LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

メルセデス・ベンツSLS(8)

2012年05月09日 10時19分21秒 | モデルカー製作記
先日土曜日はS.E.M.の月例会がありまして、みんなの静岡展示用の作品の多くが完成もしくは完成間近な状態で持ち込まれました。
今回の展示テーマは「メルセデス・ベンツ」でして、レベルとフジミのSLSは言ってみれば主役ですから、色とりどりのSLSが集結しました。おかげで製作モチベーション急上昇!そろそろ追い込みかけなくちゃってことで、わがSLSの組立てもいよいよ山場に突入です。

↑インテリアいきなり出来上がっちゃってます。まあただ単にキットのパーツを塗装して組立てただけ。特別な作り込みとかは全くしてません。キットのモールドがシッカリしてますから、手を入れる余地はあまり無いのです。いつもプラバンで作っているシートベルトのキャッチまで、ちゃんとモールドされてます。
シートの前のフロアにはAMGのロゴがあるんですが、この時点ではデカール貼り忘れてますな。



↑このクルマ、インテリアの色はかなり選択肢が多いようで、シートも単色だけでなく2トーンになってるのもあったりしますが、今回は一番単純な塗装で済むものにしました。ダッシュ下半分やドアトリムと同じ色で、Mr.カラーのエアクラフトグレーにフラットベース・ラフを少々加えたものです。シフトコンソールから後方に続いている樹脂パネルはスターブライトジュラルミン。実物はシルバー系のカーボン模様パネルで、エンジン周りのカバーと同色ですが、ブラックカーボンやウッド、メタル調なんかもあるみたいです。

シートは背面部分が別パーツですが、合わせ目が実車と全く同じ位置にあり、合わせも良いので、塗装前の接着パテ埋めは必要ありません。
ガルウィングで室内がよく見えるだけに、ペダルもちゃんと再現されているのは嬉しいところです。ペダルが省略されているキットってとても多いですが、省略しちゃいけないものだと私は思うんですよ。無きゃ走れないんですから。



↑出来上がったインテリアをボディに組み込みました。ダッシュ側のセンターコンソールと、シフトコンソールの前端、いまいちピタッと密着してませんが、これ以上は詰め切れませんでした。ダッシュをボディ側に付けるのを止めて、インテリア側に接着しておくべきだったかな。でもそうすると組立て手順が大きく変わっちゃって、ダッシュ裏の構造を大きく変える必要があるかも。ここはちょっと反省点ですね。シャシーを入れることで、バスタブの底が押されて密着が改善するといいんですが…



↑続いてドアヒンジの改良。というか小細工の追加、ですね。ヒンジ自体の形状で上手いことクリック感が出て、開けた状態のドアを保持できる筈だったのが、塗装後の仮組み調整で何度も開け閉めしているうちにヘロヘロになっちゃったので、ヒンジを下から支える小さなステーを洋白線で自作して追加しました。さいわい天井とドアの内張りの間には充分なクリアランスがあるので、これを付けても閉じた時にも支障はありません。
ドアを開けたらステーをくいッと上げて、ヒンジを横から押さえてやるわけ。これでドアは開けた状態でしっかり保持できるようになりました。しかもドアの下なので目立たない。まあ、苦し紛れの誤摩化しですけどねー。展示会の会場だったら、言わなきゃ誰にも判らないでしょう。ってここで書いちゃったらバレバレだぁ(笑)



↑続いて窓ガラス。今時のクルマにつきものの、ガラスのフチ部分の黒塗装。キットの説明書には黒く塗れとは書いてあるものの、どーやって塗るかは全く書いてない。国産キットの一部には、切り抜き加工されたマスキング・シートなんて便利なものが入ってますが、レベル的には自分でアタマ使ってなんとかせい、というスタンスなのね。はいはい。
ガラスにはちゃんと黒部分の輪郭が凸モールドで入っているので、それを使ってマスキング・シートを自作しました。

