弁護士公認会計士 横張清威の呟き

日々の出来事に弁護士会計士の視点から独自のコメントを加えています

認定経営革新等支援機関

2013年05月24日 | 独り言

先日、認定経営革新等支援機関の申請を行い、無事認可された

 

認定経営革新等支援機関とは、中小企業経営力強化支援法に基づいて、国に認定された中小企業に対して専門的な支援事業を行うものである

税理士、会計士、弁護士、金融機関などがその中心だ

 

あまり知られていないようだが、平成25年4月1日から2年間、認定経営革新等支援機関による指導助言に基づいた設備購入などにつき、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除の選択適用という税制優遇措置が創設されている

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2013/0401ZeiseiKaisei1.pdf

 

たとえば、指導助言に基づき3000万円の建物付属設備(建付)を購入したとすれば、900万円の特別償却か、210万円の税額控除(上限あり)が受けられることになる

 

これはさておき、自分としては組織再編ストラクチャーを利用したドラスティックな事業支援を行いたいものだ

怪しいコンサルのせいで、きな臭い印象が植えつけられてしまった会社分割も、きちんと使えば非常に有効なオプションとなる

会社分割や事業譲渡を通じて、事業セグの整理を行い、意思決定の効率化やモチベーションの向上等を図れば、今以上に活性化する会社は無数とあるだろう

 

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TOB(発動要件)

2013年05月22日 | M&A

前回は、TOB(株式公開買付)の概要について説明しました。

今回は予告通り、TOB(発動要件)について触れたいと思います。


TOBの発動要件は、金商法27条の2第1項に以下のように定められている。

(1)有価証券報告書(有報)を提出しなければならない発行者又は特定上場有価証券の発行者の
(2)株券等につき
(3)その発行者以外の者が行う買付け等であり
(4)一定の要件に該当する取引態様であり
(5)除外事由に該当しない場合

 

(1)有報発行者

原則として、TOBは有報発行者の発行する株式等が対象となる。
有報発行者は、上場会社であることが一般的であるが、未上場であっても株券の募集又は売出しについて有価証券届出書などを提出した会社や、事業年度末又は前4事業年度末のいずれかにおいて株券等の所有者が1000名以上である会社なども含まれる。

例えば、上場廃止後も有報提出義務が存続している会社もTOBの対象となるのであり、前述した高額な課徴金のことを考えれば、十分注意する必要がある。


(2)株券等

TOBの対象となる「株券等」には、以下のものが該当する(金商令6条1項)。

a 株券
b 新株予約権証券
c 新株予約権付社債権
d 外国法人の発行する証券又は証書で前3つの有価証券の性質を有するもの
e 投資証券等
f 有価証券信託受益証券で前5つの有価証券であるもの
g 預託証券でa~eにかかる権利を表示するもの

なお、株券電子化後の振替株式や株券不発行会社の株式のように、株券自体が実在していない場合も当然のことながらTOBの対象である「株券等」にあたる。

もっとも、TOBは支配権の移動に着目した規制であるため、無議決権株式などが譲渡対象である場合には、「株券等」から除外されている。


(3)買付け等

買付け等の内容としては、金商法27条の2第1項、金商令6条第3項等につき、以下のように定められている。

a 売買
b 有償譲り受け
c 売買の一方的な予約
d 株券等の売買にかかるオプションの取得
e 転換社債権の取得

なお、譲渡対価は金銭に限られていないので、株券の交換であっても当然TOBの対象となる。

 

(4)取引態様

TOB規制の対象となる取引態様は、金商法27条の2第1項各号で定められている。

a 市場外買付け等で5%を超える場合(但し、店頭売買有価証券市場における店頭売買有価証券の取引、短期間でなく又は著しく少数のものから買付け等を行う場合は除外される)
b 著しく少数の者からの市場外買付け等で3分の1を超える場合(aの短期間でなく又は著しく少数のものから買付け等を行う場合でもこの規制対象となる)
c 立会外取引(ToSTNeT取引等)による買付け等で3分の1を超える場合(※ライブドア事件による改正)
d 急速な買付け等
e 他者の公開買付期間中の買付け等
f その他政令で定める株券等の買付け等

このうちd 急速な買付け等の規制は、平成18年12月施行の法改正により新たに規制対象となったものである。
具体的には、以下の通りとなる。

 3ヶ月以内に
 10%超の株券等の取得を株券等の買付け等又は新規発行取得により行う場合であって
 そのうち5%が特定売買等又は市場外取引(TOBによるものを除く)による株券等の買付け等であり
 における株券等の買付け等又は新規発行取得の後における買付者の株券等所有割合が、その特別関係者の株券等所有割合を加算して3分の1を超える場合

