喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

10月6日付読売新聞くらし欄「医療ルネサンス」に取り上げられました

2017-10-07 23:57:06 | 近隣住宅受動喫煙被害

読売新聞の記者から取材を受けたのは8月上旬でした。
4日・5日と、くらし欄「医療ルネサンス」で受動喫煙が取り上げられ
1回目は、昨年、タバコ問題首都圏協議会・東京/日本橋禁煙推進研究会主催の
World No-Tobacco Day(世界禁煙デー)記念イベント2016inTokyo
「飲食店禁煙化は尊命敬食の理念から」と題して講演された長谷章さんが
2回目は職場の受動喫煙被害と、それに伴う席替えでさらなる被害を受け
2012年に会社を相手取り、1000万円の損害賠償訴訟を求めた小野里純彦さんが登場。
小野里さんの裁判は注目を集め、「スモハラ裁判」として有名になったことは
皆さんのご記憶に刻まれていることと思います。
こうして連日タバコ問題に対して行動を起こしている知り合いが取り上げられて
「次は誰かな~。岡本(光樹)さんかな~」
と思いながら、昨日、通院中の病院で、備え付けの読売新聞を読んでいたら…
「あれどこかで見たことのある人が出ている
とびっくり。
私でした
複数の知人からは、私が掲載されたことの驚きとともに
新聞が受動喫煙について5回も取り上げることへの驚きも寄せられました。
この記事を書かれた記者の方は、大変熱心に取材を行い
実際に被害に遭っている方や、環境を変えようと活動している方に焦点を当てて
受動喫煙被害の実態を明らかにし、皆さんにお知らせしたいと考えておられるようでした。
住宅での被害について、記事にしてくださり、感謝しています。
ありがとうございました。


記事は、構成と字数の関係もありますし、私の主張を取り上げる企画でもないので
これから私の考えを、記事に捕捉する形で述べたいと思います。
共同住宅でのベランダ喫煙、あるいは戸建ての庭など、近隣住宅での喫煙は
単純に「外で吸うと気持ちが良いから」、という理由で行われることもあるかもしれませんが
同居人を思いやって、あるいは、同居人に嫌がられて仕方なく
という理由を挙げる方がほとんどだと思います。
換気扇下での喫煙も同様に、室内にタバコの煙や臭いを充満させることを避けるためであり
同居人を思いやったり、同居人に嫌がられてのことと推察します。
しかし、その理由をよくよく考えてみれば、喫煙者には思いやるべき同居人や
タバコの煙や臭いを嫌がる同居人の存在は見えていても
その先に、思いやるべき隣人や、タバコの煙や臭いを嫌がる隣人がいることは
全く見えていないのでしょう。
あるいは、見えていても見えないふりをして
自分を騙しながらタバコを吸っているのかもしれません。
同居人を本当に思いやるのであれば、ベランダに出てタバコを吸うのではなく
タバコをやめる選択をすることこそ、最も優先される最良の選択です。


東京オリンピック・パラリンピックを3年後に控え、
ここにきてやっと「受動喫煙」という言葉と概念が、社会に浸透してきたと感じています。
そして、まだまだ理解されていないのが
三次喫煙(残留受動喫煙・サードハンドスモーク)の害です。
三次喫煙は、喫煙後の残留物から有毒物質を吸入することで
時間が経っても残存し続けるばかりか
時間の経過とともに、より有害性が増すという報告もあります。
また、喫煙者の呼気からは、喫煙が終わってからも有害物質が出続け(呼出煙)ます。
タバコを吸っていない時でも、呼出煙には
一酸化炭素をはじめとするタバコ由来の有害物質が約4000種類も含まれています。
一酸化炭素は、タバコを吸い終わってから、最低8時間は息から出ています。
つまり、喫煙者は、外でタバコを吸っても、その後の吐く息で有害物質を撒き散らし
さらに髪の毛や衣類に有害物質を纏わせていることになるのです。
喫煙者が、たとえ同居人を思いやって外でタバコを吸ったとしても
喫煙者の周囲の人達は、見えないタバコの害をいつまでも受け続けるのです。


