けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

初秋の美味いもの

2011-09-21 00:33:58 | 浜あるき
浜をうろついていると、美味しいものにも出会えます。

        

栗だんご。船大工さんの奥さんが、わたしがお話をお聞きしている間に、ちゃちゃっと作ってくださいました。
山栗を拾って作る、秋のおやつだそうです。
生栗をだんごの粉で包み、30分ほどゆで、甘辛の餡をかけたもの。
あ~、うんまい。

        

気仙沼といえば、これです。
高知のカツオ一本釣りの漁師に「カツオの刺身は気仙沼にはかなわない」と、
いわせる味です。適度に脂がのり、もちもちした口当たりです。
あ~、こいつも、うんまい。

浜の信仰

2011-09-21 00:31:31 | 浜あるき
宮城県、歌津半島の先端にある尾崎神社。
拝殿に鈴がずいぶんたくさんぶら下がっていて、不思議だなと思い、
よくよく見ると…。

          

漁船の船主さんたちが、奉納していたのでした。
海のなりわいは、運の賜物。縁起かつぎを含めて信仰があついものです。
無事の願いも、また。

帰り道

2011-09-20 00:29:50 | 浜あるき
一ノ関駅で無事にレンタカーを返し、新幹線で帰途に。
JR東日本車内誌「トランヴェール」扉の駅弁紹介シリーズ、
今月号は、世界遺産登録記念に発売された一ノ関駅の「平泉」です。

       

遅い時間だったけれど、買えました。
開いてみて――。車内誌の写真と変らないのがうれしい。
アワビは、本物のエゾアワビ(国産とは書いていないけれど)。
銀河高原ビールの、東京では見かけない違う仕込みのを2種買って、お供に。

とっても美味しい…。
でも、なんだか沿岸の方々に申し訳ないような。
沿岸でおいしいカツオを食べたときには、そんな感じはしなかったのですが。
もちろん、わたしの身勝手な思い入れです。

ほにお、もしくは、ぼうはぜ

2011-09-18 00:35:38 | 野良あるき
宮城の、花泉・登米・南三陸あたりの田んぼに、
モリゾーとキッコロのような、あるいは巨神兵のような隊列を発見。

  

刈り取った稲を、天日乾燥させているのです。
地元では何と呼ぶのだろう。

花泉で出会ったおばあちゃんに聞いたら、「ほにお」だそうです。
あるいは、「いなぐえ(い)」、「ぼうがけ」とも。
南三陸の酪農家の青年に聞くと「ぼうばせ」か、単に「はせ」。

「にお」は「堆」という漢字を当てます。
稲だけではなく、刈り取った豆(枝ごと)や藁を積み上げたものも、
「にお」と呼ぶのを聞いたことがあります。

「はせ」は「はさ」=「稲架」です。
写真のように棒にかけるのを「棒ばせ」と呼び、
一方、他地域でもよく見られる、横に渡した棒に布団を干すような感じで並べるのが「横ばせ」。

違いはどこにあるかというと…
棒ばせは、刈った稲を遠くまで運ばなくてもいい。
しかし、全体がよく乾くようにひっくり返す作業を何度かしなくてはならない。
横ばせは、稲刈のときに稲束を運ぶ労力がたいへんだけれど、ひっくり返す手間はいらない。
腕力か、脚力か、どっちの労力を選ぶか、という選択なのです。

東京ディズニーランドに宮城の“野の風”

2011-09-17 00:36:36 | 野良あるき
9月16日から25日まで、ホテルオークラ東京ベイのレストラン「フォンタナ」で、宮城フェアを開催中。
http://www.okuratokyobay.net/restaurant/fontana/fontana_fair.html#miyagi

これは、ただのご当地フェアとは違いますよ~。
宮城の農家のお母さんが自作のコメ、野菜、味噌をたずさえやってきて、
ホンモノの郷土料理を作ってくれるのです
たとえば…。

  
  

ズンダ餅。餡はもちろん自分の畑の枝豆。豆の風味が違います。
定番のすいとん。あー、日本人でよかった…という、まさにお袋の味。
左下のはキュウリの佃煮。外がパリッ、中はトロリ。
誰もが驚く食感。意外性だけでなく、美味しさも超がつく。
アオジソ巻きのおにぎりは、シェフやスタッフが毎年待ちわびてパクつくとか。

この“農家のお母さん”、美里町の伊藤恵子さんは、タダモノではない。
全国女性農業委員ネットワークの副会長。
田んぼを何ヘクタールも作り、畑もやり、その上、農産物直売所を仲間と立ち上げ、
その中で小さな食堂を運営。
昨年暮れには、美里町の自宅近くに農家レストラン「野の風」をオープンしました。

ホテルオークラとの縁は8年前。“ムッシュー”の愛称で親しまれる芳賀総料理長が、
たまたま直売所の伊藤さんの食堂で昼食。キュウリの佃煮に驚いて話を聞くうちに…。
その後、伊藤さんがホテルで郷土料理を出すのと交換で、
ムッシューが美里町に出向いて、直売所の野菜でフレンチのフルコースを作り、近隣の農家のひとたちにふるまう。
今年は11月ごろに「野の風」で開催予定。

おなかいっぱい、すっかり宮城の気分になって外に出ると、ここはかの夢の国。
閉園時間の人波に飲み込まれ、ミッキー電車で運ばれ…。
          
レストランの郷土料理コーナーも、いってみれば「架空の世界」だけれど、
その後ろに本物の宮城の農村がどどーんと存在していることが、
現実に生きるわたしをほっと安心させてくれるのです。