永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

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第3章(6)【日繰り資金繰り表】を作れば対策が見えてくる ①手遅れにならないために・・

2016年12月27日 | 第3章 経営危機の乗り越え方

章 経営危機の乗り越え方

 資金繰りに困ったり、急激に売上が落ちてきたら、この章をお読みください。

(6) 【日繰り資金繰り表】を作れば対策が見えてくる

 ① 手遅れにならないために・・

 

 経営危機に直面したとき、私もそうであったように、この経営危機を誰にも悟られてはいけないと、経営者は追いつめられ、孤独になり冷静な判断をすることが出来なくなります。

 資金繰りに窮している時に、「幸せ企業」や「長寿企業」と言われても、経営者の耳には届きません。経営者の頭の中にあるのは唯一お金のこと、つまり「資金繰り」のことばかりになってしまい、創業のときの理念やビジョンなどはどこかへ消えてしまい、ひたすら企業の存続のみ考えた対策しか取れなくなってしまいます。

「衣食足りて礼節を知る」(孔子) 

「恒産なければ恒心なし」(孟子)

まさに、「貧すれば鈍する」状態です。

賢くて人格的に申し分なかった経営者でも、資金繰りに窮すると知恵や頭の回転が衰えてしまい、苦し紛れに出来ない約束をしたり、うそをつくなど愚かなことをするようになります。

 

 「資金繰り対策」についても、これを解消するのは「売上アップ」か「借入」と短絡的に考え、利益を無視した売上アップ対策を採ったり、返済の見込みのない無理な借入に走ってしまいがちです。

 何とか「借入」で一息つくものの数ヶ月もすれば、以前よりも資金繰りが厳しくなっています。当然です。経営そのものには何も手を打っていないのですから…。この行動が倒産への「負の連鎖」を引き起こしてしまうのです。

 

 この「負の連鎖」を断ち切るためには近視眼的に企業を見る経営者に代わって、俯瞰的に、冷静に企業や家族のことを観てアドバイスできる人の存在が不可欠です。

 懸命なアドバイザーがまず取り掛かるのが「止血」つまり「緊急資金繰り対策」です。

 

 最初にお断りしておきますが、「緊急資金繰り対策」はあくまで経営再建対策を行うための準備作業です。歯医者に行っても、歯が疼いているときは痛み止めの注射を打ってくれるだけで治療はしてくれません。高熱があるときはまず熱を下げ、体力を取り戻してから本格的な治療に入るはずです。

 経営再建という治療を施し健康な体に戻るのには相当の時間がかかります。利益を伴った売上対策や資産対策などはすぐに効果が出るものではありません。それらが効果を出す期間、資金繰りにわずらわせられることなく経営に打ちこめるためにするのが緊急資金繰り対策なのです。

 

ほとんどの中小企業経営者は「経営再建=資金繰り対策」と考えられています。緊急資金繰り対策はあくまで「緊急」です。痛みが取れ、熱が下がったら安心するのではなくそこから本当の意味での再建対策が始まるのです。

運転資金借り入れや借り換え、リスケ(リスケジュール:債務返済を繰延すること)はそれ自体で再建対策には成り得ません。借り入れ、借り換えやリスケが出来たから再建は成功などという専門家は問題外です。「再建対策の時間を借りる」ための一つの手段に他なりません。

同様に、以下に述べているのは資金繰りの緊急対策であって抜本対策ではないことを忘れないで下さい。

 

 ② 資金繰り対策の原則

 

 資金繰り対策で最も基本的な原則は、一時の感情や軽はずみな判断で、場当たり的な行動をしないことです。

 自分や家族の預貯金や保険を切り崩して会社にお金を入れたり、カードローンやノンバンクから借入したりすることは、絶対にやめてください。第1節で述べた「負の連鎖」に陥り、最悪の倒産に突き進んでしまいます。

 また、銀行や信用金庫などから新たに借入をしたり、返済条件の変更(リスケジュール)を行うのもお待ち下さい。中長期的計画性のない金融機関交渉も、やはり最悪の倒産へ向かって進む道でしかないからです。

 

