奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

自主学習>古代の福祉

2007年11月15日 | 奈良大学お勉強日記
ちょっと、間があいてしまったけど、
先日おもしれ~と思った「古代の社会保障制度」の話をあれからちょっと
あれこれネットで見てみた。(なんか、勉強の話なんて私らしくないわ^^;;)

正倉院展で見かけた、賑給(しんごう)ってのは、
一般の人々に臨時的に食料を支給する政策だそうで、
1)災害時により食糧不足に陥った地域の住民を対象とするもの
2)国家的な慶事や凶事を契機として、全国的に実施するもの
があったと。
2)のうちの慶事は判るけど、凶事ってときも実施されたのか~。
穢れを祓うためってことでしょうか。慶事に恩赦があるのと似てる?
(まああれは一般の人には全然恩恵はないけど)

賑給対象者は
鰥(かん:妻のない六十歳以上の男性)
寡(か:夫のいない五十歳以上の女性)
ケイ(けい:十六歳以下で父母のないもの)
(漢字は、りっしんべんに、つくりは上が旬、下が子。その字で一人って意味らしい)
独(どく:六十一歳以上で子供のないもの)
不能自存者(ふのうじそんしゃ:一人では生活できないもの)

で、いろいろネットで見ていたら、「鰥寡孤独貧窮老疾(かんかこどくびんぐろうしち)」が
一発で変換できたって人がいたから、マジ?ってやってみたら、
うちのオバカ辞書は「ひんきゅう」が変換できなかったけど(ホントバカだね)
何故か「かんかこどく」なんて四文字が一発変換できていた。
ああ、これって有名な四文字熟語なんだ。知らなかった>一つ賢くなったよ(笑)
※いわゆる、独り者の年寄りの男女と、親のない子と、子のない者ってことらしい。
天涯孤独ってヤツとも似てるか?
そう、いまどきの言葉でいうと
「社会的弱者」にも千三百年前の国家は手を差しのべていたと。

そういえば前の卒論書いているときに、どこかで見かけたけど
80歳(以上)及び篤疾には1人、90歳(以上)には2人、
百歳(!)には5人の給侍をつけると規定もあったらしい。
へ~、老人福祉ってのも案外昔から充実してたんだ。

平均寿命が50年を越えるか越えない時代において、
果たしてそんな対象者がどれほどいたか判らないけど、
お題目としては、年齢別にそういう手厚い(?)取り決めが
されていたってのは、スゴイんじゃないだろうかと。
ま、それがほとんど、中国からの輸入品(唐律令)の真似っこの内容だったとしても、だ。

そんなことから、古代の社会保障制度について調べたら面白いんじゃないかなと
思いつつ放置してはや数年。
このたび、思い出したように(思い出したんだけど)、それ関係のこと
ネットサーフィンで調べてみたら、出るわ出るわ、古代福祉の現状(じゃないか)

そのうち、こんなことは福祉関係の人のうちでは、日本における「福祉政策史」を
勉強すれば基本的に知ってることなんだと知って、逆に目から鱗でした。
(福祉関係の専門学校・大学の人なら常識でしょうが)
古墳とか、寺とか、文化財とかしか興味がない人からすればアウトおぶ眼中分野だもん。
どんな分野にも歴史あり、です。

おもしれーなあ。インターネットで調べてどんどんリンク辿っていると
新しいことがわかって面白い。
こういう脱線はどんどん驀進してしまうんだけど、
何でガッコの勉強は進まないんだろうなあ。
謎だなあ(をい)
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5 コメント

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Unknown (独楽)
2007-11-16 21:52:49
どんなものにも歴史あり・・これ至言ですなあ・・(笑)。
福祉政策史って社会福祉学科の必修科目だったりするんでしょうか?賑給に興味を持って研究しておられる方もたくさんいるんでしょうね??
私かなり興味あるんですが卒論にするには律令を読まねばならないのがネックです~~
自己解決 (かるほ)
2007-11-16 22:47:14
判った、判った
>戸令の給侍条だ。
※100歳には5人の給侍をつけるってぇの

読みやすい養老令の現代語訳。

http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/yoro.html
(そういえば、ここお世話になったっけ、すっかり忘れてた)

これならスイスイ読み進められそうだわ♪
ちょっと全巻読破してみよう。
自分の常識は他人の非常識 (かるほ)
2007-11-16 22:58:44
独楽さん
そういえば、前の大学で、日本法制史をやったとき、
おお、こういう「歴史」もあるんだなあと初めて
「何かの歴史」ってものを体験しました。
歴史って、「ナントきれいな平城京」なんてのばかりが歴史じゃないんだと(笑)

現代と律令制下の福祉の対比を研究したものとして
以下のようなものを見つけました。

「律令における障害者福祉法制と現代法と比較して」

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r093/r0930008.htm

まだ、ざざっとしか見てないのですが、
おおお~これぞ、私がやってみたかったことじゃね?
とか思って、それが見つけられて嬉しかったり、
もう既にやられている研究だってことがわかって落胆したり(^^;

前掲のサイトで、令がサクサクと現代訳で読めますから
気になるところから読んでみたらいかがでしょうか(^^)
Unknown (独楽)
2007-11-18 22:49:42
貴重な情報ありがとうございます。
どんなものにも先行研究ありですね・・
頑張らねば

今のところ追いかけては逃げられという感じで
テーマ探し中です
ハア私の卒論どこへ行く???
先行研究が見つかれば (かるほ)
2007-11-19 22:59:30
論文は半分かけたようなものですから>独楽さん

私が扱った卒論のテーマって誰も興味がないのか
先行研究らしいものは久しくない(と思っていただけ?)
ものだったのですが、新書版でそのものずばりの
本が出たので大変焦りました。
あ~もたもたしているうちに、本職にしてやられた~って。
でも内容を読んだら、「ホントにそうなん?」と
突っ込みどころ満載だったので、卒論で反論しまくってしまいました(笑)

逆に先行研究がない研究ってやっぱり大変ですね。
テーマ探ししている時がいちばん面白いかもしれないです。
じっくり探してくださいね♪

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