ジュゼッペ・トルナトーレ「題名のない子守歌」,「ニュー・シネマ・パラダイス」
前者は2006年の作品で,種々の仕掛けがほどこされているため内容を詳かにはしませんが,楽しむことができる佳作でした。当たり前だけれども,ノスタルジックな調子をいつまでも反復するわけにはいかないですよね。
後者は,あまりにも知られた作品であるし,もう何度観たか分からないけれども,映画館で観たということもあって,かつてのようにノスタルジーな調子が真っ直ぐには入ってこなかった。
ノスタルジーというのは,そもそも,喪失した対象(その対象は,現実的なものであっても,空想的なものであってもかまわない)への郷愁,哀悼の念なのでしょうが,かつてノスタルジーをおぼえた対象にノスタルジーを感じなくなったとすれば,それは,喪失そのものを喪失したか,あるいは,喪失を別の形式で(定義上,喪失した対象をそのままの形式で取り戻すことは不可能なので)取り戻したかのいずれかなのでしょう。
前者は2006年の作品で,種々の仕掛けがほどこされているため内容を詳かにはしませんが,楽しむことができる佳作でした。当たり前だけれども,ノスタルジックな調子をいつまでも反復するわけにはいかないですよね。
後者は,あまりにも知られた作品であるし,もう何度観たか分からないけれども,映画館で観たということもあって,かつてのようにノスタルジーな調子が真っ直ぐには入ってこなかった。
ノスタルジーというのは,そもそも,喪失した対象(その対象は,現実的なものであっても,空想的なものであってもかまわない)への郷愁,哀悼の念なのでしょうが,かつてノスタルジーをおぼえた対象にノスタルジーを感じなくなったとすれば,それは,喪失そのものを喪失したか,あるいは,喪失を別の形式で(定義上,喪失した対象をそのままの形式で取り戻すことは不可能なので)取り戻したかのいずれかなのでしょう。