 経営者のみなさんが資金繰りのために何よりも最初に行わなければならないことは、

  「何月何日にいくら資金が足りなくなるのか」

  「いつまで資金が続くのか」

ということを正確に把握することです。

 そのためには、「日単位」の資金繰り表を作ることしか方法はありません。本プログラムを進めていけば「月単位」の資金繰り表が作成されますが、極めて資金繰り状態の悪い緊急時には「日単位」の資金繰り表が必要となるのです。それはなぜでしょうか? 次の「日単位」資金繰り表を見てください。

 

           入金     支払い       残高

/31                        繰越残高100万円

/20 A社へ支払い         100万円     0円

    B社へ支払い         200万円    -200万円

/30 C社から入金 300万円            100万円

/20 D社へ支払い         500万円    -400万円

/31 E社から入金 500万円            100万円

 

 この表を見ると、まず420日に200万円の資金が足りず、さらに520日に400万円の資金が足りないことがわかります。資金不足になる日とその金額がひと目でわかるので、事前に資金繰り対策を行う準備をすることができます。

 しかし、これを「月単位」の資金繰り表にしたらどうなるでしょうか? 実は次のようになります。

 

     入金     支払い    繰越残高

3月                100万円

4月  300万円  300万円  100万円

5月  500万円  500万円  100万円

 

 月単位の資金繰り表では、資金不足の予測ができないのです。そのため、支払い直前になって初めて、「あっ、今度の20日に資金がショートしてしまう……どうしよう!」とオロオロしてしまうのです。もちろん、急に資金を集めようとしても思い通りにいくのは至難の業です。さらに、この例で言えば、たとえ420日に足りない200万円を工面したとしても、520日にまた資金不足がやってきます。

 

 ですから、資金繰りに困らない会社にするためには、日単位の資金繰り表を作成して、「何月何日にいくら資金が足りなくなるのか」「いつまで資金が続くのか」をしっかりと把握する必要があるのです。

 

 では、何カ月先まで日単位の資金繰り表を作成しておけばいいのでしょうか? それは、

 現金取引の場合は少なくとも3カ月先まで

 手形を発行している場合は少なくとも6カ月先まで

の資金繰り表を作成しておく必要があります。

 そうすれば、「いつ資金不足(資金ショート)がやってくるかわからない恐怖」から解放され、落ち着いた気持ちで対策を立てることが可能となるでしょう。

 

 

次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (4)【日繰り資金繰り表】を作れば対策が見えてくる  ③日繰り資金繰り表の目的と重要点です。

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 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

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第3章(5)【連動式財務三表】を作成して自社の問題を把握する

2016年12月19日 | 第3章 経営危機の乗り越え方

章 経営危機の乗り越え方

 資金繰りに困ったり、急激に売上が落ちてきたら、この章をお読みください。

(5) 【連動式財務三表】を作成して自社の問題を把握する

 最初にやることはお金を借りてくることではなく、お金が出て行く事を止めること、すなわち「止血」です。そのためには今に至った根本的な原因を掴まなければなりません。

 私が、事業の再生に取り組む際に最初にとりかかることは、クライアントから3期以上の決算書を頂いて【連動式財務三表】を作成することです。


 【連動式財務三表】は私が考案した財務分析と問題・対策発見表です。簡単に言えば過去3年分と当期を含む未来5年分の貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッュフロー計算書(C/F)が1枚の表で見れるものです。この表を作成することによってもうけた金がどこに行ってしまったのか、借りた金がどこに消えてしまったのかが手に取るようにわかる上に再建計画の柱のひとつ資産・負債対策が見えてきます。
 また、経営再建現場で【連動式財務三表】の内容を説明する際に、貸借対照表や総勘定元帳の勘定科目ががなぜこの順番に並べられているのかを経営者の方に質問しながら現状把握しながら同時に対策を考えていただきます。私がデューデリ1をして、原因と対策を教える方が簡単なのですがそうはしません。というのも経営者になぜそうなるのかを会得してもらう必要があるからです。

