三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

朝鮮人を追悼する土地への課税に抗議するつどい 1

2012年10月27日 | 紀州鉱山
 このブログに7月12日に掲載した「朝鮮人追悼碑の土地の課税に抗議するつどいの報告」を、紀州鉱山の真実を明らかにする会『会報』12号に掲載するにあたって、つぎのように加筆しました。
                                         斉藤日出治

■朝鮮人を追悼する土地への課税に抗議するつどい
 조선인 추도비 부지에 대한 과세에 항의한다
   우리는 왜 기슈광산 조선인 「추도 터」의 세금을 지불하지 않는가
 朝鮮人追悼碑の土地の課税に抗議する
   わたしたちは、なぜ、紀州鉱山朝鮮人「追悼の場」の税金を払わないのか

 紀州鉱山の真実を明らかにする会は、7月8日午後1時から津市内の三重県教育文化会館で、朝鮮人追悼碑の土地の課税に抗議するつどいを開きました。開会に先立って、12時から同じ会場で慶尚北道の道会議員を囲む記者会見がおこなわれました。
 はじめに、ドキュメンタリー「紀州鉱山に強制連行された人たち 故郷で」が上映され、続いて「우리 고향 조선으로부터 기슈광산으로(ウリ コヒャン 朝鮮から紀州鉱山へ)」が上演されました。
 この演劇は、キムチョンミさんが作成した物語の概要と基本的な場面設定を示した脚本をもとにして、出演者がそれぞれ、衣装、セリフ、小道具を工夫して演じました。 
 観ている人たちのなかには、泪をうかべている人もいました。石原産業の労務係や紀州鉱山の労務監督や警察署長には非難のヤジがなんども飛び、紀州鉱山に強制連行されて死んだ人、紀州鉱山に強制連行されて逃げた人、紀州鉱山に強制連行されて故郷に戻った人の演技のときには、会場が静まりかえり、激励の声がかけられました。
 キムチョンミさんは、紀州鉱山と四日市工場に強制連行された人から証言をもとに構成した脚本について「わたしたちがお会いした人たちの体験を、ごくわずかだけ、表現したものである」と述べています。
 出演者は、その脚本をもとにして、出演者がそれぞれのセリフを自分で考え、まったくのぶっつけ本番で演劇がおこなわれました。
 朝鮮の江原道の村から3人の男がどこに連れて行かれるのかわからないままに、家族と離れて連行される場面から始まり、紀州鉱山での過酷な労働を強いられ、飢えと病で死に至る人、逃げようとして川でおぼれ死んだ人、逃亡を断念して鉱山に残る人、さまざまな人々の思いと行動が演じられました。最後は、紀州鉱山で亡くなり、石になった人が、その石に結ばれたリボンを解かれて、自分の思いを語り、追悼碑のある場が強制労働によって命を奪われ、故郷と家族を奪われた人の思いを表現する場であることが示されました。
 会場からの掛け声や会場とのやり取りを交えて、参加者全員が演劇に参加し、追悼碑にこめられた歴史の真実を語りだす場になったように思います。
 キムチョンミさんが最後に述べていましたが、演技がうまかったというよりも、紀州鉱山に連行された朝鮮人の運命に対するみんなの深い想像力がこの演技に表現され、みんなの熱意の結晶としてこの演劇を創造できたことが、見る人と演ずる人の一体感を生み出し、感動を引き出したように思います。
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