三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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オタル港をふたたび軍港としないために 2019年

2019年01月11日 | 個人史・地域史・世界史
 1997年8月中旬、アメリカ合州国の空母「インデペンデンス」がオタル港に侵入しようとしていることを知ったわたしたちは、米空母に反対する市民の会を結成し、8月20日から市役所正門を入ってすぐ左側の空地で、座りこみを始めました。アメリカ合州国空母のはじめての日本の民間港への侵入をオタル港の管理者であるオタル市長が拒否することを求めて。
 その小さな場所は、市民が共に、市民が出会い、自由に語り合う広場になりました。
 新谷昌明オタル市長は「インデペンデンス」の入港を承認し、「インデペンデンス」は9月5日から9日までオタル港に侵入しました。

 オタル港にアメリカ合州国の艦船が毎年のように侵入しはじめたのは、1961年からでした。
 ことし(2019年)1月7日夕刻、米空母に反対する市民の会に、オタル市総務課から、
   “1月4日にオタル港長(オタル海上保安部長)からオタル港湾管理者(オタル市長)に、ア
   メリカ合州国の軍艦「アンティータㇺ」が2月1日午前10時から5日午前10時まで、「ブルー
   リッジ」が2月8日午前10時から12日午前10時まで、「親善」を目的にしてオタル港に入港す
   るという通知があった、
    オタル市は、1.入出港及び接岸時の安全性、2.商業港としての港湾機能への影響、3.核
   兵器の搭載の有無について検討し、岸壁を手配するかどうかを総合的に判断する”
という連絡がありました。
 このオタル港長(オタル海上保安部長)からオタル港湾管理者(オタル市長)への「通知」は、“アメリカ合州国軍艦が……「親善」を目的にしてオタル港に入港するという”通告であり極めて傲慢なものでした。昨年までの「通知」は、“アメリカ合州国の軍艦が……「親善」を目的にしてオタル港に停泊するので岸壁の手配を希望する”というものでした。
 さらに、きのう(1月10日)午後、米空母に反対する市民の会に、オタル市総務課から、
   “1月9日に、オタル港長(オタル海上保安部長)からオタル港湾管理者(オタル市長)に、ア
   メリカ合州国の軍艦「チーフ」が2月1日午前10時から5日午前10時まで、オタル港第二埠頭
   10番岸壁に、「親善」を目的にして接岸するという通知があった。
    指定してきた岸壁はオタル海上保安部の巡視艇が暫定的に継続的に使用しているの
   で、10日に、「チーフ」の岸壁手配はできないと回答した”
という連絡がありました。

 きょう(1月11日)午前11時に、米空母に反対する市民の会の会員は、改憲阻止! 労働者・市民行動、ピリカ全国実(札幌圏)のなかまとともに、「アンティータㇺ」と「ブルーリッジ」のオタル入港を許可しないことをオタル市長に要請しにオタル市役所に行きました。
 オタル市からは、迫(はざま)俊哉市長の代わりに、中村哲也総務部次長、津田義久総務部課長、川原達也総務部係長が出席し、産業港湾部港湾室管理課の北出晃也さんと佐藤誠さんが同席しました。
 話し合いのはじめに、中村哲也次長は、「チーフ」の入港を断った経緯を話しました。
 「チーフ」が接岸するという岸壁(バース)を特定してきた理由は、わからないとのことでした。
 「チーフ」の直前の寄港地は函館港だと、「通知」には書かれていたとのことです。
 「チーフ」は佐世保を母港とする掃海艦で、先月は佐世保港から動いていません。「チーフ」が函館を経由してオタルに向かい、その後どうしようとしていたのかは、わかりません。
 
 話し合いのなかで、中村総務部次長は、はじめは知らない、答えられないと言っていましたが、くりかえしわたしたちが問うと、“在日米国海軍司令部の希望を東京の海上保安庁が受けとり、それをオタル海上保安部長に伝えたものだと思う。それ以上のことはわからない”と話しました。
 わたしたちは、「マスティン」のオタル港へ入港希望をオタル市長が拒否することを強く要請し、アメリカ合州国軍艦のオタル港への入港を常習化させないためにオタル市が有効な方法と理論をつくりだす努力を重ねることを求めました。
 話しあいのなかで、中村哲也総務部長は、“たびかさなるアメリカ合州国艦船のオタル寄港は好ましいとは思えない。アメリカ合州国艦船のたびかさなるオタル入港はオタル港の軍港化につながると思う。オタル港はあくまでも商業港である”と、「たびかさなる」というコトバをくりかえしつつ、アメリカ合州国艦船のオタル入港を歓迎しない意志を示しました。
 わたしたちが、“市長も同じに考えているのか”と問い返すと、中村総務部次長は、“そのとおりだ。市長を含めた会議で、この立場を確認している”と答えました。

