永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

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第1章(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の判断基準=「モノサシ」 企業の不祥事は「信条」と「行動規範」で防げる

2016年10月24日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の判断基準=「モノサシ」
  企業の不祥事は「信条」と「行動規範」で防げる


 さて、ここまで広義の経営理念の中身について、「使命(ミッション)」、「目的地(ビジョン)」についてお話してきました。その後、「目的地(ビジョン)」を数字で表現した「「経営目標(ターゲット)」から「経営戦略」、「戦術」への落とし込みについても触れてきました。

 ここで、(いつも下手な我流のイラストや図で申し訳ありませんが)図をご覧ください。これは、『長寿幸せ企業』の広義の経営理念をイメージしている図です。

 『長寿幸せ企業』を目指す企業の経営者は、起業もしくは事業継承後できるだけ早い時期に、これらを確立しなければなりません。

 まずは、芯柱の「使命(ミッション)」、と「目的地(ビジョン)」および「経営目標(ターゲット)」を決定します。これが樹木の「幹」になります。

 次に、幹から「枝」である「戦略」を伸ばしていき、「戦術」を駆使して、「葉」を茂らせます。葉は太陽の光をいっぱい受けて、「花」を咲かせ、「実」をつけます。
 実は「果実」、つまり利益です。その利益である果実から「種」が大地に落ちます。「果実」はくだものという意味ほかに、収益や利益という意味があります。「果実」という収益は、樹木の周りの生物に多くの恩恵を与えます。さらに、「果実」という収益から、未来を支える新規事業への「種」が生まれるのです。
 すべての種(新規事業)が外部環境に適応できて大きな樹になれるわけではありませんが、繰り返し、種が大地に蒔くことができれば、次の世代に引き継ぎ続けることができます。

  一本の樹木と同じく一事業にも必ず寿命があります。樹木が盛んなうちに次世代につなぐ新しい若木を育てることが、長寿の森を育てる必要条件です。

 樹木のいとなみは自然のいとなみです。松下幸之助は成功の秘訣を「天地自然の理(老子)」と答えていますが、樹木も人間もこの理に従って存在しています。会社や事業はその人間が作ったのですからその理に従うのが最も賢明だと考えています。人間の「驕り」が地球を脅かしているように、経営者の驕りが「会社」を消滅させるのです。

 自然界に台風や大雨、かんばつがあるように、事業経営にも経営危機がつきものです。
 樹木は太い「幹」や大きな「根」を張ってこれに耐えます。経営理念の「幹」に相当するのが、(2)でお話した「使命(ミッション)」、(3)でお話しした「目的地(ビジョン)」そしてこれからお話する「経営信条(クリード)」や「社訓」です。

 経営信条や社訓とは、企業で大切にしている従業者の心構えや指針です。
 たとえば、パナソニックの信条は

「向上発展は各員の和親協力を得るに

非ざれば得難し 各員至誠を旨とし

一致団結社務に服すること」

とあります。


 「経営信条(クリード)」や社訓をさらに踏み込んで、社長からすべての従業者が具体的に判断行動するとき誤らないように助けるのが樹木で言えば「根」に当たる「行動規範(モラルコード)」の役目です。主に、倫理的、道徳的な行動指針を明記しています。

 「行動規範(モラルコード)」を共有することは社風や企業文化につながっています。これを継続することができれば、『長寿幸せ企業』に最も大切な「信用」の蓄積や「ブランド化」に通じていきます。

 逆に行動規範がなかったり、あっても空文化していれば、企業の社会的責任が重要視される昨今においては、財務的に健全・優良企業であっても不祥事を起こせばあっという間に経営危機に陥ります。

 前節(5)「戦術は部下に任せる」で「戦術を伴った計画ができあがれば、あとはその責任者に任せるべきです。」と言いましたが、その時に非常に重要なのが、「行動規範(モラルコード)」です。
 責任者自ら苦労して作成し、認められた戦術であり、計画ですから、彼らはその売上や利益目標を達成しようと精いっぱいの努力をしてくれるはずです。

