現在美術日記@関西

アートシーンは東京だけじゃない

瀬戸内国際芸術祭 その1

2010年11月24日 00時10分45秒 | 美術
大盛況で終わった瀬戸内国際芸術祭2010。
全部見るのに一週間かかるとか脅されながらも、なんとか行けました。



ご存知の方はご存知でしょうが、一応概要をば

瀬戸内国際芸術祭2010は、香川県の直島を中心として七つの島に作品を展示し、
鑑賞者は島と島を渡り、海と土地と空気と島民の方々の生活を垣間見ながら
美術・生活・瀬戸内・日本の美術シーンを考える試みです。

個人的な感想ですが、ざっくり言うとこんな感じでしょうか。

見る側がどこまでこのイベントに参加するか、というのはそれぞれですが、
もちろん初心者から美術ライターまで受け入れられる器があります。

今回はポスターを始め、デザインワークが素直で心地よかった。
あくまで場所ありきでこのお祭りは成り立っているという事が伝わってきます。


***


直島を訪れたのは二回目なので、
会期中にしか見られない作品を二泊三日でまわる計画です。

初日はあいにくの雨。
そんな中、早朝5時に出発し午前中に香川県の高松港に到着。
荷物をホテルに預け、早速フェリーに乗り込んで女木島へ。



見ての通りフェリーのデッキに雨が降り込んできてます。



今にも溢れ返りそうなこの海面の高さ。
きっとこれも現代美術でしょう。



雨で写真どころじゃなかったんですが、せっかくなので観光写真的なものを一枚。

福武ハウス2010には有名なギャラリーが各教室に作品を展示してありました。
その中では杉本博司さんの作品「ロストパラダイス」がユニークでした。

公式ガイドには
「小学校に残されていった、物質やガラスの断片などを再構成して
中庭や玄関に展示し、記憶を呼び覚ます作品。」
となっています。

が、平たく言うと、学校の備品を使ったダジャレ作品でした。
またそれがステキに見えるんですね。

そもそも、雨でぐしょぐしょ&人がうじゃうじゃの状態で
繊細な作をじっくり堪能するのは難しい。
それどころじゃない不快感で包まれている中、
雨雲から差す一筋の光に見えました。

マニアックな例を挙げると、
アート大阪2010で現代美術二等兵さんのブースに入った時と
同じ感覚です。

静かなのに爆発感があるんですね。
これは良い作品の知らせです。

もう一つ印象に残った作品はこちら↓




旧女木島保育所に設置されたラング/バウマンの作品です。
建物の中から空気を送り、この大きさを維持しているそうです。
曇天で雨が滴り、作品のもつ効果が最大限に発揮できていました。

女木島にゆかりにある方が見られたら、より一層感慨深い作品になるでしょうね。



まだまだ続きます・・・