喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

郡山市議会の請願第64号採択という愚挙

2018-03-23 07:02:32 | 喫煙を考える

東北地方は喫煙率が比較的高い地域です。
また、葉タバコ生産地が各県にあり、郡山市のある福島県は
2017年現在、東北6県の中では最大の岩手県に次ぐ297haのタバコ作付面積があり
耕作農家は391戸あります。
岩手県の鈴木俊一氏のような、大物と呼ばれるタバコ族議員はいませんが
福島県選出の議員のなかには、タバコ業界からの献金を受けている議員が
自民党所属議員のなかに、過去の議員も含めて複数名います。


本記事で取り上げる郡山市は、2017年3月に、市職員安全衛生委員会から
市の施設は市民にとって他に代替することができない公共施設であり
多様な利用者への受動喫煙防止の観点から対策を講じるべきなどの理由から
「市公共施設は、原則敷地内禁煙(公用車内も含む)」とするよう提言がありました。
そこで、市は市内公共施設の現状調査を行うとともに
市民ネットモニターによるアンケートを実施。
今後の対策を検討した結果、受動喫煙による健康被害を防止するため
2017年8月に「郡山市の公共施設における受動喫煙防止対策指針」を策定しました。
これに基づき、2017年12月1日から、市役所、行政センターをはじめ
公民館、スポーツ施設、福祉施設、文化施設等すべての市公共施設が敷地内禁煙になったのです。
市民の受動喫煙を防止し、健康被害を防ぎ、健康増進を最優先に考えた施策として
市外の住民である私も、郡山市の方針を支持し、大変喜ばしいことであると考えています。
郡山市の施策は、健康増進法第25条及びタバコ規制枠組条約(FCTC)第8条に則ったもので
受動喫煙を防止するために推進しなければならないことですが
日本国内においては、自治体単位ではタバコ業界とのつながりが密接な地域における
業界関係者の票田を失うことを恐れた議員の弱腰や
これまでJTとの協力関係を維持しつつ環境対策を行ってきた自治体の部署などの影響で
規制がなかなか進まない過去がありました。
しかし、受動喫煙による健康被害が科学的・医学的な知見から明らかになり
また、論拠をもって確実であると確定した現在
なんら対策を講じないことは立法の不作為であり、行政の怠慢でしかありません。


そう考えると、郡山市では、市議会で条例化を進めなければならないところを
市が率先して指針を決定したことは、市の英断といえましょう。
少々残念なのは「受動喫煙防止対策指針」という名称で
「防止対策指針」だと防止の対策をする指針になってしまうので
「受動喫煙防止指針」または「受動喫煙対策指針」が適切な名称と考えます。
その指針を、市がしっかり運用するか、市民と議員は見守る責務があるのですが
なんと、その市議会で、3月の定例会に提出された、指針を後退させるための請願である
市公共施設における適正な分煙環境を求める請願書(請願第64号)
採択されるという愚挙がありました。
請願第64号の請願者は、郡山たばこ販売協同組合理事長
・NPO法人たばこを語る福島の会理事長・福島県たばこ耕作組合組合長
・郡山市葉たばこ振興協議会会長・全たばこ福島県退職者の会会長・JT福寿会会長の6名で
請願の紹介議員は大城宏之議員と橋本幸一議員です。
私は、タバコ業界が施策に反対を唱えることは、どうぞご自由にと考えますが
議員がそれを助ける形で請願の紹介者になり
市民の受動喫煙を防止し、健康被害を防ぎ、健康増進を最優先に考えた施策を後退させる行為は
一部の団体や地域の代表者ではなく市民全体の代表者である議員としての
責務に反する行為であると考えます。


また、請願の趣旨が事実誤認をもとに展開されて(註)いるばかりか
その誤認が法的論拠の誤りであるにもかかわらず、市議会で採択されたことは
賛成・棄権した議員の、立法機関の構成員としての資質を疑わざるを得ません。
郡山市民の方は、市民の健康を最優先に考えた市の方針が市議会で否定されたこと
すなわち、賛成・棄権した議員は市民の健康を蔑ろにしていることを認識し
次の選挙では、請願第64号に賛成・棄権した議員に投票しないようにしましょう。

