永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

第4章(2)なぜ、経営危機に陥った企業のほうが、優良企業や無借金企業になれるのか

2017年03月14日 | 第4章『長寿幸せ企業』への取り組み

章『長寿幸せ企業』への取り組み

 経営危機や資金繰り問題が一段落ついたとき、健全企業となり、会社を後世まで残したいと思ったとき、この章をお読みください。

(2)なぜ、経営危機に陥った企業のほうが、優良企業や無借金企業になれるのか

 私は、1999年9月に自ら創業に関わった会社(食品+衣料品のスーパーマーケット・1977年創業)を倒産させてしまいました。倒産のあと、なぜ倒産に至ったのか、その原因がはっきりしないので自責や後悔の念とともに、悶々としてその原因を発見することに腐心していました。

 そんなとき、ある後輩経営者から、「反面教師として、わたしの会社を指導して欲しい」というありがたい言葉を頂き、まずは副業として企業再生コンサルタントの道に踏み入りました。
 2002年10月、自らの倒産経験を踏まえ、自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立し、おもに中小零細ファミリー企業の再生の現場に身を投じながら、「どうすれば倒産と無縁の中小零細ファミリー企業をつくれるのか」を研究し続けてきました。

 経営再建プログラムで使用した、経営再建や経営改善の成功手法を「しくみ」化し、Excellなどの活用諸表を「営業支援ツール」化し、顧問先企業や俯瞰塾会員企業にその会社向けに自由に変更して活用してもらうことが功を奏したのか、少しずつですが、倒産の危機にあった債務超過の会社が、赤字解消、債務超過解消、自己資本比率50%超えを経て、無借金企業の会社が現れてくるようになりました。

 経営再建や経営改善の成功手法といっても特別なことではありません。健全企業がやるべき経営の原理原則実行、継続していくことです。つまり、健全な中小零細ファミリー企業として当然持っていなければいけない仕組みを導入し、やらなければならない対策や作業を継続して実行していけば、体質はどんどん変わっていきます。
但し、その優先順位を間違えないようにしなければなりません。

 

経営再建プログラムで経営危機に陥った多くの中小零細ファミリー企業の現実は、経理関係だけを取ってみても

  1. 月末に支払うお金がどこにいくらなのかぎりぎりになるまで正確な数字がわからない

  2. その原因は請求書が届くまで、諸経費や仕入金額を把握していない

  3. 当然予算などない。あったとしても金融機関から要求されたので期首を過ぎてから前年実績を少し良くしてつくうている程度で、実績対比などやってはいない

  4. 前月の試算表が税理士から届くのは2ヶ月後

  5. 旅費規定などの規定やルール、しくみ、システムなどの決まり事がほとんどない

という問題を抱えています。

 経営再建プログラムの再建現場ではこ、のような会社を経営危機から脱出させるための原理原則をどんな経営者でも、短期間で習得できるように、いろいろな手法や営業支援ツールを改良してきました。

 例えば、(A)が問題な資金繰りが詰まっている会社にすぐに必要なのは、経理が作るキャッシュフロー計算書や勘定科目別月次資金繰り表ではありません。必要なのは、経営者自身が作成する、毎日の手元残高と支払額が入金先別・支払先別にわかる資金繰り表です。そんな要望のために、何社もの経営再建現場で出来上がったのが、【日繰り資金繰り表】作成ソフト(Excell)でした。この【日繰り資金繰り表】はそのまま使えるツールではありません。使用する前に添付の「日繰り資金繰り表活用eブック」などを読んで、自社の表に作り直す作業が必要ですがエクセルの知識がなくても10キーとカーソルキーやマウスがなんとか使えるだけで活用できるようになっています。この過程の中で、実は経営者が把握していない経費などが発見できるとともに、何月何日に支払資金が底をつくか、つまりこのままではいつ倒産に至るかがはっきり示されます。

 それでも資金繰り表に入力できないのは(B)が原因です。そのためにやるのが【経営再建プログラム】の「仕入対策」です。経営危機に陥った中小零細ファミリー企業では「請求書がないので支払金額がわからない」という経営者が散見されます。「それじゃ納品書もないの?」とたずねると「それはあるけど、金額が入っていない」という返事です。これを解決するのは簡単です。納品書を受け取った人が納品書に単価を記入し、納品数量を記入して、合計金額を計算して記入する、それだけの「しくみ」を作ることだけです。小売業であれば、八百屋さんは市場でせりで落としたら、価格と数量をメモして、店に帰り値決めして販売するはずです。それもできないのはプロではなく素人です。建設業が資材を現場監督が確認したら、その単価を記入しすれば、原価意識が芽生えます。「工事別利益管理表」をつかえば、利益なしの工事も幾ばくの利益を生み出せる可能性が出てきます。それがプロです。

 資金繰り表で半年以上の資金繰りが問題なくなったら、(C)および(D)を解決するため、「仕入対策」は「経理対策」に移行します。
 命題は「どうすれば翌月10日までに月次決算ができるか」です。これを命題にしておけば、経理のしくみや規定など改革変更していかなければならないことが次々と出てきます。これを、経営改善チーム話し合って、新しい規定やしくみを作って、現場で使い、修正繰り返して解決していきます。それでも解決できないことが出てきたときなどは私がアドバイスしていきます。このようにして優良企業が備えなければいけない規定やルール、しくみ、システムが出来上がっていき、(E)の問題も解決されていきます。

 会計には管理会計(経営会計)と財務会計(制度会計)があります。簡単に言うと、中小零細ファミリー企業では管理会計は経営者や従業員が活用するもの、財務会計は税務書や銀行に提出するためのものと理解してもらったら結構です。但し、決算書が二つあるという意味ではありません。管理会計は経営判断のために使うものですから、万単位以下がなくても構いませんし、そのくらいの誤差よりもすぐに翌月の対策に間に合うよう10日までに仕上げることのほうが重要です。これを私たちは「月次決算」とよんでいるのです。この月次決算は税理士さんに頼んでもほぼ不可能です。ということは、自社で月次決算をすればよいのです。

