けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

がぜのわたなずら

2011-09-05 00:42:04 | 浜あるき
がぜのわたなずら。いったい何でしょうか?

がぜ(ウニ)の わた(内臓) なずら(塩辛)。
ウニの腸の塩辛のことですね。
…と、いわれてもね。「ウニの腸ってなに~!?」ですよね。

                

ウニの殻の中って、こういうものしか入ってないんです。
いわゆるウニの身の生殖巣(卵巣、精巣)と、消化器。
そのほかは、大きな歯の塊みたいな口器があって、あとは水で満たされています。

で、写真の茶色い帯状のが、がんぜのわた。
食べたコンブの緑のつぶつぶや、うんちになりかけているのも見えますね。

北海道積丹の漁師は、がんぜのわたは食べないそうです。
ところが岩手釜石では、個人の好みはあるものの、食べる。
わたしも、去年釜石で食べました。磯の香りして、けっこう美味いもんだ。

「大好物!」という漁師さんの話。
ボウルに海水と腸を入れて、割りばしでやさしくかきまわすと、
腸の皮のところだけ、割りばしにひっかかって、すくえるそうです。

そのままご飯にかけてよし、酒のつまみによし。
さらに、2日、3日おくと熟成?が進み、「いいにおい」が出てきて、
日々かわっていく味わいを楽しめるのだそうです。

今年は津波でウニ漁ができない。
7月にお会いした時「ああ、話をしたらなおさら食いでえ~」と、叫んでいましたが、
きのう電話のついでに聞いたら、自家消費分ぐらいとって、1回食べたそうです。
「ご飯にのっけてね、美味かったよ~」。

スローフードとかって流行りだけれど、
こういう食いモンには、かなわねえなあ。