、その奥に石狩川が、そして、左手奥の丘の向こうには日本海が広がっています。



ようやく、小さな花が咲き始めていました。
海浜植物という種類らしく、多くの植物名のあたまに「はま~」とついていました。



「はまにんにく」、どんな味か食べてみたいナァ。




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