(1)クリアーパーツのモールドを水性顔料インクの極細ペンでなぞる。(2)その上にマスキング・テープをべたっと貼って、インクを写し取る。(3)白いボール紙の上に貼って、デザインナイフで切り出す。

このやり方だと、クリアーパーツの上でテープを切る必要が無いので、パーツにキズを付けなくて済むし、ラインがズレても、何度でもやり直せます。
あと「水性」&「顔料インク」というのがここのキモ。油性だとインクが定着しちゃって写し取れないし、普通の染料系インクのペンだとインクが滲んでラインがハッキリと出ないんですね。私が愛用しているペンはゼブラのドラフィックス、0.5㎜の黒。これが一番具合が良いのですが、もう作っていないようです。これがダメになったら他のメーカーのを買うしか無いなぁ。パイロットのドローイングペンがほぼ同じもののようですね。



↑クリアーパーツのインクを水でよく拭き取り、切り出したマスキング・シートを再びクリアーパーツの内側に貼って、フラットブラックをひと吹き。塗り分け、バッチリ決まりました。簡単お手軽、結果良好。
フロントガラスはボディに当ててみるとちょっと左右端が浮き気味になるので、マスキングテープで押さえ込んで接着しました。例によって2液性透明エポキシボンド使用です。黒枠があるので、接着部位は表からは全く見えません。リアガラスも全く同じようにして塗装し、取り付けました。



↑これはドア窓のガラス。説明書には裏側のフチを黒く塗る指示は無いんですが、外側から貼るので、そのままだと楽屋裏が丸見えになっちゃいます。実物はガラスの内側に黒いゴムのシーリングがあるので、これでも別段不自然じゃありません。



↑上下合体の前に、ボディの内側に接着するパーツを取り付けました。ヘッドライト・ベゼルはメッキパーツですが、前面キランキランではなく、一部黒く塗るようにという指示です。リフレクターが階段状になっていて、各段の上面が黒くなっているんですね。実車の写真を見ると、黒というよりはガンメタみたいな感じに見えます。
これはかなり複雑な形状なので、マスキングはせず、上から見た方向から絞り気味にガンメタルを吹いて、前面には色がつかないようにして塗装しました。こうすればLEDデイタイムライトの部分にはガンメタが乗らないので、それらしい感じになります。

リアコンビはフチと中央部が赤いんですが、中央の赤はカバーではなく内部にあるようなので、リフレクターのメッキパーツの凹みに直接クリアレッドを流し込みました。フロントグリルやバンパーのインテーク、リアバンパーのアウトレットのメッシュ部分は、全てキットのプラパーツ。金網のモールドはけっこう繊細なので、エッチングメッシュに替える必要は感じませんでした。この上に金網模様のデカールを貼るようになっていますが、貼らない方が良さそうです。



↑内側のパーツを全て取り付けたので、遂に上下合体! どこかが当たっちゃうとかいったアクシデントもなく、シャシーの合わせは塗装前に充分に調整しておいたので、サクッと合体しました。タイヤも取り付けて、ようやくクルマのカタチになりました。前後ともホイールアーチに対してタイヤがパツンパツンで、めちゃめちゃカッコいい! でもパツンパツン過ぎてハンドルほとんど切れません(笑)

ここで重要なのは4点接地。私はタイヤが一個浮いていてカタカタするのは大嫌いです。ちなみに、今を遡ること20数年前、初めて某模型誌の作例を担当した時に言われたのも、このことでしたねえ。4点接地厳守!タイヤ浮いてたら作例として受け取りません、と。ごもっとも。

このキットみたいに、シャフト貫通じゃなく4個のタイヤを別々に取り付ける場合、私は必ず2→1→1という手順を踏みます。今回は前輪2個をまず取り付けて、その接着が安定してから左後輪を取り付け、最後に接地を確認しつつ、右後輪を取り付けました。場合によっては、右前後→左前→左後、みたいにすることもあります。こうすれば最後の1個で必ず接地のつじつまを合わせられるので、カタカタにはならないわけです。

さて、あとは外装の小さなパーツを付けるだけ。次回、完成まで持っていけそうですヨ。


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