北村タカトシ(旧ブログ)

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議会基本条例と制定後の運用状況・兵庫県朝来市、三田市

2014年01月28日 | 視察報告書等
議会運営委員会にて視察に行ってきました。

・兵庫県朝来市
人口3万2千人、財政力0.46、一般会計210億、面積402㎞2、天空の城・竹田城で一躍有名になりました。10万、23万、44万人と観光客数も急増中。目下の課題は城跡の保全だとか。

月2回のペースで議会基本条例を議論。議会基本条例制定されました。同時に自治基本条例も制定し、役割分担を明確にするとともに議会の存在感を打ち出す狙いもあったようです。
その後、議会による議案修正31回と多め。当局が固める前から議論するので多くなるとか。
ケーブルテレビは市が運営、月1500円(インターネットは2000円)加入率90%だとか。

議会傍聴者の増加を狙って広報を強化、傍聴席には議員に配られるものと同じ議案書を用意しています。委員会も公開していますが、新聞記者ぐらいしか来ないとのこと。
また、議会で参考人制度が活用されています。当初は招聘に抵抗があったとのこと。国会の参考人とイメージが被っていたからだとか。現在では市に意見を述べる、という機会として認知されてきたようです。また、文書で市長に質問ができます。国会でいう質問主意書ですね。

議会報告会についてはかなり熱を入れていたようです。12会場を回られます(大村8会場)担当議員自らパワーポイントを作成し、開催前に原稿読み合わせ、入念なリハーサルをやれていました。しかし大村市と同じく参加者は減少傾向。
力を入れすぎた面もあり、現在精査している所だとか。大村と違って地区別のテーマは設けず全会場同じ内容。ただし、毎日構成議員が変わっています。

議会報告会と別に一般会議を開催されています。
会議ごとにテーマを決めて、行政、議員、テーマに関連のある市民委員と討議を開催。今まで5回開催されたそうです。ただし、陳情請願の為の会議ではないので、あくまでも結論は出さないということでした。

反問権については当初から設定されていません。基本的に当局には反問権がある、という考えかたとのことで、議会では一問一答の中で日常的に行使されているとか。
しかし政策的な反問は議会の混乱を招くのではないかということで設定していないということです。当局の体制と一議員の専門性や、知識の格差でかみ合った討論にならない、というのが理由。インターネット放送については、これからだそうです。

昭和30年に建設されたという庁舎はボロボロでした(失礼)地震が来たら最初に倒壊するのは大村と同じです。ですが合併特例債(70%は還ってくる)を使って建て替えが決定されているとか。新しい庁舎になればITを活用した発信も行っていくそうです。

告示日には上程議案の説明会が開催されるそう。会派別に質疑も行うとのこと。より深い議論ができそうですね。

主たる説明を頂いたのは事務局15年選手の女性職員。立て板に水の説明で質疑でも間髪入れずに答弁される能力の高さ。恐れ入りました。

翌朝はジョギング。霜が降り氷が張る清冽な空気の中で、朝もやに浮かぶ竹田城を遠目に眺めました。倍増する観光客にお金を落としてもらう方策を確立するのが急務のようですね。


・兵庫県三田市
人口11万3千人、210㎞2、財政力0.83、一般会計332億
庁舎はこちらも昭和35年と相当な年季もの。しかし隣に新庁舎が建設中でした。

こちらも自治基本条例とともに制定されました。
議会報告会は昨年初めて開催されたそうですが、出席者数の少なさが課題だとか。報告会は3会場(大村8会場)と少なめです。定点カメラでユーストリーム中継されたそうです。

反問権の設定はありますが、行使されたことはないとこと。
本議会の質疑は完全通告制。委員会付託にされる議案についても事前に通告しなければなりません。定例会の日程は委員会が一般質問より先なんですね。大村と逆になります。
委員会は公開、熱心な市民の傍聴がたまにあるそうです。

議会からの政策的な条例提案はまだ実績がないようです。議会生中継は7か所の市民センターで放映されます(ラジオやケーブルテレビは無し)インターネットによる録画配信は次の定例会まで3か月。その後は削除されます。

議会ツイッターがあります。かなり日程の案内等フォーマルなツイートばかりですが大村市議会はSNS活用に至っていません。

女性議員はなんと6名(大村1名)、歴代議長(任期1年)も2名いらっしゃるそうで、女性が元気なまち?なんですね。素晴らしいです。

所変われば品変わる。議会の運営も自治体それぞれです。
色々と勉強になった視察でした。

公式報告は他の議員が担当します。


写真は朝来市和田山駅にある車両倉庫跡、100年前にできたとか。

地方議員セミナー「子ども子育て支援新制度」・奈良県立図書情報館

2014年01月23日 | 視察報告書等
表題のセミナーおよび奈良県立図書情報館の視察に行ってきました。
以下はセミナー報告書、図書館は他の議員が担当しています。


