いよいよ連休ですね.
うちは5/4以外は必ず誰かがいますので、連休に出かけない人も安心して受診してくださいね.
さて、豚インフルエンザのニュースもあり、連休中にでかける人はちょっと心配なのでは?
今回は飛行機での感染について、医療系メーリングリストで情報があったのでおすそわけしておきます.
****************
航空機内に供給される空気は飛行中のエンジン付近から機内換気用の空気を取り込みます.
1.機内に取り込む空気
飛行している12000フィート付近の温度は-40~-55度,気圧も0.25気圧と低いため,取り入れた空気を圧縮し,温度管理などの調整を行ってから機内に送り込まれます.
2.機内での空気の流れ
機内での空気の流れは,天井の吹き出し口から窓下にある空気の取り入れ口へと流れるように設計されています(機種にもよりますが).
その空気の流れも前後に広がって広範囲に混ざることは少なく,進行方向に向かって横方向の対流を作る事で,
輪切りにした胴体での「上からの空気の供給」と「下からの排気」が行われていきます.
もっとも通路を歩いたりして空気の流れに乱れが出来ますので,完全に同じ区画ではないかもしれません,
3.機内に供給される空気の入れ替え
機内の空気も1時間あたり20~30回入れ替わっています.2~3分で入れ替わる計算になります.
その際も全てが新しい空気が供給されるわけではなく,機内から集められた空気を再利用し,新しく取り入れた空気と混合し,機内に再び供給されます.その割合は新しい空気が5-~60%となっています.
4.再換気に使用する空気
機内から集めた空気をそのまま再利用していては,機内の感染飛沫をそのまま再び拡散させてしまいます.
そこで,再換気する空気はHEPA Filter(High Efficiency Particulate Air
Filter)<http://ja.wikipedia.org/wiki/HEPA>という非常に高性能なフィルターを通過させます.
このフィルターは粒子径が0.3μmの粒子を99.97%まで捕獲します.
性能としては病院のクリーンルームレベルとの事です.
インフルエンザウイルスは直径0.1μmですので,ウイルス自体の大きさで比較すると通り抜けてしまいそうですが,唾液などでの飛沫では5μmとの事なので,恐らく補足されると思います.
ちなみにN95マスクでは0.3μm以上の捕集効率は95%以上との事でした.
*外気内には細菌やウイルスは含まれていないので,新しい空気の割合が多いほどきれいな空気になります.
ですから飛行開始直後よりも着陸頃の方が機内の細菌量は減ってくるそうです.
航空機内のような密室では空気感染の可能性が高い印象がありますが,換気システムが正常に作動し,空気の流れが想定した状態になっていれば,よほど席が近くない限り感染することはないと思われます.
ただ,感染疑いの方の最低前後5席の乗客には感染している可能性があるのでその方々は注意が必要です.
また,換気システムが停止していれば感染が広がる可能性が高くなります.
ーーーーーー
修正があれば随時行っていきます. (*^0^*)v ピース!
うちは5/4以外は必ず誰かがいますので、連休に出かけない人も安心して受診してくださいね.
さて、豚インフルエンザのニュースもあり、連休中にでかける人はちょっと心配なのでは?
今回は飛行機での感染について、医療系メーリングリストで情報があったのでおすそわけしておきます.
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航空機内に供給される空気は飛行中のエンジン付近から機内換気用の空気を取り込みます.
1.機内に取り込む空気
飛行している12000フィート付近の温度は-40~-55度,気圧も0.25気圧と低いため,取り入れた空気を圧縮し,温度管理などの調整を行ってから機内に送り込まれます.
2.機内での空気の流れ
機内での空気の流れは,天井の吹き出し口から窓下にある空気の取り入れ口へと流れるように設計されています(機種にもよりますが).
その空気の流れも前後に広がって広範囲に混ざることは少なく,進行方向に向かって横方向の対流を作る事で,
輪切りにした胴体での「上からの空気の供給」と「下からの排気」が行われていきます.
もっとも通路を歩いたりして空気の流れに乱れが出来ますので,完全に同じ区画ではないかもしれません,
3.機内に供給される空気の入れ替え
機内の空気も1時間あたり20~30回入れ替わっています.2~3分で入れ替わる計算になります.
その際も全てが新しい空気が供給されるわけではなく,機内から集められた空気を再利用し,新しく取り入れた空気と混合し,機内に再び供給されます.その割合は新しい空気が5-~60%となっています.
4.再換気に使用する空気
機内から集めた空気をそのまま再利用していては,機内の感染飛沫をそのまま再び拡散させてしまいます.
そこで,再換気する空気はHEPA Filter(High Efficiency Particulate Air
Filter)<http://ja.wikipedia.org/wiki/HEPA>という非常に高性能なフィルターを通過させます.
このフィルターは粒子径が0.3μmの粒子を99.97%まで捕獲します.
性能としては病院のクリーンルームレベルとの事です.
インフルエンザウイルスは直径0.1μmですので,ウイルス自体の大きさで比較すると通り抜けてしまいそうですが,唾液などでの飛沫では5μmとの事なので,恐らく補足されると思います.
ちなみにN95マスクでは0.3μm以上の捕集効率は95%以上との事でした.
*外気内には細菌やウイルスは含まれていないので,新しい空気の割合が多いほどきれいな空気になります.
ですから飛行開始直後よりも着陸頃の方が機内の細菌量は減ってくるそうです.
航空機内のような密室では空気感染の可能性が高い印象がありますが,換気システムが正常に作動し,空気の流れが想定した状態になっていれば,よほど席が近くない限り感染することはないと思われます.
ただ,感染疑いの方の最低前後5席の乗客には感染している可能性があるのでその方々は注意が必要です.
また,換気システムが停止していれば感染が広がる可能性が高くなります.
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修正があれば随時行っていきます. (*^0^*)v ピース!
おはようございます。
この飛行機内の空気の話は、数ヶ月前の某航空会社カードの雑誌の中で機長さんのエッセイで簡単に書かれていた記憶があります。飛行機ってすごいんだなぁと思いました。
杉原先生がまた詳しく紹介してくださったので、フィードバックになりました。
ところで、先生に昨年12月にインフルエンザ注射をしていただいたのですが、このインフルエンザ予防はいつごろまで持続するものなのでしょうか?(別に今回のインフルエンザAにきくかどうかということではなく)お時間のあるときにでも教えていただけたら幸いです。
2回接種した成績によりますと、接種1-2週間後に抗体が上昇し始め、2回目の接種1ヶ月後にはピークに達し、3-4ヶ月後には徐々に低下傾向を示します.したがって、ワクチンの予防効果が期待できるのは接種後2週から5ヶ月程度と考えられています.
(2009予防接種に関するQ&A集 p.87より 社団法人 細菌製剤協会)
流行期は通常12月から翌年3月頃ですので、これに備えて私は
10月に1回、11月に1回の2回
あるいはせめて11月中に2回
の接種をお薦めしています.
そうでなくても11月-12月は下痢が流行ったりしてワクチンを打ちそびれることが少なくありませんので.
ご回答ありがとうございます。いつも、年末にようやく受けるというインフルエンザ注射ですが、今年は早めに10月から申し込むよう計画を立てようと思いました。特に、子供も幼稚園に通いだしたので、先手必勝でゆけたらよいなぁと思います。
5月5日は診察ありがとうございました。連休の時もクリニックが開いているので、とても気持ちが楽でした。先生の大ファンである息子も大喜びでした。「大きくなったら杉原先生みたいになりたい」と言っていました(^^)