 しかし、怖いのはその時です。
 彼らが必死になればなるほど、彼らにはその目標や予算しか目に入っていません。徳とか法令の順守は二の次どころか頭の中にさえ存在しないような状態になることがあります。そんな時、企業に「行動規範(モラルコード)」があり、その中で不徳や不法行為が強く諌められており、経営者がこの行動規範を我が社全員の行動ルールだと日々口酸っぱくしており、これを破れば普段おこらない経営者でも烈火のごとく怒る。そのような信条や行動規範を毎朝唱和していれば、度々マスコミを賑わすような企業の不祥事が起き経営危機に陥ることはありません。

 社員が集まる会議やミーティングなどのまえに、最低でも「使命(ミッション)」と「行動規範(モラルコード)」だけは全員はっきりと唱和していただきたい。

 売上目標などを大声でがなりたてている企業が『長寿幸せ企業』になることは絶対ありません。手段を顧みず、売上や利益を追い求めても、行き着く先は

「不義にして富み且つ貴きは我に於いて浮雲の如し。」(「論語」述而第七)
ということになります。ぜひとも、これをやめて「使命(ミッション)」と「行動規範(モラルコード)」の唱和変えていただきたいものです。

 「行動規範(モラルコード)」の大もとは「嘘をつかない」ことです。一度嘘をつくとその嘘をかばうために、次の嘘をつかなければならなくなります。その嘘の連鎖はとどまるところを知りませんので、嘘をついた本人がコントロールできなくなります。

 常態であれば賢明で、徳性の高い経営者でさえ、経営危機の状態になると、どんな手段を使っても会社を守ろうとして嘘をついてしまうことがあります。まさに、「恒産なければ恒心なし」「貧すれば鈍する」の常態です。

 中小・小規模企業の従業員にとって、経営者の言うことは絶対です。毎日社長と一緒に「行動規範(モラルコード)」を唱和していて、その社長がそれに反した行動をとってるのをみて、おかしいいなと思ってもそれを社長に諫言するには大変な勇気が入ります。

「うちの従業員には俺に諫言できるやつは一人もいない。」などとこぼしている経営者こそ問題なのです。

 経営者は従業員に向けて話をする機会には、最初か最後に、「行動規範(モラルコード)」を唱和して、

「もし、私がこれに反する行動をしたり、しようとするときには、お願いですから正してください。」と何度も、何度もお願いすることです。

 ちなみに、私の信条と行動規範は こちら でご覧頂けます。

井上経営研究所のホームページやブログは、起業してはじめて「中小零細企業」の経営者となった方が、

  1. 幾多の経営危機を乗り越えて、変化と原理原則を学ぶんで経営危機から脱出するための「経営救急クリニック」事業

  2. 黒字企業から優良企業、無借金企業になり、『長寿幸せ企業』を目指し、従業員の幸福な生活を支援し、社会に貢献するための「長寿幸せ企業の道」事業

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 まで、中小零細ファミリー企業の経営者人生の中で起こりうることを想定して構成しています。ご参考にしてください。 

 

次週は

 (8)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう

です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

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  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

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第1章(6)戦術は部下に任せる

2016年10月17日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

 (6)戦術は部下に任せる

 「戦術」とは、「戦略」を達成するための、最適の道具や手段・方法を選択することです。
 「戦術」のいちばんの目的は、それらを使って、決められた期限までに、マイルストーンごとの目標数字(売上高、粗利益高、営業利益高、事業数、社員数など)に到達することです。


 上図のスタート(現在地)から①の登山口(ゼロ地点)まで到達するためには、必要な装備や服装を決定し、交通手段も選択しなければなりません。この場合、なんでも選択できるのではなく、参加メンバーの技術や体力も考慮しなければなりませんし、使える資金も上手に配分しなければなりません。


 前図で「第1期中期経営戦略」は既にマイルストーン①(登山口)として明確になっています。ここまで3年計画で到達するのですが、1年毎にたてるのが「短期経営計画」でしたね。 1年目のが計画通りにいっていればいいのですが、当初の戦術では3年目の到達期限から大幅に遅れる場合は、2年目の「短期戦術」においては、参加者のメンバーを変更したり、装備や服装、食料計画まで見直さなければならないかもしれません。