講義Ⅰでは新制度導入までの経過について実方伸子(保育研究所)からの説明があった。民主党案の総合こども園法を自公共が取り下げ・修正により認定こども園法として改正された。
しかし複雑な現行制度に加えてさらに複雑な制度になってしまった。実際の運用についてはまだ議論が進行中で全体像がつかめていない状況である。
現在でも満足でない(という見解)基準がさらに緩和されたことにより、待機児童を解消したヨコハマ方式などが成功例として取り上げられているが、高架下に設置されたり、川崎市では産廃施設の隣に設置された例があげられた。
この改正の狙いは国の予算削減の為の給付コントロールが透けて見える、という見解である。しかし国はガイドラインを示し、実施主体は市町村となり、条例で定めるところとなる。ここでチェック機関としての議会の存在意義が見いだせるとの見解であった。
しかし国からの予算がコントロールされれば、自治体間によってサービスの格差は広がるだろうとされた。

講義Ⅱでは、村山祐一(保育研究所所長・元帝京大学教授)より子ども・子育て支援関連3法の概要および新制度の全体像についての講演がなされた。
講義Ⅰの内容をより詳細に説明があり、規制の緩和による悪影響についての懸念が示された。園への補助金から親への給付という形に改正されるので使途制限が緩やかになり、サービスの質が確保できなくなるのではないかという見解や、OECDのデータを参照し、保育費の負担の高さ(保育予算の少なさ)が示された。

講義Ⅲでは大井琢(日本弁護士連合会・貧困問題対策本部委員)より新制度における保育の利用(保育所入所)手続きについての講演がなされた。
改正のひずみにより保育の利用手続きに生じる可能性がある問題点についての見解が示された。二段構えの手続きになることにより、保育へのアクセスが阻害、自治体職員の事務量の増大、保育の差別化が生じるであろうとの見解であった。また営利企業の参入は良質な保育を実施するに当たり矛盾がある、とされ否定的な見解であった。しかしその根拠とする民間企業についての氏の見解は偏重も感じられた。

講義Ⅳでは杉山隆一(佛教大学)より市町村・地方議会の課題、子ども子育て会議と事業計画について講演がなされた。市町村が定める条例についての基準について詳細な説明があった。設置基準や保護者負担、保育士資格等、現行基準より引き下げさせないようにするために議会の役割があるとした見解であった。議会より意見書を決議し内閣府に送付することも一つの手段である旨の提案がなされた。まだ保育士の人材確保が難しくなるという懸念が示され、雇用形態についても非正規率を引き下げることが重要だという見解が示された。

所見:新制度については、様々課題や問題の発生が懸念されるが、2015年施行が決まっており、その運用や制度の詳細について議論が進んでいる。現段階では全体像が明確になっているとは言い切れない。ただ今後も自治体の役割と裁量が益々大きくなることは疑いのないところであり、自治体間のサービス格差は財政力により生じる可能性が高い。議会の役割としては良質な保育サービス提供を実現させる為に監視や議論により力を入れるべきであろう。また、講義で示されたような参入企業悪玉論に流されるべきではないと考える。設置基準と監視をしっかり行うことを前提とし、民間活力を取り入れることが必要なのではないだろうか。
財源論には不安を払しょくできない。給付制度に移行することによって保育予算を国が絞り込む方向でコントロールされるという見解には概ね同意できる。私も介護事業者の一人であり体感しているところであるが、介護は既に給付制度に制度に移行しており、事業の厳しさを実感している。介護から保育までを含めた社会保障費の削減は債務超過と揶揄される我が国の命題でもあるが、その様な中でも知恵を力を出し合って制度を維持しなければならない。そこには民間活力の導入も重要な手段の一つであろうし、自治体の予算や事業のチェックを行う議会の役割も益々重要になると感じた。
また、財政状況を好転させる手段の一つとしてhあい経済成長を実現しなければならないと再認識させられた講義であった。

文責:北村貴寿


奈良の図書”情報”館は「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー」にも輝くだけあって素晴らしい図書館でした。
雑誌”ソトコト”の図書館特集にも紹介されていました。

また図書”情報”館だけあって、IT関係の設備が充実しています。撮影スタジオなんかもあって、地元議員が撮影に使ったりしているとか。バックヤードの100万冊収納可能な自動書庫はド迫力、凄いスピードで動くコンテナにビックリ。

そして、企画やイベントの多さに驚きました。話を伺うと館長さんの手腕によるところが大きいとか。
市と県との連携については「ゆるやかな役割分担」を意識されており、それはビジネス支援にも見てとれます。
歩き始めた起業家たちへ知の拠点としての支援を重視。交流やリファレンスに主眼を置いた支援を展開されています。

新図書館整備についての議論が進む大村市。
私も大いに刺激を受けた視察となりました。