債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 

ウォールストリートで20年、生き残ってきたノウハウを開示、日々のマーケット・社会情勢を分析します。

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ビッグ3は真珠湾

2008-11-26 00:06:55 | マーケット

シティーに公的資金が入り、200億ドルの資本金が新たに投入されます。時価総額は既に約200億円足らずですし、優先株をほぼ同額政府に相当渡しますから、これは事実上の国有化です。

デフォルト条項にぎりぎりひっかからない所、でしょうか。裁判に持ち込む気があればトリガーは引けるかもしれない、というレベル。これに加えて不良債権買取保証が3000億ドルというのですから、ある意味もう国有化以上ですね。

しかし一息ついたのは事実です。時間稼ぎをしているうちにオバマ政権にバトンタッチしたい訳ですね。

さて、ビッグ3.
いろいろなアナリストのレポートを読んでも、政府による援助なしで12月から1月のリファイナンスを確実に切り抜けられるとしているものはない。当然デフォルトを織り込みつつ、公的資金を入れるにしても相当の犠牲が伴うことを株価は示している訳でその結果5ドルとか6ドルとかになる。

実際、チャプター11はアメリカ全体のディップファイナンス枠(倒産後運営のための資金の融資)が一杯一杯なので、これだけの巨大企業に適用できるかどうかは微妙で、ここは政府資金の発動と引き換えに年金などの既得権を放棄させることになるでしょう。

ここで・・・もうビッグ3は終わったね、という議論が日本では普通に語られるんですよ。まあ、例によってテレビなんかで勝手に決めつけている。

「何の技術開発もして来なかったんだから負けて当然」、

「勝負はすでについていて、トヨタ、ホンダの日本勢が一人勝ちだ」などなどと。

でもね、多分それ、相当間違ってます。僕は個人的にこれは第二の真珠湾だろう、と思うのですよ。下手をすると10年後には日本メーカーは跡形もないかもしれないな・・・と思うのですよ。

なぜならば・・・

GMの車なんてひでーもんだ、という声がありますが、先に指摘した70年代のコミットメントの残骸である年金や医療保険など、いわゆるレガシーコストが問題な訳で、もしそれらを切り離して「ちゃら」にして、自動車会社単体で見た場合、生産台数、売り上げはGMの方が大きい訳で、利益率、技術水準、どれをとってもその他日本メーカーに大きく見劣りしている訳ではありません。

それどころか中国では日本車より販売台数は多く、実際マーケティング調査をするとアメリカ車は結構人気で、日本車よりアメリカ車の方が魅力的というデータはそれこそあちこちでとれる。中国の広大な大陸スケールにはアメリカのあの車体は案外マッチするのですよ。

つまり、真珠湾でアメリカ海軍を木端微塵にして、立ち直るまでの時間が相当稼げると思っていたら、わずか2年もしないうちに全米の総力を挙げて立て直し、気が付いてみたら日本のゼロ戦は紙飛行機のように落とされ、そこから硫黄島までまっしぐら・・・・真珠湾から終戦までわずか4年の決着ですよ。

今回もよく似ているのではないですか・・

確かに日本の技術はすごいけど、公的資金を入れたからにはコスト度外視でアメリカの総力を挙げて燃料自動車を開発して、オバマ政権の公約でもある環境問題を前面に押し出し、例えば全米に充電ステーションをただで置かれたらひとたまりも無いんではないでしょうか。

しろーと考えですが、もしその技術スタンダードがGMになれば、日本の自動車会社は結局GMから技術を買うことになる。 アメリカは最後は何でもやる国だということを、忘れてはいけません。

いくらトヨタでもアメリカなどという巨大な国を相手に開発競争をやるなど馬鹿げています。それなりの危機感があって、開発投資などに多額の予算を割いているのはさすがですが、もうこれは民間企業の努力の枠を超えているのではないでしょうか。

トヨタもホンダも元気なうちに国をあげてアメリカのメーカーを取り込みにいくという戦略があって然るべしで、そういうダイアログがオバマさんとできていないとなると・・・・第二のパールハーバーのような気がしてなりません。

アエラにも書いたように、既にアメリカを買いまくる日本、というイメージになるとはとても考えられないのですよ、いまのアメリカは。その意味では大いに考えるべきだろうと思いますよ。

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51 コメント

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なるほど (na)
2008-11-26 00:24:47
では、日本は米国債を買い支えて、その金をアメリカはビッグ3(だけじゃないだろうけど)に注ぐってことでしょうか?