 「経営目標(ターゲット)」の戦略が決定したら、具体的なやり方を決めるのが「戦術」です。
 どのようにして達成するかをはっきりさせる「戦略」は、経営者の仕事「経営者専権事項」ですが、戦術は経営者が口出しせず、部下に任せる度量が必要です。


 松下幸之助や出光佐三1など名経営者と言われる人はこれが実にうまいですね。中小企業の経営者は「何処へ行くのか」だけではなく「どのようにしてそこへ行く」のかまで自分で考え、自分でやろうとしてしまいます。ですから人が育たないのです。

 

 幸之助翕は部下に対してこう言っています。

「戦術は君の自己流で自由にやったらいい。そのほうが君の個性が出てきて面白い。しかし、経営理念や哲学は違うで。経営理念や経営哲学をどこに求めるかで起業の命運が決まる。社長の人生観、企業観、事業感が問われるのや。」2

 

 「出光レポート2014」の「創業者のことば」で出光佐三は「独立自治」についてつぎのように言っています。

一、仕事の上においても、私のみが独立しているのではありません。店員各自が、その持ち場持ち場において独立しているのであります。換言すれば、自己の仕事の範囲では全責任を負い、完全に事務を遂行すべきであります。
一、私生活に公生活に独立自治の大精神を体得し、ここに鍛錬強化された店員が、店全体の方針の下に一糸乱れず一致結束し、団体的総力を発揮するのが、すなわち出光商会であります。

 第(6)節で出光グループの「行動指針」については再度取り上げますが、そのなかの「自己完結」に「任された仕事は、自らの責任と誇りにおいてやり遂げる。」とあります。つまり、つまり、経営理念の下に「戦略」を決定し、その「戦略」の下に、独立自治の精神で各課、各店が知恵を搾り出して「戦術」を考え、「ここに鍛錬強化された店員が、店全体の方針の下に一糸乱れず一致結束し、団体的総力を発揮する」ということです。

また、名経営コンサルタントといわれたは一倉定は

  社員というものは、何か命ぜられると、二言目には「できません」と言う人種である。
 これに負けたら、企業間競争に負けるのだ。あくまでも要求し続けなければならないのである。

 このときに気をつけなければならないのは「できません」と言われた時に「そんなことはない、できる筈だ」と言ってはならないということである。できるかできないかは主観の問題であって、勝負は絶対につかないからだ。

 社員は「できない」と思っているのに「できる筈だ」といっても始まらないのである。社員が「できない」というのは、実は責任逃れの伏線なのである。
つまり、社長に命ぜられたことがもしできなかった時に「だから、あの時できないと申し上げた筈です」と言うためである。

 だから、初めての時には「できるかできないかは、やってみなければ分からないではないか」という説得が肝要である。もしも、以前に試してみてできなかったことをやらせる時には「もう一度新しい工夫をしてみよ」と言ってやらせるのである。

 もう一つ、社員が社長の命令をはねつける伝家の宝刀がある。それは「ムリですよ」という言葉である。これに対しても「ムリではない」というのは、明らかに社長の負けである。ムリかムリでないかは完全な水かけ論であって、決着は絶対につかないからである。

 社員は伝家の宝刀を引き抜いて身構えているのだから、まずこの宝刀を叩き落とさなければならない。これは以外と簡単である。「そうだ、社長もムリと思う」と言えばよい。社員の主張を社長が認めてしまえば、社員はもう何もいうことがなくなるのだ。宝刀を叩き落としたら、今度は、こちらから切り込むのである。「社長もムリを承知で頼むのだ。やってくれ」と。

 これで完全に社長の勝ちである。社長にムリを承知で頼まれたら、もう何も言わずにやってみる外はないのだ。社員が「ムリですよ」というのは、これまた、できなかった時の予防線なのである。それを「ムリではない」といえば、それは「できて当たり前、できなければボンクラだ」といっているのに等しいのである。それでは社員はたまったものではない。「ムリだ」という主張を変えるはずがないのだ。