同居人を本当に思いやるのであれば、外でタバコを吸うのではなく
タバコをやめることこそ先決です。
そして、見えない先に、タバコの煙で苦しんでいる人々がいることを理解して
その人々も誰かの大切な人であり、あなたが大切にしている人々と何ら変わらないことに
皆さんが早く気づいてほしいと切に願っています。
タバコを吸う方が、たとえどんなにタバコを吸う時に気遣ったつもりでも
タバコの煙には意思がなく、タバコ煙が喫煙者の気遣いを理解してくれることもありません。
同居人を傷つけず、見えない先の他者を傷つけないためには、タバコをやめること。
タバコをやめれば、タバコで自分を傷つけることもありません。
どうしてもそれができないのなら、それが可能かわかりませんが
タバコで傷つけ合ってもいいと思える人たちだけと関わるか
たった一人で生きていくしかないのです。


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6 コメント

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はじめまして (みけ)
2018-07-13 20:10:19
隣人のタバコの事で検索してこちらのブログにたどり着きました。
管理組合に訴えてベランダ喫煙を禁止にする事に成功されたなんて本当にすごいです…尊敬します。
私は市営住宅に住んでいるのですが、隣人のタバコで悩んでいて…
過去2回、タバコを控えていただけませんかとお願いの手紙を出したり住宅供給公社の住民サービス係?に電話で相談して直接注意してもらったりしたのですが改善されず、「2回も手紙出して役所の人も呼んでやりすぎだ!他の人にも聞いてもやりすぎと言ってた!」などキレられてしまいました。
その隣人は主にベランダや玄関先で吸っていて本人曰く「外で吸ってるから気をつけてる」らしいのですが、その臭いが全部うちに入ってくるんだけど!?という気持ちです…。
窓を閉めて玄関に隙間テープを貼って自衛していても隙間から臭いが入ってくるので部屋は臭いし、喉はイガイガして目もシバシバ、せきもでたりと体調が悪くなってしまい、いつ臭いが入ってくるかとビクビクしながら生活しなくてはいけなくなり最近は鬱気味です。
普通のマンションやアパートと違い市営住宅なので共用部分禁煙、火気厳禁のルールなどもありません。
なにかいい方法はないかと考えているのですが、やはり市営住宅ではどうすることもできないのでしょうか…?
早くタバコが1箱1000円以上になればいいのにと思います。

長々とすみません。
荻野先生のご活躍を陰ながらお祈りしております。
まず押さえておきたいこと3点 (荻野寿美子)
2018-07-15 00:13:03
みけさん、はじめまして。
ようこそ当ブログにコメントをお寄せくださり、ありがとうございます。
市営住宅での隣家からの受動喫煙でお困りとのこと。
さぞやおつらいこととお察しします。
どうかお大事になさってください。

住宅での受動喫煙の場合、まず押さえておきたいことが3点あります。

1.記録を採ること
喉の痛み・咳・目の症状等、受動喫煙に遭った際に何らかの身体的変化や、不安・イライラ・憂鬱などの精神的変化がおありのようですね。
受動喫煙に遭った日時と症状(肉体的・精神的)を記録してください。

2.受動喫煙症の診断書をもらう
1の記録を持って、受動喫煙症の診断が受けられる病院に行き、診断を受けてください。
http://www.jstc.or.jp/modules/diagnosis/index.php?content_id=4
受動喫煙症と診断されたら、診断書をもらってください。

3.市営住宅の管理者と規則を調べる
住宅での受動喫煙被害に関しては、一筋縄ではいかないことが多く、話の進め方によっては隣人と軋轢が生じたりします。
なるべく隣人とは直接かかわらないようにし、市営住宅の管理者を調べ、管理者に申請して入居規則・使用細則等、市営住宅に関する規則を全てもらってください。

コメントから拝察するに、3は既にされているのかもしれません。
火気厳禁がなくても、迷惑行為を禁ずる文言があるかもしれません。
もう一度確認してみてください。
現在規則がなくても、出火の危険性の観点から共用部分を禁煙化するなど、管理者に対し、新たな規則を要望することも一つです。
要望は電話ではなく、必ず文書(メールでも可)でやり取りし、記録として残してください。

体調が優れないと、なかなか行動することが難しいかもしれませんが、1は今から、2はなるべく早くするようにし、みけさんのご無理のない範囲でまたコメントをください。
そしてその時は、「荻野さん」と呼んでくださいね。
お返事ありがとうございます (みけ)
2018-07-15 22:45:52
とても詳しく教えてくださりありがとうございます。
残念ながら受動喫煙症の診断が受けられる病院は私の住んでいる県にはないようです…。
ですが、まずは記録をとることから始めたいと思います。
あと3についてなのですが、管理者は役所の人ではなく、市営住宅に住んでいる管理者に要望書を出すのがいいのでしょうか…?
あまり詳しくなく、度々申し訳ありません。