 6個の論点をめぐる、午前11時から12時半過ぎまでの1時間半あまりの話しあいの最後に、わたしたちは、“アメリカ合州国艦船は、長期にアイヌモシリの海域で軍事偵察を実行している。オタル市は特にアメリカ合州国艦船(艦載ヘリコブターをふくむ)のオタル入港前後の行動の監視・調査を組織的におこなってほしい。市民の安全な生活を脅かし、市民を加害者にするオタル港の軍港化を阻止するさまざまな方法をさらに市民と共に実践していってほしい”と要望しました。

 アメリカ合州国艦船は、毎年のように、オタル港に侵入しており、アメリカ合州国艦船のオタル港使用が常習化され、オタル港の再軍港化がすすめられています(このブログの2011年1月22日の「オタル市長、アメリカ合州国軍艦の入港を許可」、2011年1月26日の「アメリカ合州国軍艦の入港を許可したオタル市長に抗議」、2012年1月16日の「「マスティン」入港反対」、2012年1月17日の「すべての軍艦の入港を拒否する」、2013年1月18日の「アメリカ合州国軍将兵との友好・親善、拒否」、2013年1月28日の「アメリカ合州国海軍艦船のオタル入港容認に抗議」、2015年1月9日の「オタル港をふたたび軍港としないために」、2016年1月14日の「オタル港をふたたび軍港としないために 2016年」、2017年1月12日の「オタル港をふたたび軍港としないために 2017年」、2018年1月19日の「オタル港をふたたび軍港としないために 2018年」をみてください)。

 オタル市長への要請の全文は、つぎのとおりです。

 
                       米空母に反対する市民の会 佐藤正人

■要請■
(一)「親善」のおしつけを拒否してください
 1958年9月~1960年6月に、おおくの民衆の反対・抗議闘争のなかで、日本政府はアメリカ合州国政府と共に「日米安保条約」を「改訂」し、日本とアメリカ合州国との軍事同盟体制を強化しました。
 1960年5月19日にA級戦犯被疑者岸信介を首相とする日本政府が、自民党主流派だけで「日米安保条約」を強行採決し、6月19日に「自然承認」された翌年、1961年から、アメリカ合州国艦船は、毎年のように、オタル港に侵入しています。
 今年も、「入港目的」を「親善」として、アメリカ合州国海軍は、ミサイル巡洋艦「アンティータム」の2月1日から5日までのオタル入港を、続いて2月8日から12日までの揚陸指揮艦「ブルーリッジ」のオタル入港を、オタル港長(オタル海上保安部長)を通してオタル港湾管理者(オタル市長)に、「通知」してきました。
 2011年2月から、アメリカ合州国海軍は、アメリカ合州国軍艦のオタル入港目的を、「通常入港」から「親善及び友好」に変え、さらに2014年7月からは、「友好」をはずして「親善」だけにしています。
 「アンティータム」は、原子炉2基を搭載している空母「ロナルド・レーガン」を中心とする第7艦隊戦闘部隊に所属している第5空母打撃群直属ミサイル巡洋艦です。
 「ブルーリッジ」は、第7艦隊の旗艦で、ベトナム戦争・湾岸戦争などに参戦しています。
 殺人兵器である軍艦の乗組員と市民との「親善」は、軍艦の「通常入港」(軍事活動)を覆い隠すコトバです。軍艦は、観光船でも客船でも貨物船でもありません。軍艦の行動は、すべて軍事活動です。
 わたしたちは、軍艦の乗組員との「親善」を拒否します。
 アメリカ合州国軍艦の民間港への侵入は、軍事的偵察行動であり、日米新軍事同盟体制を維持・強化し、地域政府(地方自治体)や地域民衆を戦争に協力させようとするものです。
 オタル港の管理権をもつ地域政府の長であるオタル市長は、「親善」を掲げて軍艦を侵入させてくるアメリカ合州国政府・軍の策動をはねかえし、「アンティータム」と「ブルーリッジ」の連続的なオタル港の岸壁使用を許可しないでください。
 わたしたちは、オタル港をふたたび軍港としないために、オタル市長に、憲法と港湾法と地域政府の自治をまもろうとする姿勢を堅持し、いっさいの軍艦のオタル入港を許可しないことを要請します。
 軍艦のオタル入港を認めることは、市民の平和と地域自治の願いに反して、軍事行動に地域政府の長が協力することです。
 オタル市長は、いっさいの軍艦にたいしオタル港の岸壁使用を許可しないでください。
 2017年1月12日に、わたしたちは、当時のオタル市長に、アメリカ合州国海軍の軍艦「マッキャンベル」のオタル港への侵入を認めないでもらいたいと要請しました。それにたいし森井秀明オタル市長は、1月24日に、
   「小樽港は商業港でありますので、度重なる米国艦船の入港は、必ずしも好ましいものと
   は考えておりません」
としつつ、
   「小樽港への入港目的につきましては、「親善」以外の目的に疑いを有してはおりません」
と文書で回答しています。こうして森井秀明オタル市長は、「親善」を目的とするアメリカ合州国の艦船を歓迎していないことを曖昧な表現でしたが表明していました。

