ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

イタリア風景「雲がくる」ヴェネチア2018年 水彩画のご紹介です。

2019-03-17 20:26:32 | ヴェネチア

「雲がくる」 透明水彩画 A5(210×148)2018年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵



2018年の夏、

ヴェネチアからジュデッカ島行きの船に乗ってZitelle近くでスケッチして描いた作品です。

左側がサンジョルジョ、真ん中の水色の船(沿岸警備隊)が停泊している右側がジュデッカ島になります。

右端の赤い建物はChiesa di Santa Maria della Presentazioneというカトリック教会です。



朝、目覚めたばかりのひんやりとした雲一つない澄み切った空は

ほんとに気持ちがいいものですね。


幸運にも、その清々しい空を見上げた人は

気づかないうちに心晴れやかな気持ちになりますし、


しばらくすると

少し良いことを思いついたり

なんだか笑いたくなったり

だれかに微笑んでみたくなったりしますから


やっぱりこれは

空からの素敵なプレゼントに違いありません。



ヴェネチアのサンジョルジョも

沿岸警備隊の水色の船も

ジュデッカの木や教会だって

同じように空からの青いプレゼントを眺めて

しみじみと心晴れやかになっていました。


そして、つい誰かが

「雲が無い青い空は綺麗だね」

と言い出して

「そうだね」

「雲一つない青い空は綺麗だね~」

なんてみんなで同調して話しだしました。


すると、

後ろからもくもくとした大きな雲が、ご機嫌にやってきて

みんなびっくりして顔見合わせてモヤモヤしちゃって


何も知らない大きな雲が

「どうしたんだ! なにモヤモヤしてるんだい」

と心配になって声をかけてくれたんです。


みんなはますますモヤモヤしちゃって

ジュデッカの教会なんかは顔が赤くなってしまいました。


返事のないまま

ご機嫌な大きな雲はそのことを気にもせず

ゆるやかな風に吹かれながら

楽しそうにみんなを空から眺めてくるくる回り


やがて

ちりじりになって、小さな雲の集団となり

遠くの青い空の中に消えていきました。











はじめは立派な大きな雲だったのに、

風に流されながら

だんだんこまぎれて、小さくなって消えていく

また現れては消えていく


まるでつかみどころのない、無邪気な感情を表現したような不思議な存在ですね。








突然の予期せぬ来客さんに驚いて、どぎまぎしたことはありませんか?


大運河に入ってくるはずのない大きな帆船が、アカデミヤ橋手前で停泊していました。

ビックリしたし、とてもかっこよかったです。


それもそのはず

この日は9月最初の日曜日で、

ヴェネチアのRegata Storicaというゴンドラのレース祭りの日でございました。

大運河でのレース観戦を

この船から楽しく見るのだろうな~