このd 急速買付け等の意味が分かりにくいと思うので、少々補足説明する。

全く株券を有していなかった者が、市場外で少数者から32%の株式を買い付けたとする。
この場合、bに該当するか問題となるも、3分の1超という要件を満たさない。
この後に、市場「内」で5%の株券を取得したとする。
結果として、37%の株券を有することになるが(3分の1超となる)、bの規制対象は市場外なので、要件を満たさないことになる。

このような抜け道を防ぐ目的で、d 急速買付け等の規制が設けられたのである。

 

なお、上記の%については、特定の買付者のみならず、特別関係者と呼ばれる者も加算される。

つまり、一定の親族や子会社や関連会社についても合算対象となるし、共同して株券等を取得することなどを合意している者も合算対象となるのである。
この特別関係者の範囲は、TOB規制に該当するか否かを決する重要事項であるため、実務上では詳細に検討することになる。

 


(5)除外事由

TOBの除外事由としては、金商法27条の2第1項但書で以下のように規定されている。

a 新株予約権の行使による買付け等
b 特別関係者(買付け等を行う日以前1年間継続して形式的基準による特別関係者であった者に限る)からの買付け等
c その他政令等で定める株券等の買付け等


このように、発動要件は多岐にわたるのだが、実際にはより詳細な適用・例外規定が存在する。
そのため、有報提出会社の株券を市場外で買付けする場合には、常にTOB規制に該当しないか注意した方が良いと考える。


※次回はTOB(取引規制)について説明する予定です。

◆監査法人と法律事務所が共同で行うデューデリジェンスを提供しています◆

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武道館で空手

2013年05月20日 | 独り言

ここのところ、3末決算会社の監査で忙殺されていた

そのため、なかなかブログを更新できなかった

 

また、趣味で空手を行っているのだが、監査のピークでなかなか参加できなかった

ちなみに、空手の稽古は例の武道館が主催している武道学園

空手以外も色々な武道メニューが用意されており、都心近郊なのでお勧め

稽古会場は、武道館本体ではなく、地下にある体育館で通常行っている

 

この間、ようやく参加できたと思ったら、その日は特別に武道館本体で稽古を行う日だった

いざ、出陣

 

広過ぎだよ

武道館

 

そういえば、昨年度末に昇級試験があり、無事4級となった

が、さぼっていた期間で体力と技術が落ちているので、自主訓練で取り返さねば・・・

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会計士と弁護士の相違

2013年05月08日 | 独り言

現在、3末決算会社の監査ピーク

短信チェックが一段落ついて、次に有報チェックが待ち構えている状態だ

 

 

第三クオーター(3Q)の時点で監査初体験のときには、エクセルに不慣れで四苦八苦した

ところが、4Qでは、もはや何の不自由もなくエクセルを使いこなせている(使いこなせていないと仕事にならない

 

当時は、エクセルとワードの使用頻度が会計士と弁護士業の一番の違いだと思っていた

が、4Qも終盤に差し掛かった現在では、ちょっと感想が変わってきている

 

弁護士業では、主に言葉を用いる

一方で、会計士業では、主に数字を用いる

 

言葉にはある程度の幅が設けられているが、数字には幅が存在しない

これが、両者の仕事の相違かと考えるように至ってきている

 

たとえば、訴状で「・・・といえる。」と文章をしめくくるときに、「・・・と言わざるを得ない。」と表現を代替することも往々にして可能だ

しかし、有報でBPSが223.34円のところを223.33円と誤っていることを見過ごしたとなれば、直ちに責任問題となる

 

例えると、ある程度幅のある万里の長城の上の部分を歩いている感覚と、綱渡りをして高層ビルを移動しているような感覚との違いがある

そのため、監査業務を行っていると、非常に神経をすり減らすことになる

 

とはいえ、さすがに3Q、4Qと体験することで、一連の監査業務の流れも把握できるようになってきた

G/Lから個別を固めて、連結精算表を経て、連結を固める、その後に組替表を確認し、短信をチェックして有報をチェックし、最後に監査意見に至る

 

 

弁護士なり立てのときも思ったことだが、受験勉強そのままの知識というのは実務では役立たない

会計士試験でも同じだ

 