 「ムリだ」と社長が認めるときには、できなくて当たり前、できたら手柄になるのである。ここのところの「理屈」というよりは「心理」というものを知っていることが大切なのである。

と「一倉定の社長学」 第6巻 「内部体制の確立」3でこう書かれています。

 

 経営者が予算を作成する際、「経営目標(ターゲット)」から各事業ごとに中期、短期の戦略を説明し、それをどのような「戦術」で達成するのかを部下に考えさせ、上がってきた数字を元に再度、短期戦略→中期戦略→長期戦略→「経営目標(ターゲット)」→「目的地(ビジョン)」につながるかをを確認しなければなりません。
 その「戦術」から上がってきた予算が戦略達成にかなわないようなら、再度、各責任者に「戦術」を練りなおして貰う必要があるのです。

 このように、使命やビジョンなど経営理念、戦略、戦術そして行動規範は、ばらばらで存在できるものではなく一体の身体、一本の樹木を構成するするものです。これを確立することができなければ、「長寿幸せ企業」はもとより、「優良企業」であり続けることも不可能なのです。

1出光商会創業者 

2木下親之 「松下幸之助 叱られ問答」 致知出版社 p95

3わが国における経営コンサルタントの第一人者といわれる 「一倉定の経営心得」p206より転載 


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 まで、中小零細ファミリー企業の経営者人生の中で起こりうることを想定して構成しています。ご参考にしてください。 

 

次週は
(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の行動の判断基準「モノサシ」
  企業の不祥事は、「信条」と「行動規範」で防げる
の予定です。

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第1章(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

2016年10月10日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

 ①「経営目標(ターゲット)」と「長期戦略」の関係

 「経営目標(ターゲット)」と経営戦略の関係をわかりやすくするために、『長寿幸せ企業』を目指す中小企業の経営者をAさんに登場して頂きましょう。
 A社長は40歳のとき、起業をしました。30年後の70歳を後継者に事業承継する年として、「目的地(ビジョン)」を決めています。この「目的地のシーン」を達成するために必要な事業数、社員数、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)などの定量目標を「経営目標(ターゲット)」として設定しました。

 社長在職期間が30年とすれば30年目が「経営目標(ターゲット)」到達期限です。「経営戦略」とはあらかじめ、経営目標地点までどのような道(ルート)を通って到達するのかを決めることです。

 戦略は、長期戦略(10年位)、中期戦略(3~5年)、短期戦略(1年)に分けられることが多いようです。長期戦略期間についてですが、今の時代、変化が早い経営環境下において5年先のことなどもあやふやなのに、10年先の明確な「長期戦略」を細かく決めてしまうのには疑問が残ります。ここであまり細かく10年も先の「長期戦略」を決めすぎると、外部環境の変化などで乖離が大きくなりすぎ、「目的地(ビジョン)」さえも諦めてしまうことになりかねません。


 10年も生きていれば、人生でも経営でも、後期や危機があるのは当然です。「長期戦略」は方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れてなければそれで十分です。

  上の図をご覧ください。A社長が、経営者人生をかけて挑もうとするのは一番手前の山です。ここでは論語から30年を意味する「而立」を借りて、「而立山」と名付けておきましょう。而立山の山頂に到達するのが「経営目標(ターゲット)」です。今は図の左下のスタート地点にいます。ここから30年をかけて而立山登頂の挑戦が始まります。

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。
 続いて、登山口から頂上まで、大きく10年ごとくらいに「長期戦略」キャンプを設定します。30年ですから途中の「第Ⅰ期長期戦略」と「第Ⅱ期長期戦略」の到達地点に2つのキャンプが必要です。山と同じく「合目」でわければ、4合目、7合目くらいです。スタート地点から④(4合目)の第1キャンプまでが「第Ⅰ期長期戦略」の10年間、④(4合目)から⑦(7合目)が「第Ⅱ期長期戦略」の10年間、そして⑦(7合目)から頂上が仕上げの「第Ⅲ期長期戦略」の10年間です。それぞれの「長期経営戦略」を方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れない程度に第1キャンプと第2キャンプまでの「長期経営戦略」と「長期経営計画」を大まかに設定しています。