たとえば、
 貸借対照表の資産と負債と資産の関係を図で描いて説明し、
「貸借対照表の資産の勘定科目は現金に変わりやすいものから順番に並んでいるのですよ。ですから最初が現預金ですね。あなたの会社はこれがほとんどゼロに近いので資金繰りに窮しているのですが、その下には売掛金や商品在庫、その他立替金や未収金が結構ありますね。さて、どうしますか?」と問いかけると、
「売掛金を上の現預金に変えればいいんですね。売掛金や替金、未収金をチェックして、滞留している相手先にアクションを起こします。売上が減少しているのに、商品在庫がここ数年増えています。在庫の中身を精査して、現金化するようにします。」
などというよな答えが返ってきます。
 このようにして、再建しながら経営者としての知識を知恵に変えていただくのが私のやり方です。


 先に総勘定元帳も同じ順で勘定科目が並んでいると言いましたが、あなたは総勘定元帳をご存知ですか。「ああ、決算が終わったら会計事務所が持ってくる厚いファイルのことことだ。」という経営者ならまだしもですが、「そんなの見たこともない。」とか「税理士事務所が預かってくれている。」という企業がほとんどです。ところが、総勘定元帳は事業再生の対策の宝庫です。【連動式財務三表】の損益計算書で前年に比べて以上に旅費交通費が増えている場合、すぐに総勘定元帳でその科目をチェックします。損益計算書の順番通りに並んでいますので厚いファイルの中からでも簡単に旅費交通費が見つかるはずです。
そこには期首から順番に旅費交通費の仕訳伝票が並んでいます。


 【経営再建プログラム】ではこのような問答が繰り返し行われて、経営者自身が原因と対策を考え、実行に移していくことになります。その結果、財務諸表を数字ではなく、お金としてとらえ、同じ売上で最大の利益を出せる力が身についてきます。これが結果として経営者の経営能力を高め、内科治療となって企業の体質を健全企業に変えていきます。債務超過から【経営再建プログラム】を経て正常企業、健全企業さらに無借金企業に到る企業が高い確率で出てくる最大の理由です。


 企業再生において第二会社方式の会社分割などの外科治療は非常に有効です。しかし、第二会社の実質経営者が前社長である場合、基本的な体質は変わってないのですから早晩再び経営危機に陥る可能性が大きいと考えます。

1 デューデリジェンスの略称。デューデリジェンスとは本来投資対象を詳しく調査することを言いますが、税理士や経営コンサルタントが使う場合は企業の財務内容を詳しく精査することを言います。  

次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (4)【日繰り資金繰り表】を作れば対策が見えてくる です。

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第3章(4)再建に成功する人はこれができた その④⑤⑥

2016年12月13日 | 第3章 経営危機の乗り越え方

章 経営危機の乗り越え方

 資金繰りに困ったり、急激に売上が落ちてきたら、この章をお読みください。

(4)再建に成功する人はこれができた その④~⑥ 

 ④ 必ず反対する人がいる

  経営再建や新規事業開発などで企業が大きな変化を必要とするときには必ずと言ってもいいくらい反対する人が出てきます。
 あまりに反対が多いので、経営再建がうまくいかないと悩む経営者がいる一方、従わないのならやめてしまえと怒鳴りだす経営者もいます。これはどちらもいけません。
 人は基本的に「変化を恐れる生き物」です。また、人には 「自分をよく見せたい」という欲求があるため、失敗する可能性がある挑戦を避けたがります。ですから、そのような従業員に対して過剰にならないで、冷静に対応することが重要です。

 また、反対する人の多くは古参の経営幹部です。
 典型的なパターンは社長は2代目で、反対する経営幹部は創業社長の右腕で会社を気づきあげた功労者の一人で、現社長は生まれたときから知っており、鼻水を垂らして泣いていたのも知っています。中には粗相の処理までしたガキが社長になっているだけと思っている従業員もいます。このような経営幹部で流れについていけなくなっている人は、自分の存在が希薄になっているのを寂しく思っています。
 第1章(4)戦術のところでもお話しましたが、従業員というものは、何か命ぜられると、二言目には「できません」と言う人種です。できないと反対する経営幹部には、「私も難しいと思うが、君だからこそ無理を承知でお願いしているのだ。」と言って、経営再建の重要課題のリーダーにしてしまうことです。
 『経営再建プログラム』では幹部はもちろん、従業員も各部署やを代表して参加してもらい、プログラムチームを作ります。少人数の会社は基本全員参加です。
 それでも、提案した再建策に反対するのなら、「どうすれば再建できるのか、その方法を教えて下さい。」と、代担案を考えさせることです。その上で、まだ反対だと言って協力しないのなら、そこではじめて
 「その方法を見つけられないうえに、任せると言っても無理だの一点張りなら、会社の指示に従ってもらいます。それでも反対されるなら、会社はリストラを考えていませんので、会社を退職することもお考えください。」
と言うべきです。


