債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら 

ウォールストリートで20年、生き残ってきたノウハウを開示、日々のマーケット・社会情勢を分析します。

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ねこやん

2008-09-08 11:20:49 | Dear friends

FNMA(ファニーメイ)、FHLB,フレディーマックなどはエージェンシーと呼ばれ、Quasi-Soverign というカテゴリーで政府に準ずる政府機関として扱われてきました。

所が、政府保証とはどこにも書いていないがために、その債券は本当に大丈夫なのか、という議論は実は古くからあるのです。USTに準じて、リスクウェートが10%というだけなので、通常はせいぜいT+10-15くらいのスプレッドがマキシマムなのですが、ファニーはどうも政府が面倒を見ないらしい・・・といううわさが何年かに一回必ず出てきて、突然+50なんてスプレッドになったりしたもんです。

つまり今回の話は古くて新しいともいえます。

にも拘わらず、今回、アメリカが公的資金注入にまで追い込まれた背景には極度の信用収縮という問題があります。勿論株価の低迷という表面上の問題はありますが、もともと株と債券は別物。株がゼロになっても債券が戻ってくるなんてことはいくらでもありうるのです。

つまり、サブプライムでガタガタになった金融機関がリスクテーク能力を失ったために、これ以上の打撃を受けないように、たださえもしかすると危ないと、昔から危惧されていたこのエージェンシー債券に掛け目をかけ始めた、というのが今回の救済劇の最大の原因です。

これまでほぼ時価の100%で融資を受けられた担保が70%しか評価されず、しかも価格変動幅に応じた追証もこれまでは10%くらいでルーズに握っていたものが、場合によっては1%でも動いたら追証、というような事態を招いている。それもこれも、元はと言えば金融機関のリスクテーク能力の低下が原因で、この期に及んで政府に準ずるはずの担保債権が使えなくなってしまったら、それこそ金融機能不全に陥る、というぎりぎりの選択だった、という事が言えるのです。

それから、注目して欲しいのは、前回のベアースターンズ事件に続いて今回のこの発表も週末の金曜日、それも遅い時間になってから発表されるというタイミング。アメリカ市場に対する影響を最大限与えないようなタイミングを計っている、と言えましょう。

しかし、といううことはですね・・・

今後アメリカで発生する様々な突発的事故及び政策変更のあと、最初に開く市場が東京だ、ということになります。東京市場はただでさえ情報が偏っていますので、為替、株、債券、あらゆる市場関係者にとってアメリカ、特にニューヨークの一次情報を正確に取得することが肝心になってきますが、さて、皆様、その体制は整っているでしょうか・・・ 特に日銀及び財務省、金融庁。クイック見てたら間違いますよ(笑)。

ここで本日は残念なお知らせです。

こちらでも何回も取上げさせていただいていますが、親友のねこやんが遂に闘病生活にピリオドを打ち、昨日天国へ旅立っていってしまいました。最後は苦しまず、穏やかに旅立たれたとの事でせめてもの救いを見た気がします。

 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/8836/

以下、ひとりごと・・・

ぐっちーは気難しい性格をしているのであまり親友と呼べる人がいません。その数少ない親友の一人がねこやんでした。私の気難しさを手に取るように解かってくれて、先回り先回りをして、私が妙なことで転ばないようにそれは気を使ってくれたものです。

そういう繊細な一面をもちつつも、本人は実にバイタリティーあふれる人で、仕事は勿論、カーレース、ボランティア、夜のお付き合いなどなど・・・・金曜の夜飲んでてたまたまタイの話になり、そのまま朝一番のフライトでバンコックに行ってしまう、などはざら。それは本当に豪快な人生といえましょう。

ねこやんの最大の業績はCDSのブローキングマーケットを生み出した事でしょう。今から約7年前。当時ベアーにいた私を含め、CDSに絡んでいる人間をねこやんならではのネットワークで集結。それまで全く個別のOTC(1対1)で値づけをしていた日本ネームのCDSに対し、ブローキングマーケットを創出したのがねこやん。その後日本に於けるCDSの流動性は飛躍的に上がりました。

もともと短資会社出身だったので、この種のことはお得意なのですが、あれはねこやんでなければあれだけの人は集まらなかった。その後の日本におけるCDSマーケットの成長は彼の尽力なくしては有り得ませんでした。当に日本の金融市場を先頭に立って引っ張ってきました。

