月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(50) 零戦の派生型『二式水上戦闘機』

2014-07-19 12:39:19 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(50) 零戦の派生型『二式水上戦闘機』   

中国戦線で偵察機に機銃を搭載し空戦の末に思わぬ戦果を上げた、中島飛行機の九五式水上偵察機の働きに注目した海軍は、今後の南方での作戦を睨み、水上機でありながら戦闘機としての性能も持つ、新たな水上戦闘機の製造・配備を決定した。

昭和15年(1939)に川西航空機に試作機『一五試水戦』を発注する一方で、零戦一一型を改造し『二式水上戦闘機』として、手早く配備することになった。

ちなみに『一五試水戦』は、零戦に採用されなかった三菱 火星一三型 (空冷星型14気筒 1460HP)エンジンを搭載し、のちの『強風』になった。
さらに『強風』を局地戦闘機として改造設計した機体が『紫電』、『紫電改』に発展したのであります。

さて、『二式水上戦闘機』(二式水戦)の改造設計・製造は中島飛行機に任された。
水上機なので電気系統の防水処理を強化し、垂直尾翼、方向舵に改造を加え、胴体下には主フロート、左右の翼には補助フロートを装備した。

水上機でありながら戦闘機としても運用するため、兵装は零戦と同じ機種に7.7mm機銃を2挺、両翼にそれぞれ20mm機銃を装備し、エンジンも零戦一一型、二一型と同じ、栄12型空冷複列星型14気筒エンジン(950HP)だが、自重は1,900キロに増加したため、最大速度は437キロと100キロも低下した。

連合艦隊が真珠湾を攻撃した日、昭和16年12月8日に初飛行し、終戦までに327機が製造された。

こんなん『下駄履き』で空戦ができるのか?
と思いきや、昭和17年(1942)6月3日から始まったミッドウェー作戦の際の大規模な陽動作戦、北方アリューシャン方面での作戦で占領した、キスカ島、アッツ島を基地に特設水上機空母で増強され、連日のように反攻してくるアメリカ陸軍の爆撃機や戦闘機、双胴の悪魔P38ライトニングなどと邀撃戦を展開した。

ガダルカナル攻防戦では、滑走路を必要としない水戦部隊がいち早く進出。
水戦としては高性能を誇った。

しかし、ラバウルにおける攻防戦からマーシャル諸島をめぐる戦いでは、著しく戦闘能力が向上したアメリカ軍の戦闘機に太刀打できず、しかもガダルカナル以来押されっぱなしの日本軍には、主力の陸上機への補給と整備で、水戦を保持するだけの余裕がなくなり、徐々に活躍の場が失われていった。

終戦時にはわずか20機あまりが残されていたが、それも全て破壊され全て失われてしまったのであります。

零式艦上戦闘機(51) 零戦の好敵手P-38ライトニング 2014-07-26 につづく~
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