 自社月次決算に移行するのは楽ではありませんがだれでもできます。再建・改善プログラムを成功させて、経営危機を乗り越えたすべての企業が自社月次決算をできているわけではありません。しかし、健全企業から優良企業や無借金企業、長寿幸せ企業を目指している【俯瞰塾】の全企業が自社月次決算をされています。俯瞰塾会員企業の経営者は一人残らず、自らが「貸し方借り方」の伝票仕分けの勉強からスタートしてここにたどり着いています。言い換えれば、伝票を起こしてから決算書が出来上がるまでの仕組みを知識だけではなく、行動すなわち体験することにって知恵に変えていく事ができるのです。これを経験すれば、いくら本を読んでも、セミナーを受けてもわからなかったキャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」がどのように増減していくのかなどが簡単にわかってくるようになり、経営力が大きく増していきます。(C)を作成するさいも、「投資活動のキャッシュフロー」や「財務活動のキャッシュフロー」が見えてきますので数字ではなくお金の動きを見ながらより実現可能な事業予算を作成することが出来るのです。

 「忙しいのに、それは経理や会計事務所にやらせたらいい」と言われる経営者がいますが、こういう経営者は一時的に経営が改善されたりしますが、早晩また経営危機に陥り、永続企業には絶対になれないと断言できます。事業計画や予算は経営者自らが作成するもので、経理担当者が作成するものではありません。経理は経営者の予算作成のお手伝いをするだけです。
 私が経営者に、伝票の入力から予算の作成まで自ら作成することを指導するのは、経営者は経営判断するためには、インプットした伝票の入力がどのようにして決算書としてアウトプットされていくのか、その過程のブラックボックスの中身を知っていなければ、結果だけ眺めるだけでどこをどう変えるか、どこを減らしてどこを増やすかなど具体的な策をたてることはできないからです。

 

② 経営再建や経営改善を「第二の創業」と捉える

 

 俯瞰塾会員企業のほとんどは【長寿幸せ企業PDCA事業計画書】を使用しています。
 現在、【長寿幸せ企業PDCA事業計画書2017】は次のようなページ構成になっています。

  1. 入力

  2. 「使命(ミッション)」

  3. 「目的地(ビジョン)」

  4. 「経営目標(ターゲット)」

  5. 「経営信条(クリード)」と「行動規範(モラルコード)」

  6. 長寿幸せ企業指標

  7. 3カ年計画

  8. 月次計画(今期)

  9. 月次計画(来期)

  10. 借入状況表

  11. 【連動式財務三表】

  12. PDCA月次経営計画書

【経営再建プログラム】で翌月10までに自社月次決算が完成することができなければ、p12PDCA月次経営計画書のアクションは遅くなり、役に立たなくなってしまいます。

 このように経営改善や経営再建を通じて、経営の基本的な知識を、行動しながら経営者の知恵、つまり経営力にを変えていき、二度と倒産の危機に陥らない体質にする内科治療のお手伝いをするのが弊所、井上経営研究所の「経営救急クリニック」事業です。会社分割などによる外科治療をしても、経営の体質が変わらなければ、近い将来経営危機に陥る確率はぐっと上がってきます。

 私は赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を経営再建プログラムから俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)にまで生まれ変わらせる企業再生手法を確立させました。2010年長寿永続健全企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始しました。

 残念ながら、【経営再建プログラム】をおこなっても営業利益が出る可能性が低く、「廃業」や破産手続・特別清算手続・民事再生手続などの選択せざるをえなくなるまで放置(我流で対応)している企業も存在します。このようなケースでは上記の「倒産手続」をするほうが、人生の再出発に踏み出せる可能性が大きいと思います。

 多くの事業再生コンサルタントや弁護士の想いは「もう少し前に相談してくれれば・・」なのです。


 下記のようなタイミングにあるときは「第二の創業」と考え、必死に経営再建や経営改善に取り組めば、驚くほど短い年数で正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで生まれ変われることが可能です。

  • 事業を継承したとき

  • 営業赤字になったとき

  • 金融機関以外の経営者個人や外部からのお金を1円でも入れなければならなくなったとき

  • 借入申込の際、金融機関から融資を断られたり、追加担保や連帯保証人の追加を要求されたとき

 人間は好調なときには驕りこそすれ、「なんとかしなければ・・」とは考えませんが、経営危機に陥ったときはどんな経営者でも「何とかしなければ・・」と必死になります。
 良くなりたいという気持ちが強いほど、事業再生や経営再建から、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」になり、永続幸せ企業つまり私がいう『長寿幸せ企業』への道が開かれるのです。

 ところが、上記なような危機とまで言えないケースのときは少し気がかりになっても、今が経営危機との分岐点だと考える経営者は非常に少ないですが、なにか手を打たなければと考えられる経営者もおられます。
 これら企業は「経営再建」ではなく「第二の創業」と捉えて「経営改善」に取り組むだけですので、当然、経営危機に陥った企業のほうよりも早く確実に、優良企業や無借金企業になれるのは言うまでもないことです。

 まさに自分が、今このときだと思った中小零細ファミリー企業の経営者は、今すぐ経営改善に取り組むべきか検討してみてください。初回問診(1日経営ドック)のとき、「あのとき、経営改善に取り組んでいれば・・」といって後悔する経営者にならないでください。

 次回は、第7章『長寿幸せ企業』への取り組み (3)健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、まず「幸せ企業」へ を予定しています。このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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