くまくまDays~アデレードな日常~

新しい環境の中で感じたことをつれづれに書きつづります。

ギラード首相ピンチ??

2011-06-19 21:52:23 | オーストラリアについて
日本と同様にジュリア・ギラード政権が誕生してちょうど1年になります。その当時も、日本の政治状況と類似する点が多いなと思ったのですが、1年たった今でもその状況は変わらないようです。

ある世論調査によれば、労働党の支持率は41%と保守連合の59%を大きく下回っています。一方で、労働党党首として誰が適切かという問いについては、ギラード氏31%に対して、前首相のケビン・ラッド氏が60%とラッド氏が大きくリードしています。ジュリア氏の支持率は戦後最低レベルにまで低下しており、昨年ケビン氏が追放された際の支持率よりも低いとの指摘もあります。ヴィクトリア州、ニューサウスウェールズ州で行われた総選挙でも労働党は惨敗し、政権の座を明け渡しています。労働党の低落は州レベルにとどまらず、政府レベルでも大きな流れとなっているようです。

最近では、炭素税(carbon tax)の問題、さらには難民をマレーシアに送るという問題、生体牛のインドネシア輸出禁止の問題など、労働党政権への風当たりが非常に強いものになっており、決して楽観視できる政治状況ではありません。労働党政権内からもギラード氏の政策に公然と反旗を翻る議員もいたりして・・。あれ、これは日本でも同じですね。

興味深いなと思うのは、1年前に、あんなに劇的に、いやもっと具体的にいえば、毛嫌いするように追いだしたラッド氏待望論が国民の間で広がっていること。リーダーが変われば、政治が変わるというのは、どこの国でも共通のことだと思いますが、それにしても1年間で、前任者待望論が出るとは決して「正常」な政治状況にあるとは思えません。

とはいえ、オーストラリア経済は、資源ブームに支えられ、当面安定成長を続けることでしょう。経済情勢がポジティブなうちは大きな問題にならないかもしれませんが、それがはじけた瞬間・・。さて、どうなるのか。さらに注視していく必要がありますね。

もちろん、さまざまま世論調査が行われており、調査主体に「色」がついているのはごく当然のことなので、結果も100%鵜呑みにするわけにはいきませんが、一般論としてギラード氏が苦境に立たされているのは間違いないと思います。ただ、支持率なんて気にしない!という堂々としたギラード氏の態度には敬服すべき点もあると思います。まぎれもなく、労働党の苦境を支えているのは、ギラード氏個人の人気に他ならないでしょうから。

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