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徳島市在住の鷹同人、松尾初夏から宅急便が来た。ああ、酸橘(すだち)かと思いそうであった。
手紙に「いつもお世話になっています」とある。うん、いつも世話している。というか厳しく叱咤している。その叱咤が嫌でないというのが酸橘である。にんまりした。
「ひこばえネット」のメンバーである。年は同じだがいつも妹のように思う。彼女の行ってはいけない方向や手を出してはならぬ物はよく見える。それについては歯に衣をきせずずばずば指摘する。張手みたいなものだ。ほかの面々にも同様である。
初夏と付き合ってはじめて酸橘(すだち)を知った。柑橘系にこの果実があることを長野県育ちは知らなかった。長野県では温州みかんが有名でほかの柑橘系に疎い。小さな緑の玉を「すだち」といい漢字にすれば「酸橘」であると知ったことは、大げさに言えば月面を歩く感じであった。
いまでも厳かな気がする。
酸橘が来るたびに瀬戸内海を思い、渦潮を想像する。
それを俯瞰しながらこれを収穫している光景も見える。海を行く船も見える。
渦潮を見下ろして摘む酸橘かな
翠嵐に気触れそうなり酸橘摘む
果実も葉も緑が濃い。緑の申し子が酸橘である。
抗酸化作用があり老化に対抗する成分を有するという。むかしは絞って秋刀魚にかけるしか用途がないと思っていたが、今は齧って咀嚼する。
太陽に気を吐く酸橘齧りては
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