体調のこと、ご心配いただきありがとうございます。なかなかつらいですが、お気遣いが嬉しいです。荻野さんも、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。
お忙しい中お返事をくださり、本当にありがとうございました。
管理組合はありますか (荻野寿美子)
2018-07-17 09:01:21
みけさん、市営住宅を管理する住民組織(マンションのような共同住宅なら、管理組合とか理事会と呼ばれているような組織で、個人ではない)はありますか。
あれば、その住民による管理組織と、市営住宅全般を統括している組織(住宅供給公社もしくは自治体)の両方に、改善を求めると良いかと思います。
住民組織には、住宅供給公社もしくは自治体にも同様の要望を出していることを一言添えておいた方が良いでしょう。
ただ、住民組織とのやり取りは、構成員によっては軋轢が生じる可能性もあり、今後の生活環境に変化があるかもしれませんので、その心づもりは必要です。

住民間での軋轢がご不安なら、やはり住宅供給公社か自治体にお願いするのが賢明かと思います。
私も、マンションの使用細則で共用部での火気・臭気を発生させる行為が禁止されているにもかかわらず、ベランダでの喫煙をやめるよう、マンションの管理組合として決定されるまで足掛け5年がかかり、その間に受動喫煙症になってしまいました。
みけさんも、体調が優れないなか大変かと思いますが、少しでも事態がよい方向に進むように、微力ながらお手伝いしたいと思います。

またわからない点がありましたら、こちらのコメント欄でも、また、コメントにみけさんの連絡先をお知らせくだされば(コメントは、私が承認しないかぎり反映されませんので、ご安心ください)、メールでのやり取りは可能です。
お返事ありがとうございます (みけ)
2018-07-27 02:27:00
かなり返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
タバコのことでテンションがあがらず何もしたくないという気分になっていたのと胃がやられてしまってなかなかネットを開けず遅くなってしまいました、すみません。

一応自治体のようなものはあるみたいなのですが、あってないようなものみたいです。
となると住宅供給公社に要望を出すしかないのですが、役所は基本的にあまり真剣に取り合ってくれないのでなかなか難しそうです…ですがやれることはやってみたいと思います。
5年…苦労されたんですね。
私もかなり前から我慢しているのでお気持ちお察しします。近隣のタバコは本当につらいですよね…。

私もこの問題が少しでもよくなるように頑張ってみます。
メールはご迷惑になりそうなので、また何かあったらコメントしても大丈夫ですか…?
親身に相談に乗ってくださり具体的なアドバイスもくださり本当に感謝しています。
お返事ありがとうございました。
横浜市と大阪市の例 (荻野寿美子)
2018-08-01 23:49:30
みけさん、こちらこそ、ご返信が遅くなり、ごめんなさい。
市営住宅に入居する際に、自治体から「すまいのしおり」という、入居者が守るべきことや利用規定に関する説明書をもらいませんでしたか。
もらっていなければ自治体でもらい、「すまいのしおり」に、「迷惑行為」について書かれていないか、確認してください。

多くの自治体では、市営住宅においては、市の管理する施設であっても受動喫煙対策の除外施設としています。
ただ、横浜市では「市営住宅だより」に受動喫煙に関する注意を掲載しています。
http://www.yokohama-kousya.or.jp/municipal/pdf/sumainosioritou/jyuutakudayori201603.pdf
また、大阪市でも対策をとっていることが発表されています。
http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000437775.html
調布市でも、「調布市施設の受動喫煙防止に関する基本方針」で、「市営住宅については別途定める」とされているので、何らかの対策がとられている可能性もあり、聞いてみることをお勧めします。http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1372122267855/files/chofusizyudoukituenbousihousin.pdf

みけさんの自治体が配布する「すまいのしおり」に「迷惑行為」という文言があればそれを根拠に、上記の自治体の事例を示して対策をお願いしてみてください。

まずはお体が大切です。
今は目がシバシバしたり、喉が痛くなったり、咳が出たり、単発でそのような症状に見舞われるところで留まっているかもしれませんが、喘息や化学物質過敏症を突然発症することも起こり得ます。
どうかくれぐれも、ご無理をなさいませんように。

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