高校公民Blog

高校の公民科(現代社会・政治経済・倫理)教育に関連したBlogです

多様を阻むもの 4 指定されたコンビニ

2012-08-27 22:39:19 | 学校の呪術

「君はどこに住んでいるの?」

「三島市の**町です」

「あ、そう。で、何を買いたいんだっけ?」

「鮭のおにぎりです」

「あ、それじゃあ、コンビニだね。じゃあ、君セブンイレブンの**で買い物をすること」

 っていわれたら、どうですか。

「よかった。セブンイレブンで!」

って思いますか(笑)。

この感想に違和感がない人は、そうとうイカれてるって(笑)思った方がいいですよ。

「何でそんなことを指示されなければいけないのか?」

と私は思ってもらいたいと思いますけど。

  私の勤務する単位制高校は、君たちにあった科目を選択しよう、という画期的なシステムを導入している学校です。ところが、そのなかで、ひっそりと体育がこういう商売をさせてもらっているのです。それは、 

「君は体育Ⅰの単位がほしいのか」

「君は?体育Ⅱ」

「じゃあ、この講座をとりたまえ」

と体育の科目が時間割に割り振られているのです。生徒は時間を選択できます。しかし、よくみると最初の奇妙な現象がここにあるのです。

 体育の科目は「体育Ⅰ」から「体育Ⅳ」まで本校の時間割にあります。あと、「保健」です。ところが、これらすべては、「必履修」つまり、全員とらなければいけないのです。教員の名前が時間割には入っていません。ということは、時間だけは選択できますが、体育はすべてとらなければいけない科目なのです。
 つまり、体育の授業については、「失業」も「倒産」もないのです。かならず、全生徒がとらなければいけないからです。
 さらに学年制の学校に目を転じましょう。普通の学校は学年制です。この学年制の学校には、体育の時間は指定されて、しかも、担当者も指定されています。
 そうです。生徒は、時間も内容も選択できません。 

「体育Ⅰだね、はい、じゃ君は、この時間のこの担当者をとること」

 そうです。ここに、最初のコンビニのいかにもばかげた想定が出現するのです。
 購買者は、購買するものも、購買する店も、店員も、選べません。ということは、供給がわからしてみるとこうです。絶対に、売れないということがないのです。

これでまともな商売をしたいと考える人ってどういう人なの?

多様な価値を刻みだそうと考える人ってどういう人なの?

 「先生、おしえてください!」


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