⑤ 守りたいモノと守らなければならないモノ

 とりあえず応急的な止血ができたら、すぐに再建(改善・再生)対策に取り掛かる必要があります。
 しかしその前に、経営者ご自身が本当に望んでいるのはどうすることなのか、「本人はどうしたいのか?」を見極めなければなりません。口では再建したいといっていても、本心は出来れば辞めたいのかもしれませんし、再建する方法が見つけられないので、廃業や倒産をするしかないと思い込んでいる場合もあります。
 その背景には「守りたいもの」があります。ですから、再生スキームを決めるために一番最初に確認しなければならないのは、本人やご家族が守りたいものは何なのかということです。経営コンサルタントなどのアドバイザーは、本人が納得してないのに
「この方法しかありません。」
「絶対にこうすべきです。」
と押し付けることは避けなければいけません。

 私自身の倒産体験やわたしの再建プログラムの体験者の話などから、経営危機に陥った人の多くが守りたいモノと守らなければならないモノは違うということを繰り返し説明します。しかし、「この方法しかありません。」「こうすべきです「」とは絶対に言いません。
 再建か、廃業か、また自己破産申請かを選択しなければならないときに、同じような財務内容でもその経営者の年齢や健康状態、環境などによって私の答えが違う場合があります。
 例えば同じような経営環境や財務状況でも、
1)経営者が35~45歳で守るべき、愛する奥さんや子供があり、経営者本人も精神的にも体力的にも相当の苦労に耐えられるというようなケースでは【経営再建プログラム】に着手を選択する
2)経営者が20歳後半独身で、自宅も何もないのであればソフトランディング型で自己破産して、捲土重来十分な準備してから、倒産をバネにして再起業に挑戦するというスキームを選択する
3)経営者が65歳以上で高齢者の場合は、会社が亡くなった後の第2の人生をどう成り立たせるかという個人の再生を前提とした廃業プログラムや任意整理を選択する
という判断をすることも少なくありません。
 逆に私は、もちろんこの再建活動は血を吐くような苦労が必要であるということを繰り返し申し上げた後の話ですが、本人が万が一倒産に至っても、廃業より経営再建、事業再生をやりたいというのであれば、
「再建の可能性が殆どゼロにちかく、私も自信がない。しかし、私に出来る限りの力を絞って、再建活動に着手します。」
と申し上げて再建プログラムに着手させていただくようにしています。
 人が後悔するのはやって失敗したことよりも、なぜあの時やらなかったのかということなのです。
 「人生の決断において後悔しないこと」が大切です。

⑥ 経営再建プログラム開始の三条件

 初回問診の事前資料として相関図とともに
実際に「守りたいもの」を問診票で記入して頂きますが、その殆どは、
今の街での家族との安寧な生活
自宅
連帯保証人の財産
などです。
 「ここで自己破産を選択すれば、これは頑張れば守れる可能性がありますが、これとこれは失う可能性が大きですよ。」
「もし廃業するのであれば、これとこれだけは守れる可能性があります。」
というふうに説明していきます。
 これを確認して初めて経営者に再建できるかどうかの最大ポイントである
①「経営者に何としても再生させるんだという強い意志があること」
という再建の第一条件をクリアーすることができるのです。
再建の第二条件は
②「家族や従業員の協力を得られること」
です。
 経営者だけでは再建どころか何一つ出来ません。従業員の方々に現状を嘘偽りなく開示説明し、再建への協力を取り付ける必要があります。会社に携わっていない家族も同様です。
 家族の協力が得られない経営者が、苦しみ疲れ果てて帰ってきた自宅で「お疲れ様」の一言もなくテレビを見て大笑いしているのを見れば「俺がこんなに苦しんでいるのに、もうどうなってもいい」とヤケを起こすこともあります。
 実際に、私の俯瞰塾会員の再建プログラムでの話ですが、「経費削減対策」の話を横で聞いていた小学生の子供さんが、「お父さん、僕、お小遣いもういらないから頑張ってね」と言われたとその経営者は涙を流しながら「絶対この子のために再建させます」と私に誓ってくれました。
 果たして現在、その会社は私の【俯瞰塾】会員です。
 私は小さなお子様がいる経営者には、
「再建活動は心身ともほんとうに大変で逃げ出したい毎日ばかりですが、帰宅されたらこどもさんの寝顔を見て、『この子を不幸にしてなるものか』と念じてください」
と申し上げています。
 三番目の条件は、再建計画書で営業利益が出る見込みがあるか、ということです。

