きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

答えは市役所3階に

2023-06-07 | 

今日は午前中、集団の胃がん検診を受けてきました。検診バスでバリウムを飲んで撮影。午後は家で仕事をして、夜はヨガ教室に行ってきました。

図書館で借りて、辻堂ゆめの「答えは市役所3階に」を読みました。東京行きの新幹線で読みました。5つの短編が入っています。

新型コロナウィルス感染症流行の状況を受け、このたび市役所三階に「2020こころの相談室」を開設することになりました。という案内で始まる本は、まさにコロナの影響を受けた人たちが登場するタイムリーな物語です。5人の相談者の話が載っていて、微妙に関係のある人だったりします。

合唱部のコンクールが中止になり就職先のホテルも求人がなくなった高校生、結婚相手が看護師で仕事を辞めてほしいといったら婚約破棄された男性、コロナ禍の出産で一人で奮闘して鬱になりかけた女性、日雇いの仕事が減りネットカフェも閉鎖してホームレスとなった男性、大学生活を楽しむこともなくリモート授業ばかりで引きこもりになった学生。

17歳から46歳まで、それぞれの立場でコロナの影響を受け、相談というか、話をしにくるのですが、なるほど、確かに困ったなあ、どうしたらいいのかなあという話をされます。臨床心理士の相談員の女性は、とにかく話を聞き、やさしく声をかけ続けます。相談者によくあることですが、話しているうちに自分で解決していく、そんな展開なのですが、物語が終わったかと思った後の後日談で、2人の相談者が話すおまけがとても面白いです。

相談者がみんな本当のことを全て話しているわけではない、という前提ですが、それにしてもそんな裏話が隠れていたのか、よくをそれを見抜いたなあ、なるほど、そういことなのか、と驚いたり納得したり。ちょっとつらいけれど、決して重たくはない、明るい気持ちになれる物語でした。とても面白かったです。読んでよかったです。
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