くまくまDays~アデレードな日常~

新しい環境の中で感じたことをつれづれに書きつづります。

「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」を読んで

2011-05-16 22:55:38 | 考えたこと
竹田恒泰さんの「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」を読みました~。事前知識があったわけではないですが、なんとなく本の題名が気になったもんで・・。本の内容をかいつまんで紹介すると、竹田氏は明治天皇の玄孫にあたるそうで、皇族という視点から、現代日本が再度世界で活躍するためにはどうしたらいいのかを詳細しています。印象に残った文章をいくつか紹介します。

○世界で言う「真の国際人」とは自分の国について語ることができる人です(まえがき)
○日本人はなんにでもこだわりを持つ性質があるようだ。物事を徹底的につつき目、道を究めようとする姿は、料理の世界でも同じで、料理人たちが料理をつきつめるほど、日本料理は専門化してきた(P41)
○日本人は米をもっと食べなくてはいけない。日本人が日本食の価値を再発見すれば、ほんとうに豊かな日本食の精神文化を取り戻せるに違いない(P54)
○日本人は古より万物に神霊が宿り、人は大自然の恵みにより活かされていると考えてきた。それが自然への感謝の気持ちとなり、「もったいない」という感覚を持つことにつながった(P95)
○よく日本は和の国であるといわれるが、日本人が重んじてきたのは、人と人の和、地域と地域との和、国と国との和だけではなく、最終的には大自然と人との和にまでおよび、大自然を正しく恐れ、そして正しく利用してきたのである(P159)

明治維新や二度の大戦を経て、古来からの日本の伝統的な文化が失われてしまったことが、現代日本の最大の問題であると氏は述べています。しかしながら、自然への畏敬、高い技術、思いやりの心など、日本独自の価値観は依然として残っており、これらを日本人が大切にすることによって、日本が再度国際社会で高い評価を得られるようになると述べています。

【感想】
理念として、氏の主張には共感できるところは多いです。日本ってなんだろうと考えた時に、東京の高層ビル群はもちろんですが、田舎の田園風景を見たらなんとなく落ち着くというのは、決して我々日本人が、昔からの心を失っていない証拠ではないかと思います。

欧米人と話していて思うのは、「自分の国に誇りを持っている」と発言することを憚らないこと。日本では、そのような発言を(特に若者が)すること自体、なんとなく恥ずかしいような感じがしますよね。海外で暮らしてみるとわかることですが、日本食のおいしさ、日本のサービスのよさなど本当に日本っていい国だなと思います。こうした事実を恥ずかしがることなく、積極的に理解し、発信していくことが重要だと思います。

氏の歴史観については議論の分かれる面もあると思いますが、いずれにしても、日本人が、日本人として自信を持ち、自国に誇りを持つことで、国の未来が開けてくるという主張には賛成です。

震災などを経て、「日本」という存在を強く意識した留学生も多いと思います。氏の言うように、自国について語ることができる国際人になりたいと強く思ったところです。

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