KINOKO NO TORIKO-きのこのとりこ

2005年の秋、突然きのこ愛にめざめてしまった。きのこ目、きのこ脳になるべく現在特訓中。

憧れのきのこ、ホシアンズタケのまとめ

2007-06-12 | 2007KINOKO-DIARY
ホシアンズタケのまとめです。

キシメジ科 ホシアンズタケ属
学名 : Rhodotus palmatus (Bull.:Fr.) R.Maire
1属1種。仲間がいない、超個性派。

長い間、北海道にしか出ないと思われていたということで、いくつかきのこ関連サイトをのぞいてみると、「長い間、トキイロヒラタケだと思っていた」という記述があちこちで目に着きます。今は、栃木県、青森県、長野県などでも発生が確認されているということで、日光で撮影した写真が多くみられます。6月と10月の2回発生のピークがあるそうです。
ハルニレなどニレ科の樹の倒木、日光ではハルニレとヤチダモの倒木、枯れ木に発生。北海道ではオヒョウの樹に出るといわれています。
オヒョウは、北海道では、ちょっと特別な樹です。というのは、アイヌは、このオヒョウの樹の樹皮の下の内樹皮を水に晒して叩いて繊維を採り、糸にして着物をつくります。これはアットゥシ織り(アツシ織り)と呼ばれます。葉がついていてれば、オヒョウはすぐわかるのだけど、倒木になると、私にはお手上げですが、オヒョウの樹皮は縦にきれいに裂けるらしいので、私が見つけたのも、きれいに表皮がはがれた倒木なので、そうだったかもしれません。

ホシアンズタケの特徴は、「全体が肉色を帯び、傘表面に網目状の皺模様」、しかし編目は幼菌や成長しきった個体ではなくなってしまうので、「柄にワイン色の液滴を数多く宿している」ということの方に、見分け方の軍配があがる気がする。触った時のスライムを彷佛とさせるネバネバプヨプヨ感も特別。色は鮮やかなアプリコットカラー、若いものは、もっとピンク系、成熟すると白っぽい感じ。それと、甘い香り…これは、いろいろな書かれ方がされているけれど、なんだろう、柑橘系のフルーツ・グミみたいな、触ると手に残る独特の臭いです。デザートを食べた気分になります。

ホシアンズタケは食べられます。といっても、私は食べていません。各サイトをのぞくと、ぬめりと歯触りの独特の食感があるようで、煮込むと、香りは生きるけど、色がきえてしまうらしいです。あの甘い香りだと、さっと湯がいて、歯触りが死なないくらいに小さく切ってアイスクリームとかに散らしたらどうかな、と考えますが、どうでしょう。
苦みがあるという感想も見受けられますが、全く苦みがないという記述もあります。比較して読むと、あの赤い液体の粒が苦いのではないかという気がします。こんど見つけたら、液体と本体を別々に味を見てみます。

ホシアンズタケとタモギタケは、同じ倒木に出ている例が多いそうです。タモギタケは群生して目につきやすいので、見つけたらそのまわりをさがしてみると、もしかしたらあるかも。

ところで、阿寒の人のblogに書いてあったのですが、最近、タモギタケの発生が多く見られるようになっていて、これは「一見自然豊かな光景に見えますが、タモギタケが出ているのは、ほとんどがエゾシカの食害で枯れてしまったオヒョウの木。周囲を見渡すと、ごうかいに樹皮をはがされた木が取り囲むようにたっていました」ということです。エゾシカの増殖は、北海道で非常に大きな問題となりつつあること。道東や道央では、毎日のようにJRとエゾシカの交通事故が起きて、汽車(北海道は電車じゃないところがほとんど)が止まります。夜中の車の運転も怖いです。木々は新芽や樹皮が食べられて、森がひん死状態になっているところもあります。阿寒のM財団では、天然林を守るために、年に何度もエゾシカの駆除をしていますが、太刀打ちできないほど、エゾシカの害があるようです

北海道のエゾシカがなぜこんなに増えてしまったのか、これについては検証していくときりがないので、また別の機会に。
中標津にお住まいのM先生にお伺いしたことや、M財団の方にお伺いした話なども、備忘録として、まとめておきたいのですが。

エゾシカ問題と、きのこ、自然はいろんなところで結びついている…と、また、考え込むネタが出来てしまいました。


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2 コメント

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初めまして。 (レオピー)
2007-06-16 21:11:25
初めまして。レオピーと申します。
僕も札幌を中心としたきのこの写真を撮るのが趣味でいろんなところを駆け回っています。(旭山記念公園は行かないのですが。)昨年よりブログを拝見させていただいていたのですが、更新がなかったので心配していました。早く全快して山歩きが出来るといいですね。
話は変わりますが、ピンク色のきのこ間違いなくホシアンズタケで言いと思います。山渓の日本のきのこにそっくりな写真が載っていましたよ。(実は僕もホシアンズタケを探していて昨年初めて幼菌のホシアンズタケを見つけただけなので偉そうなことは言えませんが。)
あと、ヒメスギタケの後ろのきのこはベニヒダタケだと思います。どうでしょうか?
これからも、ブログを楽しみにしています。
はじめましてー (kitanoko)
2007-06-18 07:34:12
レオピーさま。はじめまして。
この、きのこ初心者blogを時折のぞいてくださっていたということ、ありがとうございます。
6月になってから、少しずつ、無理しないようにしながら、出かけはじめていますが、なかなか体力は回復せず、片道タクシーやロープウェイにしてみたり、ゆっくりだなぁ、と思っています。沢に入っていくこともほとんどないので、きのことの出会いもゆっくりです。ゴージャスな食菌にはなかなか出逢えないです。
まだ、みつけてもほとんどわかりません。家に帰ってから、本を7~8冊並べて比べてみるんですが、わかりません。
まぁ、運動、リハビリ、森林浴、植物観賞、鳥の声ヒーリングを兼ねて、のんびりと、ですね。

あの黄色いのは、ベニヒダタケでしょうか。写真を撮ったときは、ヒメスギタケに気を取られていて、あまり追求しなかったし、裏も良く見なかったのです。アキヤマタケ系のロウソクみたいな感じがあった気もしていて、わからないなぁと思っていました。今年の追求テーマにベニヒダタケも加えてみます。これからもヒントをよろしく御願いしますね。