部分てんかんノート

30歳で原因不明の睡眠時発作を起こしてから28年、
紆余曲折の部分てんかん体験記

発作と夢 その1

2015-06-17 23:08:47 | 日記
現在の治療ですが、前月の外来から薬を減らしています。
いろいろ試した後、テグレトールとマイスタンに一度落ち着きました。
その後私のわがままで、先生に一度薬を全部止めてみたいとお願いしました。

処方は間違っていないと思いますが、できれば薬無しで済ます=副作用を無くしてQOLを上げたいですし、私自身も加齢と共に状態が変わってきているのではないかという疑問があったので、今一度、素の自分を確認したくなりました。

それから薬によって発作の頻度が減った反面、大きな発作が増えました。
確かに頻度は3日に2日くらいから3日に1日程度、およそ半分になりました。しかし何日か発作の無い直後にはやたら大きなのがやってきます。
ドッカーンと落ちます。火山が溜まっていたマグマや水蒸気を噴出するかのようです。
発作で目が覚めた瞬間、「死」を覚悟します。そして苦しみます。たぶん2,3分の短い時間ですが。

発作で目が覚めた瞬間から、とんでもないものを飲み込んでしまったという錯覚を起こしています。
とんでもないものとは「ビン」とか「ボール(野球ボールくらい)」とか「棒(野球のバットくらい)」などなど。
「ああ、棒が口から喉に刺さって、もう飲み込むしかなくて、これ飲み込んだら食道から突き出て、肺なんかにも刺さって死ぬなあ」とか妄想してしまっているわけです。こんなことをどの時点から見ているのか定かではありません。発作を起こす前から夢で見ているのか、発作を起こした瞬間から妄想し始めているのかどうかわかりません。なので「夢」と決めつけることはできないのですが、一応「夢」としておきます。

「前頭葉てんかん」と診断される前、どうして繰り返しこんな夢を見るのか考えたことが何度もありますが、喉のことで結びつくのは一点だけ。小学校6年生の時、扁桃腺肥大により扁桃腺切除の手術をしました。場所は近所のかかりつけの小さな医院でした。今同じ手術するなら全身麻酔で行うそうですが、私のときは部分麻酔だけでした。小学校の夏休みのとても暑い日、自分で歩いて手術室に向かい、椅子に座った状態で扁桃腺に麻酔の注射を打ち、手術し、痛みと恐怖で脂汗だらけになり、自分で歩いて病室へ帰って横になったのをありありと覚えています。今思えば、たかだか11歳の子どもが意識のはっきりした状態で、口の中にハサミやメスを突っ込まれて手術され、激痛に耐え、血や切除された肉の塊を見せられるのは拷問でしかないと思います。

そのときの記憶がもの凄く強烈に残っているので、喉で苦しむ夢を見るのはそれが原因の「PTSD」ではないかと思って医師に訊いたことがありますが、その程度のことではPTSDにはならないとのことでした。神戸震災後でPTSDが何かと話題になった時期でもあり、そもそもPTSDが何かということもよく調べもせずこじつけてしまいました。震災で被災した方のショックはその比ではないでしょう。

唯一考えられる扁桃腺肥大のオペの線は原因として消え、とてつもないものを飲み込む夢の原因ははっきりしません。単に前頭葉の一部の異常電流がそう思わせている、ということになるのでしょうが、なぜその夢の内容に繋がるのか、なぜ似たような夢ばかり見るのかが解せません。
そしてその夢のせいか、今では大きめの飴を口に入れるのが少々不安です。夢と同じ事が起きそうで恐いのです。

(つづく)


2 コメント

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同感 (逍遥)
2015-06-19 11:31:42
医療を受けた経験からPTSDのような予期不安が有りますよね。まあ、健康診断にしても病気が発見されたらどうしようと思うし、人間って不安にさいなまれる動物だと実感します。なかなか案ずるより・・・の心境にはなれません。
Re:同感 (北野)
2015-06-19 21:32:31
そうですね。私達人間は不安の多い生き物だと思います。その不安を感じるのが生存本能の一部だとすると必要なことなのですが、生存を脅かさないことにまで不安を感じると体に悪影響を与える。その不安を薬で抑えるわけですが、脳の悪さをしている部分だけに局所的に薬が効けばいいのに、そんなにシャープに効かせることは難しい。その結果、脳の働きを広い範囲にわたって落としてしまう。副作用もある。なので、薬を使わずに余計な不安を感じない方法があれば良いのにといつも思っています。
いいことを思い出させていただきました。この続きはいずれブログで書きたいと思います。

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