天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第百十一号 新編寺門天台宗学読本(1) ―第一編 ―

2013年07月15日 21時02分04秒 | 新編寺門天台宗学読本

第一章 序 章

仏教は如来の開設に基く

 さて流れを尋ね宗源(しうげん)を求めて一家法門の由来を眺めよう。そもそも仏教は大聖釈迦牟尼如来(たいせいしやかむにによらい)の自ら悟り得給うた真理であつて、その教旨は転迷開悟(てんめいかいご)即ち成仏の最高究境(さいこうきうけう)に達するを目的とする。如来の教化は菩提樹下(ぼだいじゆげ)に成道せられてから、沙羅双林(さらそうりん)の間に涅槃を示し給ふ迄、一代五十年、機に応じ法を説き病に随つて法薬(ほうやく)を与へ、あらゆる人々を教化誘導せんが為に、諸方(しよほう)に遊歴して説き給ふ。