福ちゃんの散歩道

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世界一長い/短い滑走路とは? 空港の「滑走路に必要な長さ」はどう決まるのか❗️

2020-05-13 00:10:00 | 飛行機の話題(乗り物ニュース)

滑走路の長さは空港ごとにさまざまですが、そもそもどのくらいの長さが必要なのでしょうか。
世界一長い滑走路、あるいは短い滑走路には、もちろんそれぞれに世界一となるべくしてなった理由がありました

滑走路に必要な長さとは?

 飛行機が離着陸するには滑走路が欠かせませんが、小型のセスナ機を運用する民間の空港から、
大型旅客機が離着陸する国際空港の滑走路まで、その長さは様々です滑走路に必要な長さとは?

そもそも、航空機が離着陸に必要な滑走路の長さとは、どのくらいのものなのでしょうか。

まず言葉の定義ですが、
航空機が地上で滑走を開始し、離陸して高度が35フィート(10.7m)に達する距離を「離陸距離」といい、
滑走路の端を高度50フィート(15m)で通過し、航空機が停止するまでの距離が「着陸距離」となります。

一方、現代のジェット旅客機には離陸に際して速度の基準があり、
離陸滑走中にエンジンなどのトラブルが発生した場合に、
離陸を中止するか継続するかの操作を判断する「V1(離陸決定速)」、
操縦桿を引き、機首の引き起こしを開始する「VR(ローテーション速度)」、
航空機が地面から離れ、安全に離陸が続けられる「V2(安全離陸速度)
の3つがあります。

これらの要素から計算される、
「『離陸距離』に15%の余裕を持たせた距離」
「V1で離陸を中止にした際に必要な距離」
「V1でエンジン1発が不作動となった場合に離陸を継続して高度35フィートに達するまでの距離」の、
それぞれ3つのなかで1番長い距離と、
「『着陸距離』に余裕を持たせた距離(乾いた路面で1.67倍、ぬれた路面で1.92倍)」を比べて、
より距離の長い方が「安全運行において必要な滑走路の長さ」となります。

実際には搭載燃料や乗客の数、そして天候にも左右されますが、
ボーイング737などの小型ジェット機は約1800m、
ボーイング767などのワイドボディ機は約2000m、
ボーイング747やA380などの大型機は3000m程度の距離が必要となっています。

世界や国内でもっとも長い/短い滑走路とは?

 ボーイング747やエアバスA380など、大型の旅客機を運用するにはやはり3000m以上の滑走路が必要となってきます。
日本で一番長い滑走路は、
日本の玄関口、千葉県にある成田国際空港のA滑走路と
大阪府にある関西国際空港のB滑走路が共に4000mと最長となっています。

関空
成田国際空港
羽田空港



 
他方、日本で一番短い滑走路は、550mの北海道の弟子屈飛行場でしたが、
残念ながら2009(平成21)年に廃止となり、跡地はヒマワリ畑として再活用されています。
そして2017年12月現在、鹿児島空港との定期便のある鹿児島県の薩摩硫黄島飛行場と、
グライダーの離着陸がメインの大利根飛行場(茨城県河内町)が共に600mと最短となっています。

薩摩硫黄島空港とは 何処❓






商用空港における世界最長の滑走路は、
中国のチベット自治区にあるチャムド・バンダ空港で5500m。
これは空港が標高4334mと高所にあり、エンジンの出力と揚力が低下するために距離が長くなっています。
同空港からはチベット自治区のラサ、成都や重慶に定期路線があります。

世界一短い滑走路を持つファンチョ・E・ヨラウスクィン飛行場

世界一滑走路の短い商用空港は、
カリブ海に浮かぶオランダ領サバ島にあるファンチョ・E・ヨラウスクィン飛行場で396m。
この島はオランダ領内最高峰のシーナリー山(887m)がある火山島で、
島に平坦な土地がほとんどないため断崖絶壁に空港が建てられており、
離着陸には高度な技量が必要といわれています。

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離着陸距離を大幅短縮! 幻の「STOL機」とは?