議案等に対する各議員の賛否【平成30年3月定例会】


請願の紹介議員である大城宏之議員と橋本幸一議員
ならびに請願第64号に賛成・棄権した議員は、自らの行動が市民の何を損なうことになるのか
しっかり考えてもらいたいと思いますし、正しい施策を阻害することになる愚挙であると猛省し
一から受動喫煙対策について学んでほしいと思います。
そのお手伝いができるなら、私は喜んでお引き受けします。
郡山市には、議会が誤った採択をした結果、正しい施策が歪められることがないよう
「郡山市の公共施設における受動喫煙防止対策指針」を支持し、応援する意見を送りました。
皆さんも、郡山市が誰もが安心して訪れることができる市であり続けるよう
郡山市に意見を送ってください。

市民提案制度(市外の方も送れます)


(註)    は筆者による
・名古屋地判平17・3・30判決要旨
健康増進法第25条における受動喫煙の定義では、「屋外」は含まれていないが
これは屋内と屋外とでタバコの煙が質的に異なるわけではなく
行政法規上、より優先度の高い屋内から措置を講ずるように出されたものなので
屋外で他人のタバコの煙を吸わされる場合でも、屋内における場合と異なるわけではない

・タバコ規制枠組条約(FCTC)第8条
すべての屋内の公衆の集まる場所、すべての屋内の職場、すべての公衆のための交通機関
そしてその他の公衆の集まる場所(屋外あるいはそれに準ずる場所)を完全禁煙として
例外なき(受動喫煙からの)保護を実施する義務」を課している。

タバコ税は目的税ではないので、タバコ税収がいくらあろうと
行政がその税収を分煙環境の整備に充てるための根拠にはならない。


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2 コメント

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このままでは潰されますよ (サニーサイドアップ)
2018-07-11 06:44:07
昨日、JTを含むたばこ関連団体が市長にたばこは薬物発言の撤回と市公共施設敷地内禁煙を止めるように要請活動を行なったとの報道がありました。実は先に福島市は平成23年ごろから市役所本庁舎を含む一部の市公共施設の敷地内禁煙をしていたのですが、毎年、毎年、複数のたばこ関連団体がその撤回の要請活動をしていたそうです。昨年だったかと思いますが、職員の路上喫煙を批判する報道への投稿をきっかけに喫煙所を作り、敷地内禁煙をやめました。郡山市でもこうさせようとしているのでしょうか?時間の問題のような気がします。
応援メッセージを送りましょう (荻野寿美子)
2018-07-12 22:45:37
サニーサイドアップさん、ようこそ当ブログへ。
そして、コメントを頂戴し、ありがとうございます。

私は以前から郡山市のタバコ対策に関して興味を持っており、このたびの品川市長の「タバコは薬物」という発言に関してだけでなく、市に対して質問や応援の意見を送ってきました。
JTを含むタバコ関係の10団体が、品川市長に発言の撤回と謝罪を求めて意見書を提出したことに関して、石田雅彦氏が以下の記事をYahoo!ニュースに発表しています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180711-00089002/

この記事の最後に、「まっとうなことを正しく発言している市長に対し、不当な圧力をかけるJTなどの背景には、マスメディアを含めたこれら勢力が見え隠れするが、主権者の毅然とした態度こそ重要なのはいうまでもない。」とあります。
これこそ、主権者である私たち市民に求められる「不断の努力」そのもので、品川市長の発言が何ら間違っておらず、郡山市の対策を支持することを伝えて支えていかなければ、福島市の例のように後退してしまうでしょう。
郡山市は、市民提案制度を採用していて、ホームページから意見を送ることができます。
もちろん、市外の方でも送れます。

https://www.city.koriyama.fukushima.jp/063000/kocho/goiken/index.html

私も早速、郡山市と品川市長の後援会に、市長の発言と郡山市の対策を支持する応援メッセージを送りました。
メッセージは「市長は正しい」でも、「対策を後退させないで」でも「市長を市を支持する」でも、一言でも十分です。
行政担当者は必ず目をとおしています。
市と市長を皆で応援しましょう。

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