北村タカトシ(旧ブログ)

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10月の本ネタ

2013年10月31日 | 本や音楽、講演などなど


新訳 君主論
ニッコロ マキアヴェリ

マキアヴェリといえばそら恐ろしいイメージがある方も多いのでは。
目的を達成するためには手段を選ばないという方をマキャヴェリストと呼んだりします。

文体は散文調というものでしょうか。加えて15世紀のローマやイタリアの政情にはまったく知識がないもので、なかなか頭に入らず途中何度も読み返してしまいました。
巻末の解説を先に読んだほうが良いかもしれませんね。

所々に出てくるリーダー(というか戦乱の世の権力者)に投げかける非情な言葉には、なんとなく納得できるものもあります。
ただしかなり苛烈な思想です。いわゆる「道徳」といったものとは真逆です。

戦乱の世に独学で紡ぎあげられた思想書。当初はセンセーショナルすぎで非難を浴び、ローマ教皇庁から禁書目録に入れられる。再評価されたのは19世紀になってから。

私も政治家では一年生ですが、経営者としては10年選手。
「非情さ」は時に必要だと思ったりします。

ただし現代の中小企業経営にはあまり参考にならないかと。
選挙という戦をやる政治家向きではあるかもしれません。




企業の未来をデザインする
(公社)日本青年会議所

2012日本JC企業の未来デザイン委員会が出版した一冊。

「人財」を経営にどう生かすか。

ワークライフバランス構築に積極的な企業を例に挙げ、女性や障がい者雇用を勧めながらいかに社会に貢献していくべきかが記されています。

私も経営者として納得できるところも多かった。
介護・医療関係ですから女性中心の職場ですからいろんなヒントも。
その為にはもっと頑張らなきゃなあ・・・と思います。

兎も角これぞ日本企業、徳は事業の基である。君主論とは正反対ですね。
ブロック会長時代にお支えさせていただいた殿の会社も載っていました。

あー井川さんにサインもらっとけば良かった・・・




イノベーション・オブ・ライフ
ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

クレイトン・M・クリステンセン

タイトルからは小難しい印象を受けますが、内容は至って分かりやすい。
いわゆるエリートを世に送り出すハーバードビジネススクール。
その看板教授が卒業生たちに贈る最後の講義をまとめた一冊。

最高の人生を生き抜くための理論、というか人生哲学が記されています。
日本とアメリカ、国は違えど同じような価値感があるものです。

子を授かったら読み直して見たいと思う良書。オススメです。




明治憲法の真実

伊藤哲夫

「教育勅語の真実」シリーズ第2弾

明治憲法の制定の背景からプロセスまでが非常にわかりやすくまとめてあります。
教育勅語に比べる、と当時の政治的駆け引きに言及されていて興味深い。
福沢や大隈のスタンスの変化なども面白いです。

「明治憲法は欠陥憲法」「専制政治を肯定する憲法」だという主張を耳にすることも多いかと。

だから日本は戦争に突入した。
敗戦し新しい憲法(現行憲法)で平和が維持できている。
なので憲法改正すると右翼国家になって戦争を引き起こす。

とまあ、だいたいこんなロジック。

では明治憲法はどんな憲法でどこが欠陥なのですか?という問いに答えられる方は少なかろうと思います。
実際に欠陥はあります。軍のシビリアンコントロールが担保されていない。

しかしそれは徳義の政治におもねるあまり生まれたひずみとも言えます。

欧米列強の外圧により徳川300年の幕藩政治から大政奉還となった維新後、屈辱的ともいえる不平等条約を是正するため、急速に洋化し憲法制定、国会開設を迫られていた当時に制定された憲法です。
それに欠点がないと考える事にそもそも無理がある。

ただ軍閥内閣を成立せしめた「欠陥」についての言及は殆どありませんので物足りなさも。
明治憲法の入門書としてはお勧めかと。

日本とはどのような国体なのか考えるならば「ウシハク」「シラス」の違いぐらいは抑えていたほうが良いでしょうね。

GL育成塾卒塾式と日本JC卒業式

2013年10月09日 | 所属団体・地域活動など


全国大会行ってきました。

初日は最後の?京都文化を堪能。
翌日は薬師寺でGL育成塾卒塾式。

なんと櫻井塾頭が体調不良。最後にご挨拶ができず残念でした。

卒塾講義は我が敬愛する田久保先生。
聖徳太子の時代から元寇、ペリー、日露、大東亜戦争と日本が国家間の緊張を経て成長してきたという内容の講義。贐の言葉は塾生三原則というべきもの。