 ②直近の「中期経営戦略」と「中期経営計画」は【PDCA事業計画書】を活用

 A社長は、而立山登頂まで10年毎に「長期戦略」ポイントのキャンプを2個設置しています。また、30年を3年×10回に分けて、1合目から9合目での3年刻みの「中期戦略」ポイントのマイルストーン1を設置しています(図①~⑨)。 


 これらのマイルストーンごとにあるべき目標数字(売上高、粗利益高、営業利益高、事業数、社員数など)を設定します。中期経営計画の点を結べば、経営目標までどうつながっていくかが見えてきます。この際このグラフのベクトル2が急激に変化するのは避けるべきです。また、一定のベクトルで伸びていくような計画も避ける必要があります。21世紀に入り経営の現場では経営環境の急速な変化があたりまえです。社長の在位年数を平均30年と考えると、このあいだに1、2回は大きな経営危機や変化に対応せざるを得ない時期があると考えなければいけません。


 大きな危機を改善し乗り越えるためには、3年位の期間がなければ健全な状態に戻れないと考えるべきです。経営危機の発見が遅れたり、着手するのに手間取れば3年ではすまないということまで考えられます。30年の経営人生で、マイルストーンを3年設定にすれば、10回の中期経営計画のうち1、2回は膝を曲げて伸びを抑えて、力を蓄える「中期経営戦略」を採らなければいけないということになります。

 A社長は創業して間もないので、最初の3年は、経営体質の改善を「経営目標(ターゲット)」においています。具体的には【経営再建プログラム】3に着手して、「自社月次決算作成」「【PDCA事業計画書】の作成、実行により債務超過を解消」を達成することです。そのため「第1期中期経営計画」は図のスタート(現在地)から①の登山口(ゼロ地点)までの3年3期ということにしています。


 出発から、このマイルストーンの 「中期経営計画」は10回すべてを綿密に作成する必要はありません。必要なのは、直近の「中期経営計画」だけです。 直近の「中期経営計画」は、どのルートを通って、3年後の自社のあるべき数値に到達するのかを明確した「中期経営戦略」を策定するのは中小零細企業経営者のもっとも重要な仕事のひとつです。

 【PDCA事業計画書】については、この章の最終(8)節で詳しくご紹介します。

  

 ③短期経営計画から戦術へ

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。上図で「第1期中期経営戦略」は既にマイルストーン①(登山口)として明確になっています。ここまで3年計画で到達するのですが、1年毎にたてるのが「短期経営計画」です。

 「短期経営戦略」は、1年目は「第1期中期経営戦略」を踏襲して問題ないと思います。しかし、2年目以降の時は悩ましい問題になります。というのも、1年目が計画通りにいっていればいいのですが、現実の経営現場では、そうでない場合のほうが普通です。その場合、それ以降の中期計画を見直し、修正する(ローリングプラン)のか、あくまで当初の通りの計画を貫くか(フィックスプラン)の問題が生じてきます。

 実はどちらを選んでも問題があります。ローリングプランは企業の実態を踏まえて計画書修正していくことができますが、最終的な経営目標との乖離が大きすぎて、最終的な経営目標自体修正せざるを得なくなルケースがでてきます。ということは、目的地(ビジョン)まで変更を余儀なくされることになり、使命(ミッション)も達成することができなくなってしまう恐れまで出てきます。
 フィックスプランは最終的な使命や目的地をしっかりと見据えることができますが、短期経営計画の最終年には急激な売上アップや利益アップなどが必要になり、マイルストーンをつなげるにはどこかで異常値を叩き出す必要が出てきます。そうすると必ずと行っていいほど、後の憂いの原因を作ることにつながっていきます。

