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「ウソ」

2010-11-08 15:47:56 | なんとなく私

先週の金曜日の「下中恵子さんの読み聞かせ講座」の詩は「ウソ」
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   ウソ    川崎 洋  

  ウソという鳥がいます

 ウソではありません

 ホントです

 ホントという鳥はいませんが

 

 ウソをつくと

 エンマさまに舌を抜かれる

 なんてウソ

 まっかなウソ

 

 ウソをつかない人はいない

 というのはホントであり

 ホントだ

 というのはえてしてウソであり

 

 冗談のようなホントがあり

 涙ながらのウソがあって

 なにがホントで

 どれがウソやら

 

 そこで私はいつも

 水をすくう形に両手のひらを重ね

 そっと息を吹きかけるのです

 このあたたかさだけは

 ウソではない と

 自分でうなづくために           出典「日本の詩 いきる」小峰書店

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私は今までこの詩を、何回も朗読している。

なにがホントで、どれがウソやらという世の中で
確実にホントと思えるものが
手のひらに吹きかける息のあたたかさだ。
というのが
せつなく悲しい。

涙ながらのウソに翻弄されて
それでもホントと信じたくて
でもやっぱりウソで
なんかやりきれないけど
それが現実と思ったこともあった。

悲壮感のある詩ではないけれど、
「ウソという鳥がいます」
ってちゃかして始まるから救われる。


改めて読んでみて
朗読の難しさ。
つたえることのむずかしさを思った。

自分の癖って気付かないものなんだなぁ。
    


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キンタ)
2010-11-10 20:53:42
このかわうそのかわ ほんとうのかわうそのかわ

ってのを思い出しました(^^♪

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言葉のちから (ながえっち)
2010-11-10 22:28:56
素敵な詩を教えていただけて嬉しい。
ありがとうございます。

先日、『よかったなあ』を子どもたちに紹介しました。数日後、僕をからかうように子どもらが、「よかったなあ」を連呼していました。あぁ、子どもたちは聞いてくれてたんだなあと、とても嬉しかったです。そして、子どもたちの感性がとても嬉しかったです。

技術も何もないけれど、これからも子どもたちにいろんな言葉を伝えて行きたいな。
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キンタさんへ (kiyoko)
2010-11-11 21:31:27
谷川俊太郎?

よく知ってるねぇ。

わたしこのフレーズ初めて聞きました。
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ながえっちへ (kiyoko)
2010-11-11 22:27:20
子どもたちはきっと
何がホントで
どれがウソやら
ということを実感として感じていることと思います。

子どもたちの感性は鋭いです。

よかったなぁ。っていい言葉ですね。
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