アラエイ(80)

2018年12月05日 | 日記
姑87歳のアレやコレや考えてる日々だが、私の実母も来年80歳になる。充分に高齢者だ。

だが、私の母は高齢者らしからぬ、毎日忙しい80歳。

私の実家は地元のスーパーを経営して、今もバリバリの現役だ。

田舎のスーパーだから従業員は数人しか居ないが、他に仕出し弁当や宴会もしている。

仕出し弁当など、たとえ100個近い受注があっても、母は一人で作ってしまう。

盛り付けは従業員がやるが、来年80歳の母が、長時間厨房で立ちどうしで作り上げるのだからとんでもない婆さんだ。

私の実家はもともと酒屋だった。

でも、自然に母が手広く商売をしていき、今の形態になった。

母は70歳の時、腰の手術もしているし、二年前は腹膜炎で生命の危険さえあった。

今は取れたが人工肛門も付けていたこともあった。

そういえば、その手術をして退院した翌日には仕事に復帰していた。

車の運転をして酒の配達もする母。

更には長い間、県の商工会婦人会の副会長をはじめ、あれやこれやと肩書きもあったから、そういう活動も忙しかった。

もう何もやりたくない、といろいろな役職を周りからやらせられるのを拒否して引退したが、今はまた頼まれた老人会の会長をしぶしぶやっているようだ。

母は責任感が強いし、他人に優しいし、そんな信頼があるから何かと役職を任せられてしまったんだろうし、商売も成功できたんだと思う。


そんなパワフル母だが、最近何も音沙汰がない。

私からめったに母に電話をすることは無いのだが、母からはたまに電話が来る。

或いは荷物が届く。

ビンボーな我が娘を心配して、たまに米やら何やら食料と共にお金も入っていたりする。

しかしながらこのところ何もない。

そろそろ米でも送ってくんないかなと、待っている図々しい娘55歳。

いつぞやの電話では、「今度マツタケ送ってあげるから」、もっと前の電話では「美味しいジンギスカン送ってあげるよ」と言っていた母。

えーとお母さん、何も未だに来ないんですけど。

今でもマツタケもジンギスカンも絶賛受付中なんですけど。

電話も何も無いので、最近は心配になってきた。

もしや、姑の比ではないにしても認知症が始まっているのでは?

或いは体調を悪くしているのでは?

そして昨日は久々に私から電話をかけてみた。


「もしもしー」

よかった。母の声は元気そうだ。

ずいぶん前にマツタケ送るとかジンギスカン送るとか言ってたはずなのに何も送られてこないから心配になっていたと言うと、

「あーそうだったっけ?忙しくて忘れてたよーアッハッハッ」

と笑う母。

まあ年末だ。忙しいんだろうなあと思いつつ、ホッとした。

この電話の最中もレジを打っている音がした。

そしてちょっと話した後、母がこう言った。

「そうそう、今日電話をしたのはね、美味しい米を送ったよって教えようと思ってさ」


電話をしたのはね?

電話をしたのは私なんだけど。

ま、それくらいの物忘れはしょうがないか。

なにしろああ見えて母は来年80歳だもの。















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