【経営再建プログラム】で

緊急資金繰り対策
資産・負債対策
経費削減対策
仕入(原価)対策

を実施すれば、営業利益を出すことが出来るのかを【連動式財務三表】を作成して見極めていきます。

次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (3)【連動式財務三表】を作成して自社の問題を把握する です。

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 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

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第3章(3)再建に成功する人はこれができた その③「入るを量りて出ずるを制す」が唯一の脱出方法

2016年12月07日 | 第3章 経営危機の乗り越え方

章 経営危機の乗り越え方

 資金繰りに困ったり、急激に売上が落ちてきたら、この章をお読みください。

(3) 再建に成功する人はこれができた

 ③ 「入るを量りて出ずるを制す」が唯一の脱出方法

  今週は「入るを量りて、出ずるを制す」です。
四書五経の五経のひとつ礼記の言葉ですが、それよりも二宮金次郎の言葉で知られています。また最近では、稲盛和夫先生がJAL再生を引き受けられた時の記者会見でこの言葉を使われてその決意を述べられたことが記憶に新しいですね。

それでは、「入るを量りて出ずるを制す」とはどういうことを言うのでしょうか。
 「入る」とは外部から会社に入ってくるお金のことです。「出ずる」は会社から外部に出ていくお金のことです。

  勘定科目で言えば「入る」は「売上」や「受取利息」など、「出ずる」は「仕入」や「販売・一般管理費」、「支払利息」などになります。つまり、「入るを量りて出ずるを制す」とは、入ってくるお金を正確にとらえて、出て行くお金を制限して減らしていくことです。
 「そんなことあたりまえじゃないか」と思われるかわかりませんが、経営再建の現場に入ると、多くの経営者は「入るを増やして」ばかり腐心されています。京セラの稲盛和夫さんが2010年に日本航空の再建を引き受けられた時の最初の記者会見で「経営は『入るを量りて出ずるを制す』が原点」だと断じておっしゃられたときさすがだなと感嘆しました。

 二宮尊徳はこれを「分度」という言葉で表現しています。

 どんな財政の再建でも、その基本は、「入るを量って、出ずるを制す」である。

 「入るを量る」ことが出来なければ、「出ずるを制す」しか方法がない。

 「分度」とは言ってみれば、「自己の能力を知り、それに応じた生活の限度を定めること」である。

 「わたしのやり方は、質素、倹約を旨とし、それによって余剰を生み出し、その余剰で他人の苦難を救い、それぞれが刻苦精励して、家業に励み、善行を積んで悪行はなさず、よく働いて、一家の安全をはかるというやり方である。どの家もこのように努力すれば、貧しい村も豊かになり、滅亡寸前の村も必ず復興できる。」

 以上は」、「二宮金次郎の一生」(三戸岡道夫著 栄光出版社)からの抜粋ですが、まさに経営再建、企業再生の真髄を捉えています。一般的な再建プログラムが「一時しのぎ」に始終するのは、まさにこの基本的な原理原則を「芯柱」にしていないからです。

 既存のやり方で前年以上に頑張って働いても、「入る」は減るのが当たり前の経営環境のなかでは、「辻褄合わせ」や「ゴールシーク」で予算を作るから、結果的に赤字の垂れ流しが続くのです。まずは、「出るを制す」予算を作成し、「余剰」「分度外」を必死で生みだすのです。

