債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 

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本当の企業価値

2007-05-24 09:20:43 | マーケット

昨日の書きこみでぐっちーがいつのまにか市場派から市場規制賛成派に鞍替えしたのか、とのご意見を多数頂きました。そんなことはないんです。

実は昨日のグリーンスパン前議長の発言、中国株は「維持不可能なレベルにある」といった訳ですが、これとふかーい関係があるんですよ。

何がいいたいかというと・・・

まず、 これが昨年末の世界時価総額ランキングです。

1 Exxon Mobil US 3716億ドル Oil & gas producers
 2 General Electric US 3625億ドル General industrials
3 Microsoft US 2811億ドル Software & computer services
4 Citigroup US 2389億ドル Banks
5 BP UK 2332億ドル Oil & gas producers
6 Bank of America US 2117億ドル Banks
7 Royal Dutch Shell UK 2112億ドル Oil & gas producers
8 Wal-Mart Stores US 1968億ドル General retailers
9 Toyota Motor Japan 1967億ドル Automobiles & parts
10 Gazprom Russia 1963億ドル Oil & gas producers

で、9位にトヨタが入っていてその他の面子をみてもまあまあ皆さんご存知の納得のいく企業でしょう。10位を除いては・・・・

 このガスプロム、もとソ連のエネルギー関連の国家企業3社がそのまま民営化したもの。ガスネフチ、ペトロマシナなどなどの国有化企業が民営化したといえば聞こえがいいものの、一体いくらで株が譲渡されたのか、実際の株式価値がどれだけあるかなど、デューデリされたことは一回もない

しかもロシアの上場基準を満たしているのみ、ルーブルという兌換性の全くない通貨で取引されており、価格形成に関する客観性も全く不明。ロシア政府当局の思惑で株価などはいくらでもなんとかなる代物です。

一体このガスプロムがどれだけの資源価値を保有しているか、例えば7位にいる同業のロイヤルダッチシェルと比べれば不透明な事甚だしい。それを単純に取引できるかどうかわからんドルVSルーブルのレートを使って時価総額がトヨタと同じといわれてもどうなのよ・・・・ということです。

万が一、こういう企業がその株を使って三角合併に参入してきたらどうするつもりなのか?? 紙切れになるかもしれんルーブル建の株券とトヨタの株券をまじで交換する気なのか?? ということです。

グリーンスパンが指摘したポイントがまさにこれで、何よりもこの問題は中国にこそ注意が必要だという事なのです。上海を筆頭にした中国本土の株式の価格形成がまともになされているのか、極めて疑わしい、それこそ中国政府の思うがままに操作できる代物で・・・・そんなものがいつまでも持つわけがない・・・という事に尽きる訳です。

一連の中国企業に比べたらまだガスプロムはましかもしれないといった程度で、こういった本当の価値が反映されているかどうか不明な企業がその株式を使って日本企業に三角合併を仕掛けてくるような場合に今の市場は全く無防備だ、と私は言いたい訳です。

アメリカは自由に見えるけれどしっかりトラップがかかっている。一つは厳しいSECの上場基準。買収する側もこれを満たさなければならない。少なくともガスプロムのディスクロでは全くクリアーできない。

次にそれを嫌って買収企業を上場廃止にする手もあるけれど、その場合は強力な株主からの上場廃止による利益喪失に対する膨大な損害賠償の裁判に勝たねばならない、というそれこそ無尽蔵にリーガルフィーが出て行きそうな事態が待ち構えているため、さすがにこれは躊躇される。そうなるとディスクロに自信がなければ身動きが取れないわけです。

更に国家安全保障に関する場合、議会がストップできる権限をもっており、これも既に発動済み。 日本には何もありません。やりたい放題であります。こんな状態でフェアなマッチレースが可能なのかどうか、私が問いたいのはそういうところであります。


事実上一体いくら価値があるかわからない中国株に投資する人の気持ちがわからない、と昔書きましたが、グリーンスパン氏はまさにこのことを指摘した訳でして、中国株の現在の価格は砂上の楼閣である可能性が高い、ということです。

チューリップの球根が1枚の金貨より高かったことまであるのです。その意味で市場の価値形成は必ずしも正しくはない、という事を指摘しておきたいと思います。

ジャンル:
経済
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5 コメント

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本当の・・・ (ペルドン)
2007-05-24 10:02:57
グリーンスパン発言は海外のメディアでも盛んに流されていますね。中国政府は改めて手品の種がばれないかと冷や汗をかいているでしょう。そもそも共産政権下で正常なマーケットが存在するか、という原理を思い出しますか。

文明開化にも拘わらず、我等は褌と腰巻きを愛用していた。褌は軍隊で終戦まで生き延びたが、多くの女性も腰巻きを好んだ。昭和七年の白木屋の大火災まで。脱出の際、墜落死した十三人の女性は腰巻きで、ロープを伝い降りる際、下から見られる恥じらいで、裾を押さえるあまり落下してしまった。以後西洋式下着が普及したとあります。

少なくとも多くの企業が腰巻き姿で、恥じらいながら墜落しない限り、パンツは普及しないのであります。何しろお上は、古語になったノーパン・しゃぶしゃぶを今だお好みでもありますから。
あれれ (子貢)
2007-05-24 15:48:16
中国に関する見方、かねてからの弊説に近づいてません?

日本からの直接投資も激減しているし、投機資金も腰が引けている。自分で作った国内の過剰流動性だけが頼りのこの国に未来はあるのでしょうか。

最近、中国バッシングの記事が多いですよね。これも1つのシグナルだと思うのですが・・・。
Unknown (ひろ)
2007-05-24 16:33:53
三角合併には、非合併会社側の特殊決議(2/3~3/4の合意が必要)と聞きましたが、それでも危険でしょうか?
グリーンスパンコメント (deathandtaxes)
2007-05-24 21:06:53
お久し振りです。
判り易い解説ありがとうございます。
よく分かりました。
流石! (アメックス)
2007-05-25 03:56:01
流石、ぐっち~さん!グリーンスパンの意味が良く分かりました、しかしながら日本の政治、金融の質を上げないと駄目ですね~

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