ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

正沢川細尾谷 2/2

2012年08月26日 | 登山

明け方目が覚めた時には満天の星空で、この日も良い天気です。

4時に起床。のんびりしているうちに出発は6時となってしまいました。私の持参したストーブの
火力が弱く、ラーメンを茹でるのに時間が掛かってしまった事が原因でした。
焚火の用意やテント、タープの撤収などすべて安藤さんにお任せすることになってしまいすみま
せん。


出合付近より上流



最初のナメ滝(左右どちらからでも登れる)


出合から細尾谷を上流へと進むとすぐに小さなナメ滝が現れ、最も楽しい細尾谷の始まりです。
やがて正面左手に40m大滝が見えてきます。さすがにこれを登ることはできません。


40m大滝


ネットの記録では滝の左側を登っているものもありますが、どこをどう登るのか全く分かりません。
ひとしきり滝を観察した後、私たちは定石通り右手のガレたルンゼを登ります。 


大滝右手のルンゼ


下で見ていたよりも足場が悪く、上へ登るに従って斜度も増してきます。
途中で左手の林の中へ抜けられそうなところもありましたがそのままルンゼを一番上まで登り
ます。


意外と登りづらい



ルンゼ上部



左手に見える明確な踏み跡を辿り、10mほど斜面を登るとすぐ目の前に細尾沢最大の難所と
されるザレ場のトラバースが現れます。
安藤さんが一旦はロープを出しましたがふと上方を見上げるとザレ場の上部を回りこんで反対
側へ抜けられそうです。

案の定、ザレた崩壊地の上をまわってしまえば難なくこれを抜けることができました。
あとは水の流れに向かってゆるい斜面を下れば、滝の落ち口の15m程上に出ることができま
した。

大滝の落ち口あたり



さて、ここから先は簡単に登れる小滝や、美しいナメ床が続き、とても楽しく登れます。
上空には青空が広がり、遠くには木曽駒ヶ岳山頂付近と思われる稜線が見えます。


細尾谷ハイライト①


細尾谷ハイライト②



細尾谷ハイライト③(最高に楽しい)


細尾谷ハイライト④(まだまだ続く)



細尾谷ハイライト⑤



細尾谷ハイライト⑥(水量が少なくなってきた)


細尾谷ハイライト⑦



細尾谷ハイライト⑧(どこからでも登れます)



細尾谷ハイライト⑨



細尾谷ハイライト⑩



細尾谷ハイライト⑪



このあたりに焚火跡あり


日が差してきました


楽しく遡行を続けていくうちに水量が少なくなり、やがて1:2の分岐を右手に取るとかすかに雪
渓の残った廊下を通過し、さらにその先で水が完全に涸れてしまいました。

1:2の分岐(右へ)


その先の1:1をどちらへ進むか迷いました。
右手は開放感がありいかにも本流と思われます。しかし方向的に山頂よりかなり右手に行って
しまうような気がします。一方左手はトンネル上で枝沢っぽい雰囲気があるものの方角的には
真っ直ぐ山頂方面に向かっています。


迷った分岐(正解は右です)


私が左を主張したため、安藤さんもそうだねと言う感じで同意してくれましたが、家に帰ってから
調べてみるとここは右へ行くのが正解だったようです。
残念。

しばらくトンネル状の登りをこなし、視界が開けた辺りで僅かに二股に分かれましたが、これも左
を選択し、ぐいぐいと高度を稼ぎます。


最後の分岐(これを右に行けば山頂直下に出るかもしれません)


やがて足場の悪いガレガレの登りとなり、山頂左方面へ導かれてしまいますが時すでに遅し。
辛抱してここを登るしかありません。手を置く場所も足を置く場所もすべて力を入れると崩れてし
まうという登りづらいのぼりが延々と続きます。


上部のガレ場


真夏の太陽が真上から容赦なく照りつけます。
ようやく稜線が近づきますが最後まで気を抜くことはできません。
到着してみればそこは、山頂から北へ伸びる馬の背の縦走路でした。

稜線直下


ここに出ました(奥は木曽駒ヶ岳山頂)



安藤さん


私はここで沢用具をすべて脱ぎ、スニーカーへ履き替えました。
山頂までは一般コースを僅か10分ほどです。山頂へ着いてみると駒ヶ根方面からロープウェイを
利用して登ってきたと思われる大勢の登山者で混み合っていました。

祠の前で無事の登頂を祝ってがっちりと握手。
着替えたり、フルーツを食べたりしながらのんびりと寛ぎました。


快晴の木曽駒山頂


安藤さんとは駒ヶ根方面に下山するためここで分かれます。
私は福島Bコースを下ります。


下山口(正面青い屋根が玉の窪小屋)


山頂から一歩木曽福島方面に足を踏み出すと先ほどまでの喧騒が嘘のように静かになります。
木曽小屋、玉の窪小屋を経て、ぐいぐい高度を下げるとあとはひたすらトラバースをします。
巨岩の間をジャンプし、熊の出そうな草に覆われた見通しの悪い道を通り、今にも崩れ落ちそう
な不安定な梯子を渡ります。


巨石の間をジャンプして・・・


熊の出そうな道を抜け


今にも崩れ落ちそうな木道を抜けると・・・


長い長いトラバースがようやく終わり、七合目の避難小屋へ到着です。


七合目避難小屋


小屋の中は2階建てでとても綺麗に管理されていました。
一方、すぐ脇に立っていたトイレはびっくりするくらい汚れておりとても使える状態ではありません
でした。
小屋の前で少し休憩しすぐに出発。

この先は尾根沿いに急斜面を下ります。
ジグザグにつけられた道を延々と下り、六合目の看板を過ぎ、あっという間に五合目に着きました。
七合目までに比べ見通しも良く非常に歩きやすくなりました。

急だけれど歩き易い登山道


このあたりの雰囲気は甲斐駒が岳の黒戸尾根とちょっと似ています。斜度の増した急坂をぐんぐん
下り水の音が聞こえてくるとまもなく四合目に到着です。


四合目(沢の渡渉)


沢を渡りここからは林道を30分ほど下るとやがて昨日通過したスキー場の跡地が見え、ようやく
車に戻ってくることができました。
後半の急な下りを結構なスピードで下ったために、大腿四頭筋にかなり負担が掛かったようです。

温泉に入って汗を流してからのんびり下道を走って帰りました。


自分ひとりではなかなか木曽の沢へ行くことはありませんが、今回安藤さんに誘われて始めて
木曽の沢を遡行しました。アプローチに少々難がありますが、中間部の小滝が連続する部分は
非常に楽しく遡行することがありました。

安藤さん、来年も是非お願いします。