 もちろん、具体的な「出るを制す」には学びと知恵が必要です。

 (三戸岡道夫「二宮金次郎の一生」栄光出版社p56~)に二宮尊徳が服部家の復興の中で借金を頼みにきた女中に薪の節約で借金を返す方法を教えるくだりがありますが

  • 今の方法では薪は節約できない

  • 鍋の底の鍋墨を落とすこと、火が鍋底に丸く当たるように鍋を置くこと、に因って薪は完全燃焼するので一日薪二本が節約できる

  • 薪が完全燃焼すると、残り火の火力も強くよい消し炭ができる

  • この残り火でお惣菜の煮炊きくらいはできる

と具体的にどうすれば倹約できるのかの知恵を授け、一日薪二本が節約できれば、百日で二百本の薪のお金を生み出すことができるとアドバイスしています。

 これは非常に重要な事で、経営者は社員に「経費が多すぎるから、もっと減らせ」などと頭ごなしに何度言っても、社員さんは動こうとはしません。なぜなら、倹約の知恵がなければ単純に使えるものが少なくなって、社員さんの負担が増えてしまうからです。

 炊き事をしても、二宮尊徳の方法なら、完全燃焼するので煙にむせることもなく、鍋底も汚れにくいので鍋を洗う手間も少なくなって女中さんも助かります。

 

 そうして生み出した「余剰」「分度外」を変事のために蓄え、未来の売り上げの核となる「新規事業対策」や「人」につぎ込んでいくこと、これが「入るを量りる」ということです。

 「分度」を決めることが出来、「至誠」と「勤労」を「習慣」化し、継続できれば、どん底の陥った中小零細企業も必ず再生・再建出来ると確信しています。それどころか、【経営再建プログラム】で「入るを量りて出ずるを制す」ことができ、「分度」できた企業のうち、赤字脱却や債務超過解消ができただけではなく、一気に健全企業から実質無借金企業に駆け上った例が少なくありません。

 「分度」とは自分お立場や状況に見合った生活や経営をすることです。「入るを量りて出ずるを制す」る生活や経営を続けることです。【経営再建プログラム】の時にまず、
 「使った方が楽、あった方が便利という経費を使っていませんか?」と聞くことから始まります。
 「例えば同じ色のボールペンが2本あったら、1つは胸にあって1つはテーブルの上にあったら楽ですよね。でも1本で何か困りますか? 基本的なことができませんか?」というと、そんなことはないありませんと答えられます。 また、1本なくしても困ることがありません。ということは管理する考えや探す努力をすることがないということです。これが言うことを1つずつしていくのが、家計を守るということなんです。

 従業員の立場で言えば、「分度」というのは今入ってくる、皆さんがいただいている給料の中で、後ほどお話するの「推譲」のことが優先科目ですけれども、その中でどう使うものを決めていくか。優先順位を決めていくわけですね。これをできないから苦しむわけです。
 

 お金って不思議なもので。私自信も倒産を経験していますから、非常に分かります。「入る」ことばかりを考えれるから、借金やカードローンにどんどん落ち込んでいくんです。もう倒産する前というのはみんな経営者は狂っていますから、ともかく会社を生き残らすために借りられるものを全部借りるんですよね。カードだって、ひどい人はどうしたらそれだけ見事に借りられるのかなと感心してしまうぐらいな経営者もいます。30社ぐらいでワーッと借りている人までいます。こんな「入る」は役に立ちません。注ぎ込んでも、注ぎ込んでもダメですね。会社に入れてすぐに「あのお金はどこに行ってしまったんだ」ということになります。これをやると、もう抜けられなくなります。
 会社のお金に困って、1円でも個人のお金や保険を解約して会社につぎ込んだり、親戚や友達から借りて返済に当てたり、カードローンや消費者金融機関からの借り入れてしまって、今これをお読みの経営者は、今この段階で井上経営研究所の無料相談でご相談ください。

 私が「人生(の決断)において後悔しない」を「経営信条(クリード)」の一つにしているのは、わたし自身が同じ段階で誰にも相談することをしなくて、最悪の倒産に至って「あの時決断しておけば」と後悔し続けたからです。

次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (2)再建に成功する人はこれを知っている-その④から です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A

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井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。 ●企業再生コンサルタント   ●論語指導士(論語教育普及機構認定資格) ●M&Aシニアエキスパート(一般社団法人金融財政事情研究会認定資格) ●事業承継・M&Aエキスパート(同)

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。