きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

イタリア・ワイナリー視察(フランチャコルタ編)

2011年12月01日 09時41分13秒 | Weblog

イタリアのフランチャコルタはスパークリングワインの銘醸地で、フランスのシャンパーニュと同様に伝統的なびん内二次醗酵方式ですが、実際、収量規制や熟成時間などはシャンパンと同様かそれ以上の厳格な基準があり、メトド・フランチャコルタとも呼ばれます。日本での知名度はまだまだですが、非常に興味深いワインです。SIMEI展示会のついでに足を伸ばしワイナリー見学をしてきました。


まずは「バローネ・ピッツィーニ」社。複数の共同オーナーによって建てられた最新式の非常にきれいな醸造所。
2階にあるディエメの機械で選果、除梗後、そのまま下のプレス機に落とし込む重力式レイアウト。



タンクも非常に整然と並んでいます。このタンク実は7,500Lの2段重ねタンクで、2階部分にもう一つマンホールがついています。醸造コンサルタントに依頼をし、小ロット仕込みとスペースの有効利用を兼ねた設計にしてもらったと言っていましたが、非常に感心させられます。



次は「ベッラヴィスタ」社。同地域のカ・デル・ボスコ社と並ぶ有名ワイナリーで所有畑は190ヘクタールと広大。有名ワイナリーだけに見学も多いのか、日本語カタログも用意していました。



2001年まで使用していたバスケットの浅い水平型トプレス。現在は最新の斜めプレスを採用している模様で、ブドウをほぐす時間が短くなり、ブドウを投入してから絞り終わるまでの時間が、5時間→1時間と大幅に短縮されたと言っていました。


ルミュアージュ(オリを瓶口に集める)作業を見せてもらいましたが、驚異的な早さの作業で、動画をお見せ出来ないのが残念。このフロアーは非常に広く数十万本は有るのではないでしょうか?年間100万本以上の生産を行っていると思いますが、ルミュアージュ作業は全て手作業とのこと。



最後に「フェルゲッティーナ」社。家族経営の非常にフレンドリーなワイナリーの印象。面白いのは底が4角型のオリジナルボトルを採用しているところ。びんを横にした状態でエージングする際に、酵母とワインが効率よく接し、熟成がスムーズに進むとのこと。瓶は底肉が厚く、非常に重い。まるでブランデーのボトルのよう。



旧式のピストンポンプも使用していましたが、メインで使用しているのはラガッツィーニのチューブポンプ。ソフトな送液で品質に差が出るとのこと。前述のバローネ・ピツィーニ社でもチューブポンプをメインに使用していました。



ルミュアージュは自動化されており、エノ・コンセプト社のジャイロパレットを使用。黒いビニールを巻いているのは紫外線などの光から製品を守るためとのこと。右に写っているのは案内をしてくれたラウラさん。



今回フランチャコルタに初めて訪問しましたが、非常に丁寧にスパークリングワインを作っている印象を受けました。各社で試飲も行いましたが、味わいは非常にエレガントでシャンパンに劣らないものでした。設備も新しいところが多く、スパークリングワインが伸びていることを感じました。


東京営業部 今井 孝