現在美術日記@関西

アートシーンは東京だけじゃない

ウィリアム・ケントリッジ――歩きながら歴史を考える

2009年11月14日 00時00分00秒 | 美術
もう1ヶ月も前に行われていた展覧会なのですが、
内容の重厚さから、なかなかレビューできずにいました。

このままお蔵入りにはできない展覧会ですので、
遅ればせながらご紹介致します。
幸い来年には、東京国立近代美術館広島市現代美術館に巡回するので
その参考にして頂ければと思います。

難しいかもしれませんが、もう一度見に行きたい展覧会です。

京都国立近代美術館
ウィリアム・ケントリッジ――歩きながら歴史を考える
そしてドローイングは動き始めた・・・・・・

2009年9月4日[金]~10月18日[日]



この巡回展を含めた展覧会はウィリアム・ケントリッジを日本で紹介する、
初めての大規模な展覧会だそうです。

確かにこれだけの作品をいくつも発表されながら、
日本での紹介がほぼ無かった事は異例なことではないでしょうか。

William Kentridge (2003) Journey to the Moon [excerpt]


主な作品はドローイングのアニメーションです。
一枚の木炭によるドローイングを描いては消すという行為を繰り返して映像にしています。
中には本人が登場するものもあり、ひとえにアニメーションといっても
その技術と数々のアイデアには誰もが驚かされるに違いない。

Art:21 | William Kentridge | Season 5 Preview (October 2009)


また、ウィリアム・ケントリッジの作品は政治的な趣向が非常に多く感じられます。
その背景には南アフリカ社会のの反アパルトヘイト運動と密接に関連していて、
それによって作品が評価された経緯があります。

その政治的背景に関しては、私の知識不足のために深く言及することを避けますが、
その時代感覚の薄いと思われる多くの若い世代にとっても、
作品に触れることで、その背負っている重さを感じられると思います。

William Kentridge (2008) I am not me, the horse is not mine [excerpt 1 of 2]


ウィリアム・ケントリッジの作品の魅力を語る事は大変難しい。
作品の多くは映像作品ですが、もちろんそれだけではなく、
視覚のトリックを使った良質な作品も多数紹介されています。

しかし単純にその奇妙な感覚を楽しむだけの作品ではありません。
その理由は展示全体の空間にはそのテーマに通底する、
ずっしりとした重石を背負わされている感覚に見舞われた経験からです。


展覧会レビューというには余りに拙く、ほぼ作品の内容には触れていませんが、
それにはこの文章によって先入観を持たせたくないという意思もあるからです。

作品の一部を紹介する公式映像が動画サイトに挙っています。
是非実際に作品を間近に、その空間に触れてじっくり観賞していただきたいと思います。


■巡回先■
東京国立近代美術館
平成22年1月2日(土)~2月14日(日)
http://www.momat.go.jp/Honkan/honkan.html

広島市現代美術館
平成22年3月13日(土)~5月9日(日)
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/index.html


イチハラヒロコ+箭内新一
「プレイルーム。2009」

2009年9月15日[火]~10月18日[日]

イチハラヒロコさんと箭内新一さんの展覧会も同時に開催していました。



もちろんウィリアム・ケントリッジの作品を見た後に観賞しているわけですが、
この日本語で表された、日本でしか通用しないような内容に
どこかほっとしてしまうのは何故なのでしょうか。



この中で私のお気に入りは「おててつないで 並んでゴールは よせ」なのですが、
その内容のゆるい皮肉さも相まって、双方の展覧会が対称的な事をより感じさせます。



文章の改行やフォントのさじ加減もこの展示には重要な意味を与えていますね。
要素の少ない作品だからこそ、誰にでも受けいられやすいわけですが、
それが重要な効果を担っていると感じました。

京都国立近代美術館
〒606-8344
京都市左京区岡崎円勝寺町
http://www.momak.go.jp/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。