「良書を読む習慣」「人と人の繋がり」「志高く」

そしてなんと最優秀塾生賞を賜る。

90分40コマの講義を長崎から。正直大変でした。
しかし入塾は私のJCライフ集大成というべきもの。
旅は恥のかき捨てとばかり声を張り上げ、時には的外れな質疑も。
もうすこし考えて言えば良かったダメだし。
ブロックやLOMも講義の為に失礼する事が多かった。
傍若無人に益々磨きがかかる私を温かい目で見守って頂いた皆さんのお蔭。
この誇りを忘れることなく、更に精進いたします。

第三期の開塾は確定しています。
今期塾生100名の内、卒塾できたのは42名という厳しさ。
費用もそれなりにかかりますし(すべて私費です。誤解なきよう)決して易いと言える塾ではありませんが、向学の志を満たすことを保証。我こそは、いざ。

そして日本JC卒業式。世界遺産・東大寺を貸し切っての卒業式は本当に感動的でした。

奈良JCが主管エントリーして、幾度となく落選。
その間、不条理な決定もあったように感じます。
しかし腐ることなく、負けても負けても這い上がってきた奈良JC。
その「ど根性」に相応しい私のJCライフの中でも最高の大会でした。
ただしエンタメ除く(失礼、個人の感覚です・・・)

全国の同志5,182名が卒業。卒業生スピーチでは入会当時から17年の思い出が走馬灯のように駆け巡り思わず涙。

懇親会では伊丹JCさんにおんぶにだっこ。
古い友人の顔が見れたので共に卒業できる嬉しさもひとしお。
毎年の事で恐縮です。ありがとうございました。

翌日は奈良を散策、東山魁夷に心が安らぐ。まほろばバザールにも参加者多し。70%の降水確率にもかかわらず一滴も降らなかった。奈良JCの思いが通じたんだろうな。
長崎に帰り着いてからも締めまで設営いただき感謝、感謝です。


私にとって日本JCとは何だったか。
それは「新しい扉」だったと言えます。

最初にそれに触れたのは2005年、理事長を拝命した年です。
それまでもブロック出向などはしていましたが、長崎県内の活動どまり。

理事長として総会の議決を行使したり、会頭選挙も開催されましたから投票も。
LOMの代表として出ている、という意識を持ちました。

それまで「日本JC何するものぞ」なんていうアレルギー意識もあったのですが、ローカルだけではなく、国全体に視点を置き、JC運動を展開することの意義や素晴らしさに触れた年でもありました。

その思いをさらに強くしたのが2008年ブロック会長を拝命した年。

「LOMと日本は両輪」全国津々浦々の同志たちがまちづくりの為に汗をかく
その輝きを共有し、国づくりを推し進める。その目線の先にあるのは我々の綱領「明るい豊かな社会を築き上げる」ほかならない。

特に私が力を入れたのはマニフェスト型公開討論会運動。
2003年に始まったこの運動、今では開催するのが当たり前。全国での標準装備となりました。
黎明期の開催にはかなり苦労しましたが、今ではメンバーがコーディネートを務めるまでになった。
静かに、そして着実に国づくりが成しえた好例です。

色々な運動を見てきましたが、センセーショナルなものは長続きせず、徐々に綻びも目につくようになることが多いように感じています。

私がお支えした会頭は強いトップダウンではなく、意識の共有に腐心されていたように感じます。
地域それぞれの多様な運動が展開されている中にも連携した運動が織り交ざり百花繚乱。
長崎ブロックの事業や大会もバラエティに富んでいました。
全国の同志たちと肩を組みつつ東奔西走した一年。
大変だった、でも楽しかった。忘れえぬ思い出です。

地域の運動は日本の運動と両輪。
しっかりと向き合い歩調を合わせてこそ前進できる。
これも青年会議所の強みの一つ。
まちづくりは国づくりなんだなあ、と実感した一年でありました。

その後は九州地区の運動や日本JCに微力ながら携わる。

私の意識を大村から全国へ開いてくれた新しい扉
それが私の日本JCだったような気がしています。

残り2か月ばかりのJCライフでLOMも卒業。
LOMでやり残したことはありません。

しかし伝えきれなかった事はあると思います。
それを伝える事が最後のミッション。


もうちょっと頑張ります。

卒業します。

2013年10月04日 | 本や音楽、講演などなど
23歳で青年会議所のご縁を頂き40歳、とうとう卒業の年。
昨年暮れあたりから最終年度をどう過ごすべきが考えていました。

