旅とエッセイ 胡蝶の夢

ヤンゴン在住。ミラクルワールド、ミャンマーの魅力を発信します。

今は、横浜で引きこもり。

ビートルズの来日

2018年06月25日 09時02分26秒 | エッセイ
ビートルズの来日

 ビートルズの来日は1966年、自分が10歳、小学4年生の時だ。世間は騒然としたが、その時俺は別段ビートルズの音楽に目覚めたわけではない。ビートルズを聞き始めたのは、ずーっと後年のことだ。むしろキューバ危機(1962年)やケネディ暗殺(1963年) の方がよく覚えている。

 けれどもビートルズの来日には忘れられない想い出がある。ほら前回クラスの仕切りやの女の子のことを話しただろ。彼女は太っていて勉強はビリに近いが、女子を中心に人気があった。優等生タイプの俺は、別にケンカをするわけではないが、彼女から距離を置かれていた。
 そのため声を掛けてもらえなかったが、彼女はクラスの6-7人(男子1-2人、他は女子)をまとめて、東京までビートルズに会いにいったのだ。

 電車で1時間とはいえ、横浜の子供が東京に行くのはよほどのことだ。ツタンカーメンの黄金の仮面展とかね。親戚でもいなければ、年に一度あるかないか。そんなものだ。
 武道館を目指したのか、宿泊したホテルに向かったのか。ただやみくもに東京に行ったってビートルズに会えるはずはないが、その行動力と情熱には呆れる。
 しかし集団失踪として学校内で大事件になってしまった。でも俺は羨ましい。その時とんでもなく怒られたとしても、ビートルズのことを思うたびに、あの日の東京行き大冒険を思い出すことが出来るなんて、素敵だ。

 その女の子は翌年また大事件を起こした。三ツ沢公園に行くと、桜の木にサクランボがなっている。食べ放題だ。みんなで行こう。歩いたら2時間はかかる。道に迷って帰りが遅くなり、またサクランボが染井吉野になるわけがなく、今回も大騒ぎになった。

 あの子はカメルーンの笛吹娘か、はたまた少年十字軍なのか。あの行動力、とっぴな発想とカリスマ性。どんな人生を送ったんだろう。2度ほどあったクラス会には、顔を出さなかった。

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