飛行機が大型化することで滑走路も長くなる一方に思えるかもしれませんが、
他方、飛行機の側で離着陸距離を短くする研究も進められてきました。
狭い国土での活躍が期待された国産STOL機「飛鳥」

たとえば航空機による大量輸送時代を迎えた1970年代、日本国内の地方には、
ジェット機が運用できるような滑走路を持つ空港はまだ少ないものでした。
そこで、狭い国土で活躍が見込まれた短い距離で離着陸するSTOL機(Short TakeOff and Landing)の開発プロジェクトが、
NAL(航空宇宙技術研究所、現JAXA)を中心に進められました。
「飛鳥」のベースとなった航空自衛隊の輸送機C-1

航空自衛隊のC-1輸送機をベースに開発された「飛鳥」は、1985(昭和60)年10月に初飛行を行います。
離陸距離は680m、着陸距離は480mと、STOL機として十分な性能を発揮し、
当時の最新技術が用いられ量産化が期待されましたが、
機体に掛かる高いコストや、このころになると地方空港にも長い滑走路が整備され始めたために見送られました。
かかみがはら航空宇宙博物館に展示されている飛鳥

2017年12月現在、
「飛鳥」の機体は岐阜県各務原市にある「かかみがはら航空宇宙博物館」に所蔵されており、
見学することができます(現在、同博物館は改装中で2018年3月24日にリニューアル予定)。

【了】

空港の話

離陸について





速度の種類 V1, Vr, V2

パイロットはその日の機体の状況(機体やエンジンの種類、フラップの角度やエンジンの離陸推力)、重量や気象状況(気温や気圧、風向や風速)、滑走路は乾いているのか、雪が積もっているのか、積もっていればどのくらい積もっているのか、離陸経路上の障害物の状況など、種々の条件を考慮して離陸の速度を決定していきます。

V1: 離陸決定速度(Takeoff Decision Speed)

離陸決定速度V1は、離陸の中止を決定した時にパイロットが停止操作をする最大速度、であり離陸を続ける場合には滑走路の範囲内で安全に離陸できる最小速度です。すなわち、V1までに重大な故障が発生すれば離陸中止し、V1以降であれば残された滑走路では止まれないので離陸を継続します。

このV1は所定の範囲内で決める事ができます。
V1を大きくすれば離陸に必要な距離は短くなりますが、停止するのに必要な距離は長くなります。障害物等が無い場合、エンジン故障の際に離陸に必要な距離と停止に必要な距離が等しくなる速度を使用するのが、一般的に最も滑走路を効率よく使用することができます。

V1は230~300km/hくらいです。

Vr:引き起こし速度 (Rotation Speed)

引き起こし速度Vrは操縦桿を引き始める速度です。引き起こし操作をすると、数秒後に機体が地面から離れ始めます。飛行機はある程度の速度がないと空中でコントロールすることができませんので、Vrは空中でコントロールできるスピードに少し余裕を持たせて決定します。また通常時でも、エンジン故障の際でも余裕をもって浮き上がることのできる速度に設定します。

Vrは通常V1と同じか少し大きい位です。

V2:安全離陸速度 (Takeoff Safety Speed)

離陸安全速度V2は、この速度に達していれば安全に上昇していくことができる速度で、機体が失速したりコントロール不能にならないように余裕をもって設定します。

V2はVrより5~10km/h程度多い速度のことが一般的です。

離陸時のコックピット

以上で紹介した速度以外にも更に色々な速度が定められていますが、通常パイロットが離陸前にコックピットで計算している速度はV1,Vr,V2の3種類です。これらの速度は重要なので、二人で確認しながら離陸しますが、操縦を担当しているパイロットは操作や前方の監視も重要なので、もう一人のパイロットがV1,Vr,V2に達したら読み上げます。操縦を担当していない方のこのパイロットは他にも、エンジン計器を監視したり、管制官との無線通信を担当しています。

離陸の瞬間は色々な状況を瞬時に判断しなければならないため、集中が必要とされる瞬間です。

無事に離陸した飛行機は、更に加速を続け、通常高度約1000mに達するとフラップを上げながら、時速約500km/h程度に加速します。
高度約3000mになると巡航速度に加速しながら巡航高度まで上昇していきます。






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