これまた例えると、受験勉強は掛け算の九九を覚える程度のものだ

実務では、4桁×5桁の掛け算や割り算、連立方程式を解かされ続けることになる

 

司法試験や会計士試験に受かった段階では、まだ小学2年生程度

早く、成長すべく、4Qが終わったら会計知識の徹底強化をしようと考えている

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就職難の弁護士

2013年05月04日 | 独り言

最近、期末の監査業務の影響でブログがおろそかになっていた

さて、かなり前のことになってしまうが、政府の法曹養成検討会議が司法試験の合格者3000人目標を撤回するとのニュースが流れていた


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司法試験合格者、年間3000人「撤回」へ

司法試験や法科大学院の在り方について議論を進めている政府の法曹養成検討会議は、「司法試験の合格者を年間3000人にする」とした政府目標の撤回を盛り込んだ中間提言をまとめた。

 政府は2002年、「司法試験の合格者を2010年頃には3000人にする」との目標を閣議決定した。しかし、実際の合格者数は、2000人程度で頭打ちとなっていることなどから、中間提言では「政府目標は現実性を欠く」として、新たな数値目標は当面、設けないこととした。

 検討会議では今後、一般からの意見を公募した上で、7月までに最終的な提言を取りまとめる方針。

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ソース

http://www.news24.jp/articles/2013/04/09/07226429.html

 

まあ、この問題は弁護士の側から合格者を減らせと声高に叫べば叫ぶほど、利権にしがみついているように傍からは見えるだろうから、あまり多くは語りたくないところではある

が、最近、就職活動に苦しんでいる修習生と会う機会があったので、聞きかじった話を少し紹介すると・・・

 

何でも、修習生(合格後の研修中の立場)の約3分の1~4分の1程度しか、まだ就職先が決まっていないらしい

現在の修習生は、来年の1月に研修が終わり、社会に旅立つことになるので、まだ就職活動期間は残っている

しかし、5月から12月までの間に劇的に就職状況が改善される見込みはないだろう

 

確か、昨年は最終的に4分の3程度が就職できて、4分の1は法曹登録しなかったと聞いている

おそらく、最終的には昨年よりも状況は悪くなるだろう(3分の1程度は法曹登録できないのではないか

というのも、巷で耳にする法律事務所の景気が年々悪くなっているからだ

 

自分個人としては、受験生や合格者は制度に揺さぶられた被害者だと思っている

そのうえで語るが、個人的には、現在の法科大学院(ロースクール)という制度は、完全なる駄作だと思っている

 

勉強する状況には、人から教わる受動的な状況と、自ら勉強する能動的な状況があると思う

大学の講義などを聞いていたり、大学から提出を求められたレポートを作成するのが受動的な勉強だ

一方で、自ら机に向かって試験に受かるために自ら定めた課題を進めていくのが能動的な勉強だ

 

ハッキリ言って、受動的な勉強の成果が1だったとすると、同じ時間に相当する能動的な勉強の成果は10くらいあると思う

眠くてもとりあえず座っていれば良い講義や、嫌々作成するレポートに何の価値があるのだろうか

こんなことは考えるまでもない

 

旧司法試験は、徹底的に能動的な勉強スタイルが求められていた

もちろん、最初の導入時には、受験予備校に通って基礎講義を受けることがあったが、それ以降はほとんど能動的な勉強を強いられてきた

それで良かったのである

ロースクールは、一発試験を取りやめて多様な人材を法曹として送り込むために、プロセスを重視した教育を行うことを目標として導入された

しかし、受動的な授業の時間はハッキリ言って無価値なのである

 

ロースクール生と話す機会も多々あるが、いずれも大学の延長線のように、おかしく楽しく課題をこなしているだけのようだ(もちろん例外もいるが

真剣に勉強し始めるのは、3回のチャンスが定められた司法試験の1回目に落ちてから

旧試験であれば、大学の3年次に司法試験に落ちた時点で目の色が変わるのに、現在の試験では、大学4年+大学院(2~3年)を経過してから、初めて司法試験に落ちて目の色が変わる(能動的に勉強し始める)

 

端的に言えば、大学(大学院)に金と時間を投下して遊ぶ時間を増やしただけの制度が、現在のロースクールだと思う

 

現在の弁護士の就職難とロースクール制度は直接は結びつかないのではあるが(合格者増加の方が結びつく)、間接的には結びついていることはわかる人にはわかると思う

 

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