喫煙が発覚したので、家庭謹慎
学校でタバコを吸ってはいけない。これはふつう疑う余地のない命題です。当然発覚すると生徒には家庭謹慎をさせたり、反省文を書かせたりと、処罰が下るのが、普通です。それでは、なぜ、そのような処罰をくらうのかというと、法律で禁止されるているからです。
私たちは、生徒が学校で喫煙し、発覚した場合に生徒を罰する、生徒も自分たちが罰せられると考えています。しかし、本当にそうなのでしょうか。
実際の法律に語らせてみましょう。法はこのように語っています。
第1条 [未成年者の喫煙禁止]
満二十年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス
第2条 [煙草及び器具の没収]
前条ニ違反シタル者アルトキハ行政ノ処分ヲ以テ喫煙ノ為ニ所持スル煙草及器具ヲ没収ス
第3条 [親権者の処罰]
1 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者情ヲ知リテ其ノ喫煙ヲ制止セサルトキハ科料ニ処ス
2 親権ヲ行フ者ニ代リテ未成年者ヲ監督スル者亦前項ニ依リテ処断ス
第4条 [販売者の処罰]
満二十年ニ至ラサル者ニ其ノ自用ニ供スルモノナルコトヲ知リテ煙草又ハ器具ヲ販売シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス
むずかしいでしょ。大体この法律、明治33年に作られているのです。
法律による罰則
それにしても法律を読んで驚きませんか?
タバコを未成年が吸うことは禁止しています。でね、罰則のところを御覧なさい。だれを法は罰するといっていますか?
「親と業者」ですね。吸った未成年は処罰の対象ではないのです。
つまり、こうです。法律では未成年が喫煙に及んだ場合、もとい、正確には喫煙をしたことが事実として立証された場合、「親と業者」を罰すると書いています。そこから先は法律は沈黙しているのです。解釈としてはまあ、ちゃんとマナーを未成年に教えなさい、となるのでしょうね。身体にも悪いから喫煙を止めさせなさい、とも深読みしようと思えばできますね。しかしですよ、そこは繰り返しますが法は沈黙しているのです。そして、繰り返しますが、法は未成年者の喫煙の責任主体として罰則の対象として「業者と親」を名指ししているのです。
ここで極論
ここで極論します。未成年が喫煙したところを事実として立証されたら親も業者も「死刑」。
そうしたら大変だねえ。親も業者も。しかし、喫煙させないために子供に「体罰」をふるったらどうでしょう。「タバコ吸いやがったらぶっ殺すぞ!」と脅したらどうなるのです?これを立証されたら「親と業者」は刑法的責任を問われるのです。
まとめていうと、「法律の主張」はこうなります。未成年者の喫煙の責任は「親と業者」である。つまり、法は、喫煙した未成年については、罰則を用意していないのです。つまり、つまり、未成年は喫煙に及んでも法は罰則を沈黙しているということです。面倒だからこういいましょう。法は、未成年の喫煙を罰則として禁止などしていないということです。
親と業者はしたがって罰則ではなく
道徳的に
未成年者に喫煙をしないように教育しなければいけない。あくまで罰則なしに。学校も同様です。懲戒はよい、しかし、体罰はいけない。ましてや法律に触れるような脅迫はもちろんいけない。これが法律が用意している未成年者の喫煙に対する姿勢なのです。
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法的に責任を問われるのは、親です。そして、教員には、懲戒といって教育上の罰――いいですか、あくまで教育上の罰――を加えることはできます。それは、定義矛盾ですけど、警察や裁判所がもっている権限とはちがうわけです。それは、罰といっても「説得」とほとんど等しい行為なんです。だから、パターンとして反省をしてもらって、それを文章に書いてもらうことになるわけです。その「反省」をあなたがこころからできなければ、私たち教員の指導が失敗したことになるのです。ましてや、バレて損したとか、罰をくらったことしか残らないでは、指導者自体の能力が問われます。現場を見るのは、本当に僕もイヤですよ、そのときに、私たちがどのような態度を取るのかも実は、超超むずかしいのです。だからね、本当にあなたを知っている人しか、本当にあなたがどのような方向へと向かおうとしているのかを知っている人、あるいは、知ろうとしている人しか反省文を要求できないと僕は思っていますね。だから、あなたは、威張って、本当には反省しているかどうかを自分に聞けばいいのです。反省もしてねえのに、形だけ反省文を書いたら、すくなくとも、私たちの説得は失敗です。極論しちゃうと、喫煙の事実そのものはたいしたことではないのです。問題は喫煙が発覚をしたことをとおして、あなた自身のありかたや、あなたと教員や親との関係が、前向きになるのかどうか――ここだと僕は思っているのです。だから、こんなことはありえませんが、それこそ、極論すると、喫煙をしたほうが、どんどんあなたが前向きになってね、あなたや周囲がが、本当に喜ばしいと思う方向へとむかうようだったなら、僕は、本当に悩みに悩みに悩むんだと思うのです。そこが大切なんです。そこだけが大切なんです。いま、学校はどんどん形式だけになり、そこの「説得」する力を失っていることを木村は一人の教員として認めます。
以上、答えになってるでしょうか。
私は未成年がタバコを吸うのは業者に責任があると思います。なんで自動販売機でタバコが買えるんですか?
もし「未成年者にタバコを吸うな!」って言うんなら業者にも「タバコを自動販売機で売るな」って国は指導すべきです。
業者には一切責任がないんですか?
このたびは書き込みを頂きありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。私は本文のおわりにこう書いておきました。「まとめていうと、「法律の主張」はこうなります。未成年者の喫煙の責任は「親と業者」である。」