日本も人がいいですね。
Unknown (apachi)
2008-11-26 00:28:58
白人は都合が悪くなるとルールそのものを変えてきますからね。現行のルールではビック3は死に体で、トヨタやホンダが生き残るように見えますけど、為替いじられたり不利な関税かけられたりするとそうとはいえないかも?実際、コルベットが300万台で手に入るなら買いたいですもん。
一息とゆうことは、 (G)
2008-11-26 00:45:24
11/15の「嵐はまた来ます・・・」はひとまず回避とゆうことですかね? しっかし、オバマを見つめるアメリカ人達を見ると、なんだかうらやましい。アメリカは本当にこの危機を乗り越えてしまうのではないかと感じてしまいます。 
漫画読んでる場合じゃないですよ、麻生さん。。。

ところで。アメ車は日本の田園風景にもマッチします。イタ車もね。なんででしょう。不思議です。

全くです (Unknown)
2008-11-26 00:46:13
日本人は情報を深く掘り下げるトレーニングを禁止されているような環境で過ごしていますから、ちょっと単調な議論になりがちですね。

プライベートジェットをリースすることは、巨大な国土でそれなりの企業であれば当たり前のことですし。

ドルが基軸通貨でなくなることのほうが、かなりヤバいと考えます。

日本の一般人は完全に奴隷になり下がりそうな気配で怖いくらいです。

新たなメーキャップ? (りんたろう)
2008-11-26 00:59:41
30兆円のアセット・プールを保証するという大風呂敷も、よく読むと、100%のはずのリスク・ウェイトを保証がついたので20%にしても良いというだけで、不良資産は手付かずということですか。時価会計停止よりもメーキャップとしては優れものかも。メッキが剥がれるのに今回は何日かかるのでしょうか?国有化したから大した問題ではないとも言えますが。ところで、誰もIMFへの10兆円が如何に愚策かを問題にしないのはなぜですかね?
何でもするとは思います (translife)
2008-11-26 01:04:45
ぐっちーさま、いつも楽しく読ませていただいています。私はなんと、アエラで知ってこちらをのぞきにへ来るようになったものです。
さて、アメリカの底力、どうでしょうか。技術に関してはたとえばとりあえずボッシュなどのサプライヤーから買った方が安くつくと思います。ビッグスリーが別々に開発を進めるのは大変な無駄ですし、今のところ欧州では最低でもあと10年は従来エンジンが主流という予測を元に開発が進められています。これから独自開発するなんて、ちょっと想像つきません。
私の個人的な感触ではもうビッグツーでも(ワンでも)よいんじゃないか。ドイツでさえオペルは余分な気がします。ただ、アメリカは爆発的なエネルギーでなにをするかわからんで、というぐっちーさんの持たれている見解も無視できないとおもいます。どうなるんでしょう。結局また日本は負けるんでしょうかね。悲しいです。
Unknown (Kano)
2008-11-26 01:06:16
ぐっちーさんの仰る通り、ビッグ3が環境に良い車を米政府とともに標準作ってビシバシ売ってくれたら、京都議定書も報われますね。

でもアメリカ政府や軍産複合体の圧力が強そうで、石油を大量に消費する「アメ車」の生産をあきらめなさそうな気もします。

彼らが本気で環境問題に取り組むことを祈ります。
Unknown (通りすがり)
2008-11-26 01:11:31
ビッグ3、正確にはデトロイト3ですが、そう簡単には立ち直るとは思えませんが。この前の公聴会でも自家用ジェットで来たとか。潰れる直前の会社がやる行為ではないですね。環境技術に関してもアメリカは周回遅れですし開発に莫大な金がかかりますし、そう簡単に資金が集まるとは思えませんが。政府もシティーを始め金融期間への支援で精一杯のイメージがあります。あと退職した人に対する年金も常識はずれだとか。これらの多くの難題をクリアするにはウルトラCの対策を連発するしかありませんね。真珠湾のときは圧倒的に軍事力・資源力で日本を圧倒的に上回っていたし参考にはなりませんね。最近ぐっちーさんも為替とかでぴんとのずれたこと書いてるし曲がりやのイメージが。確かにおっしゃるとおりブログですからなにを書こうが自由ですが、テレビとかでしゃべったりアエラとかにコメントしてお金を稼いでる以上プロなわけで、あまり信用を失うコメントを書くのはいかがかと思います。元同じ外資系証券会社の社員として。
Unknown (kazuneko)
2008-11-26 01:16:00
一理あると思いますねー。
先週のECNOMISTでも出てましたが、
クライスラーはともかく、FordとGMは
BRICs各国では(確か全ての国で)トヨタ以上のシェアを握ってますからね。

今年はとうとうBRICs4ヶ国合計販売台数が
世界最大市場の北米を抜きそうみたいですよ。
レガシーコストが解決した後のBig3(もしかしたらBig1になってるかもしれませんね)は、
意外と強敵では?
ロシアや中国でねえ。 (K)
2008-11-26 01:17:41
ロシアや中国でアメ車が強いとは聞きますが、中露が米企業の一人勝ちを許しますか?
また、アメリカは中露から閉め出しを喰らうのではなかろうか。
これも歴史は繰り返す。

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