私の学び舎だったJC。

最後に相応しい学びの年にしたいという思いがあり、気になっていたのが昨年スタートした櫻井よしこ塾頭のグローバルリーダー育成塾。

東京での学びが中心になるが内容もかなり充実しているという話を聞き、最初は運営スタッフとして出向しようかなと考えていました。
地区フォーラムでお会いした担当委員長より折角だから塾生として応募してみてはとお誘いを頂く。

応募には論文を提出。
昨年全国200名だった定員が100名に縮小。

合格できるのか不安でしたがありがたくも入塾を許される。
昨年よりカリキュラムも増えているとのことで、長崎からは正直大変でした。

しかしこれまでで最高の学びの機会でもありました。
横浜サマコンではパネリストとして塾頭らと同じステージに立たせていただいたのも忘れえぬ思い出です。


今日から奈良にて全国大会。

全国の同志たちとともに卒業する大会であり、GL育成塾の最後のカリキュラム、卒塾式でもあります。


塾頭の最後の講義が楽しみです。



以下はマイチョイス課題本。
まつりや議会で時間が取れず3冊のみ。




13歳からの道徳教科書
道徳教育をすすめる有識者の会・編 (著)


櫻井塾頭ご推薦の本

13歳からの、という事なので内容は中学生に合わせたレベル。
「いなむらの火」「佐久間艦長」「エルトゥールル号」などおなじみ?のエピソードからビートたけしの話まで楽しく読めました。

江戸しぐさ「三脱のおしえ」や天皇祭祀のくだり等、新しい見識も得る。
締めのこの本に込められた思いの項には思考停止している道徳教育の現況など。勉強になります。

この会は「こころのノート」への採用が目指すところなんでしょうか。
先日の伊勢で三重県知事(なんと現役JC)の話では「三重県版こころのノート」を作成されているようです。道徳教育に合わせて三重の歴史や風土をしっかり学んでほしい、と言われていました。

私はまだ子がおらず、教育については素人ですしリアリティがありません。
議会での皮膚感覚ですが、大村市では英語教育が推進されています。
私は英語を学ぶ前に、美しい日本語をしっかり学ぶべきではないかな・・・と思ったりしますが。

曽野綾子氏が「真の国際人とは自国の文化や歴史、言語や風土をしっかり他国の方に伝えることができる人」だと語られていたことを思い出しました。




連合艦隊の最後  伊藤 正徳

勝手に敬愛する田久保先生曰く
「このような美文を書きたいと目標にしてきた」
と言われた名著。著者は記者であり田久保先生の師でもあります。

敗戦後に記されたため、数値的な精緻さには疑念もあるかと思われる。
しかし日露戦争以降、大東亜戦争まで我が国の誇りであった聯合艦隊。
その戦史、そこに携わった武人の生き様には心を揺り動かされます。
大村藩出身の長岡半太郎の名が出ており驚きましたが、さもありなん。
レーダーの開発と原子爆弾が大東亜戦争に大きな影響を及ぼしたのは間違いない。

当時世界第三位、部分的には世界一だった帝国海軍。
それを作り上げたのも国民であり、滅ぼしたのも国民である。潔きリーダーシップと論理的な思考を持ち合わせていないリーダーを祭り上げたのも有権者、そして翼賛マスメディア。

政治は有権者の鏡、会社は社長の鏡、社会はリーダーの鏡、すべての原因、我にあり。





指導者とは
リチャード ニクソン

勝手にアニキ!と慕う遠藤教授が講義中に「教科書として使っている」と推薦された本。
既に絶版ですが古本が手軽に手に入ります。
拓殖大政治学の教科書だけあって、厚さも重量級。

イギリスのチャーチル、フランスのドゴール・・・副大統領時代のニクソンは外交も兼ねて世界の主だったリーダーを訪ね歩きました。
それらの国の情勢や政変、歴史などを紐解きながら国家建設を成したリーダー像がまとめてあります。
ソ連との緊張の中で描かれたフルシチョフのくだりは抜群に面白いです。

素晴らしいリーダー像ばかりではなく、反面教師とすべきリーダーについても辛辣に書いてあります。政界を引退してから発表されたので国際問題にはならなかったのかな?

ウォーターゲート事件でイメージの悪いニクソンですが、評論家やマスコミに抹殺された感は否めず。彼のリーダー論にはその恨みつらみも読み取れます。

田久保先生は手放しで賛辞されますし、ベトナム戦争の収拾と中国との友好回復を果たした素晴らしい功績は誰も否定できないでしょうね。


終章「指導者の資格について」に記されている内容はすべて得心。

巻頭には「未来のリーダーに捧げる」と記された大著です。