そして何より、私と共に日経金融新聞を休刊に追い込んだA級戦犯の一人です(笑)。実際はねこやんも日経にはたくさんの知り合いがいます。経営陣の人間もよく知っているのですよ。だから、その辺の人がただくだを巻いているのとは訳が違い、真剣に日経の事を心配していればこそ、の苦言だった訳ですが、そのあたりの真相も決して明かそうとはしませんでした。

その意味で、そのへんの普通の人の3倍くらいは生きてしまった感じで、47歳と言う若さながら、「120歳分はもう生きたかもね」、などと冗談を言っていたら本当にそうなってしまった・・・・

ねこやんは、ご存知の通り、6年前に胃がんで胃を全摘出しました。その後は順調で、5年がたち全快宣言が出た直後の再発で我々外野はがっくり来ましたが、ねこやんの最後まで戦う、との姿勢は本当に頭が下がる思いでした。

決してあきらめず、そして悲壮にならず。

「治ったらさ、「明るい闘病生活」、って本でも出そうぜ!」

と二人で笑っていたことを昨日のように思い出します。実際、ドクターの見通しを1年以上更新し、抗がん剤で完治はしない、と解かっていても、ねこやんは完治するのではないか、と思わせるほどの回復振りを見せたこともありました。人間の意志の力を改めて見た気がします。

いつも書きますが、なぜ、本当にいい人ばかり先に逝ってしまうのでしょうか。人生はつらく苦しい。だからもう十分責任を果たした人は先に神に召される、と教えるのですが、私はクリスチャンでありながら、いまだにこの話には納得ができないでいます。

いまでもそのへんからねこやんが現れそうな気がしてなりません。本当に無念です。

ということで、さすがの私にも少し時間が必要と思われます。しばしのお別れになることをお許し下さい。では!

 

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重大な決断

2007-10-18 19:30:44 | Dear friends

これは極めてプライベートな話でして仕事の話ではありません。ただ、三日坊主の私が珍しく続いているのがこのブログなもので、書き残しておきたいと思い書く事にしました。忙しい方はとばしてください。

 ノリックの話です。

阿部典史。世界で名を轟かせた天才ライダーです。惜しくも10月初旬、交通事故に巻き込まれて亡くなられました。

もともと私はお父様の阿部光雄さんと飲み仲間でした。年齢が私よりちょい上、しかもまだ現役の川口ベースのオートレーサー。これはこれで毎日命の危険がある職業で、実際オートレースでは一年に一人二人は事故で亡くなるくらいです。

もともと船橋の片平君と仲良くしていたご縁で阿部さんと知り合いました。息子さんが世界的なライダーだという事は聞いていて、おやじさんと一緒に何気なく飯を食ったりしていたりしていたのですが、まあ、弟、というよりほんとうにいい息子のような感じで可愛がっていました。

既に世界のトップレーサーであった息子、ノリックを初めて私に紹介する時に、お父様は

「ぐっちーよ、俺たちの世界は本当に狭い。視野もせまけりゃ、人生なにもわかっちゃいないんだ。とにかくぐっちーがみて何かおかしい事があったら、こいつをぶんなぐってやってくれ・・・」

とおっしゃられ、心底面食らった覚えがあります。既に世界のトップレーサーだった息子を自慢するどころか・・・です。そういう親父さんですからノリックは本当にいい青年に育ってました。本当に可愛がりました。

彼がどのくらいすごいか、というのはモータースポーツ発展途上国の日本ではちょっとわからないでしょう。例えるなら、ヨーロッパで

「俺は中田英寿とマブダチだぜ!」

といっても「だれだそれ??」という話に99%なるでしょう。ただの ONE OF THEM です。

しかし、

「俺はノリックと友達だ」

と言った瞬間にあなたは大勢の人に取り囲まれる事になります。

事実、私はロンドンのドーチェスターというまあ、かなり高級なホテルのバーでノリックと一緒に写っている写真を見せたところ、1週間滞在中のバーでの飲み代はただ・・・でした。もちろんあとで律儀なノリックがサイン入りの色紙をそのバーテンダーにすぐに送ってくれました。