 こういう場合、私は、経営者の性格や企業の状態と計画との乖離の程度を判断して、どちらかのプランを選択したり、組み合わせてアドバイスをさせていただいています。

 経営者が自ら判断しなければ行けないときは、
 必ず、
「俯瞰的に」、
「長期的に」、
「本質的(経営理念や道徳的)に」
という「三つのモノサシ」を当てて判断する必要があります。

 

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

 

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第1章(4)「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」

2016年10月03日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(4)「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」

 「目的地(ビジョン)」は定性目標1とお考えください。「目的地(ビジョン)」を数字に落とし込んだものが「経営目標(ターゲット)」で、「経営目標(ターゲット)」は金額や数値で表せる定量目標2です。

 この後、この「目的地のシーン」を達成するために必要な事業数や社員数を設定します。これが「経営目標(ターゲット)1」です。次に「目的地のシーン」の大まかなBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)を策定し、その中の重要項目の指数や金額が「経営目標(ターゲット)2」となります

 私の顧問先の俯瞰塾3会員企業は【『長寿幸せ企業』版PDCA事業計画書】を作成されていますが、彼らの多くは「自己資本比率」、「経常利益額」、「売上高営業利益率」それにその結果としての「売上高」を「経営目標(ターゲット)」にされています。その他に「研究開発費額」や「社員平均年齢」、「一人あたり営業利益高」などをターゲットとされている方もおられます。

 「目的地(ビジョン)」の「経営目標(ターゲット)」が決まれば、次は現在まで逆算してマイルストーンを置いていきます。経営者の現在の年齢によって違ってきますが、来期から、「目的地(ビジョン)」や「経営目標(ターゲット)」の最終到達地点、つまり社長引退の年までが「経営目標(ターゲット)」設定の期間です。

 今40歳で、70歳引退であれば、ターゲット期間は30年ということになります。20世紀なら、5年毎にマイルストーンを置くべきなのでしょうが、環境の変化がドッグイアーを遥かに凌ぐ今、マイルストーンは50歳、43歳、41歳で十分だと思います。

 つまり、短期経営目標が1年、中期経営目標が3年ということになります。長期経営目標は10年ですが、これはあくまでもアバウトで結構です。いや逆にアバウトぐらいの方がいいと思います。勿論経営者の性格によって違ってきますが、毎年長期経営目標やこのあとお話する長期戦略を練り直して、頭を抱えこんでいる生真面目すぎる経営者も散見されます。いい加減なようですが、最終到達経営目標と中期経営目標をグラフで結んだ線上の近くにあれば、それで十分です。ベクトル(方向)が合っていれば、来期又チェックすればいいのです。

 ここから、どのようにしてそれらを達成していくのかを決めるのが「戦略」です。これは経営陣の専権事項であって管理職に任せてはいけません。
 具体的には、事業ごとの市場や顧客を明確にし、どの商品やサービスを選択・集中をさせて、ターゲットとして設定した「自己資本比率」、「経常利益額」、「売上高営業利益率」、「一人あたり営業利益高」を達成していくことをきめることです。

 そこからさらに、これらの戦略目的を達成するための具体的な方法、つまり「戦術」へとつながっていくのです。

 このつながりをきちんとしておかないと、求めていること(「目的地(ビジョン)」)とやっていることが違ったものになって、二宮尊徳のいうところの
「瓜を植えて茄子を求めるまちがいをするな」ということになるのです。

1 数字で表せないような質的な目標
2 数字で表せる量的な目標
3 俯瞰塾は井上経営研究所の【経営再建プログラム】を終了された会員企業で、『長寿幸せ企業』をめざす中小企業経営者のための「経営実学」の実践学習塾です。会員以外の方でも、「初回問診」や「面談による無料経営相談」で審査基準をクリアできれば入塾できます。


  
次週は 
(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」
です。 

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

 

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 

 1.「経営救急クリニック

 

 

 2.「長寿幸せ企業への道

 

 

 3.「事業承継・M&A

 


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井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。 ●企業再生コンサルタント   ●論語指導士(論語教育普及機構認定資格) ●M&Aシニアエキスパート(一般社団法人金融財政事情研究会認定資格) ●事業承継・M&Aエキスパート(同)

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。