そういう記憶があれこれと蘇る訳です。
そういう訳で、ここ二週間、心底落ち込みました。傍から見たらわからなかったでしょうけどね(笑)。

 事故はUターン禁止区域でUターンしたトラックにノリックが突っ込むという、なんとも納得できないむかつく事故でした。正直、ふざけんなよ!! 以外の何者でありません。

しかしです。
お父様の光雄さんはその事故を起こしたドライバーに向かって、

「事故だから、しょうがないよ。ノリックも多分すごいスピードで突っ込んだんだろう、プロのレーサーだからね、俺があんたでも避けられなかったと思うよ。だからあまり落ち込むなよな・・・・」

と声をかけられたと聞きました・・・・・

こんなこと、誰が言えるのでしょう?? 最愛の息子を失ってなお・・・・

勿論そのドライバーはその場で号泣したそうです。世界的な才能を失ったことは本当に損失です。でもお父様のメッセージはその意味で重い。

つまり車の運転をしている限り、もしかすると僕自身がこういう事故の当事者になったかもしれないという事に・・・・ふと思いが至ったのです。天国からのノリックのメッセージかもしれない・・そう思ったわけです。

私の運転だって、29年間無事故違反ですから。大きなことは言えないのです。
つまり・・・・車の運転をやめる事にしました。免許はまだもってますが、とりあえず手始めに車を売りました。重大な決意というにはあまりにも些細な事かもしれません。ただ、子供が小さくてどうしても車が必要な方などを別にするなら、私はあまり自分で運転する理由がありませんね。

せいぜいおねーちゃんを乗せて走るくらいでしょうが、そんな必要も最近は無くなりました。あまり必要のない人がハンドルを握らなければそれだけ事故の可能性も減るし、環境にもいいよな、と思い始めたという事です。

世界最速の男のメッセージ、それは人によって受け取り方は様々でしょう。しかし、僕は葬式にいって、小さく背中を丸めたおやじさんの姿を見て、さっきの発言を聞いて、なんとなくそういうメッセージをノリックから受け取ったような気がしたので、ここに書いておきたい、と思ったのです。そういう訳で私は車の運転をしばらくやめます。

ここまでお付き合い頂いた方、有難うございました。

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病気と闘う

2007-04-02 10:47:41 | Dear friends

どたばたしておりまったく更新が出来ませんでした。失礼致しました。

にも拘わらずたくさんのアクセスを頂きまして本当に恐縮です。そうこうしているうちに桜が満開ですね、東京は。大分春らしくなりまして、昼からビール飲んでふらふらしております。

所が・・・・、

こちらの読者の方々もかなりご存知と思われますが、親友のねこやんさんが入院をされてしまいました。

ねこやんのホームページ

ご存知の通り、彼は既に6年前に胃がんと闘い、がんは5年経ちますと完治ということになるので、昨年は完治のお祝いをしたばかりでした。残念ながら今回再発が見つかり、入院となられたとのこと。再発といっても場所も違うので転移ではありませんし、充分戦う事が可能な状態です。手術も無事終了されたようなので、とにかく一日も早い復活を望んでやみません。皆様も無事をお祈りくださいませ。

ねこやんもそうなのですが、若いうちからがんにかかったり、早く亡くなられたりする方はものすごくいい人だったり、すごい才能を持っているといった、いわば「なぜこの人が!!」というような方ばかりです。

この人がこんな苦しみ方をするなら、早く亡くなってしまうなら、もっと早く死ぬべきやつはごろごろいるじゃないか、とそれこそ悪態をつきたくなりますし、ましてや神の存在を否定したくなるようなことばかりです。キリスト教(カトリック)では本当に苦しみに耐えうる人、それを乗り越えられる人は神に選ばれし者で、だからこそ神は彼らに苦しみを与えるのだ・・・・・イエス・キリストが十字架にかけられたが如く・・・・と、とーっても都合よく解釈するのですが、これは実感としてはいかにも苦しい。救いになってませんな。

いい人ばかりなぜ、先に召されるのか、なぜにこんな苦しみを与えられるのか、無常観にさいなまれます。ねこやんについてもマッタク同様でして、神もへったくれもないもんだ、と悪態をついている次第・・・

今日も仕事の話はマッタクかけませんでしたがご了承下さい。明日から通常モードにもどら・・・・なかったりしますけど。お許しを・・・

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