 歓迎しないのに、「親善」というコトバを掲げてくりかし侵入しようとしてくるアメリカ合州国艦船のオタル港侵入を阻止してください。

(二)「核兵器廃絶平和都市宣言」を尊重してください
 「アンティータム」は、核弾頭搭載可能なトマホーク巡航ミサイルの発射能力を持つイージスミサイル駆逐艦です。
オタル市長は、核兵器搭載の有無の回答を、文書でアメリカ合州国政府機関から入手し、市民に公開して下さい。
 2000年に、日米政府が1960年に核兵器を積んだアメリカ合州国軍艦の日本寄港を事前協議の対象外とするという密約を結んでいたことが明らかにされました。
アメリカ合州国第7艦隊空母「インデペンデンス」、アメリカ合州国第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」、アメリカ合州国第7艦隊空母「キティホーク」などのアメリカ合州国軍艦のオタル港への侵入のさいにくりかえされていた「事前協議がないから、核もちこみはない」という外務省のことばは、いつわりであったことが明らかになっています。
 オタル市長は、地域政府の長として、オタル港がアメリカ合州国海軍の「港の優先使用施設」とされていることを示している外務省文書を日本政府に開示させてください。
 オタル市の1982年6月28日の「核兵器廃絶平和都市宣言」を空文化しないでください。

(三)オタル港を平和目的以外に使用させないでください
 1945年8月以前、オタル港は日本海軍の軍港として使われていました。1950年~53年の朝鮮戦争のときにはアメリカ合州国軍の軍港として利用され、アメリカ合州国極東海軍司令官の文書指令にしたがってオタル港から海上保安庁の掃海艇が参戦しています。
 1997年9月にアメリカ合州国海軍の空母「インデペンデンス」がオタル港に入港しました。これはアメリカ合州国の空母のはじめての日本民間港への入港でした。
 21世紀にはいり、オタル港が軍港化される危機がいちだんと強くなっています。
 2014年12月10日から「特定秘密の保護に関する法律(Specially Designated Secrets Act:SDS Act)」が、2016年3月29日から、「平和」をかかげる戦争法(「平和安全法制整備法」+「国際平和支援法」)が施行され2017年7月11日から「共謀罪法(改正組織犯罪処罰法)」が施行されています。
 昨年(2018年)12月18日、日本政府は新たな「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画(中期防)」を閣議決定しました(予算総額は過去最大の27兆4千700億円)。この大綱と「計画」で、日本政府は日本海上自衛隊に「空母」を保有させようとしています。
 戦争法公布(2015年9月30日)のころから、いちだんと自衛隊の軍事力が増強され、海上自衛隊の艦船の海外出動が激しくなってきています。アメリカ合州国海軍の軍艦との連携体制も強化され、自衛艦の「戦略的寄港」の地域も拡大しています。
 2017年7月には、自衛艦が初めてアメリカ合州国・インド・日本の海上共同訓練に正式参加しています。
 2017年末から海上自衛隊は“P3C”哨戒機と艦船を黄海におくり入れて「監視活動」を行っています。自衛艦は、黄海の軍事境界線まで北上しています。これまで自衛艦がこのような軍事行動をしたことはありませんでした。

 国民国家日本の他地域他国侵略の時代を終らせるために、日本の地域政府が戦争非協力・戦争反対の意思を示すことは、日本政府の戦争協力(参戦)策動を阻止するのに大きな役割を果たします。オタル市長は、地域政府の長として、戦争非協力の意思を明確に示すとともに、日本政府にたいして戦争協力(参戦)策動に反対する意思を具体的に示して下さい。
 オタル市長は、オタル港を平和目的以外に使用させないという意志を、明確に示して下さい。

(四)アメリカ合州国海軍艦船の常習的なオタル港寄港の目的はなにか
 軍艦は観光船ではありません。軍艦の場合には、「親善」という「入港目的」もまた本質的には軍事目的です。
 10年あまり前から、アメリカ合州国海軍の艦船は、サッポロの「雪まつり」やオタルの「雪あかりの路」の開催時期にオタル港に侵入しています。
 しかし、アメリカ合州国海軍の艦船は、それらの「まつり」を観光させるために乗組員たちをオタル港に侵入させているのではありません。
 今回、「ブルーリッジ」は韓国の釜山港から、「アンティータム」は母港の横須賀港から別々の海路を通ってオタル港に侵入してこようとしています。
 アメリカ合州国艦船のオタル港侵入の目的は、地域住民との「親善」、周辺海域の調査、情報収集、給水などの兵站基地としての役割調査などの軍事目的です。
 オタル市長がアメリカ合州国海軍艦船の常習的なオタル港寄港の目的をできる限り的確に正確に分析し、市民に報告することを求めます。

(五)アメリカ軍事産業と日本自衛隊の軍事費
 日本中央政府は、「離島防衛」と称して九州以南の沖縄を含む諸島への「防衛配備」を強化しています。
 それに伴い、軍事費がこれまでに無いほど増大しています。
 中央政府は、今まで侵略兵器として持つ事を禁じていた「航空母艦」を実質的に保持しようとし、かねてから「事実上の軽空母」ではないかと指摘されていたヘリコプター搭載「いずも型護衛艦」を艦船離発着可能なF-35B戦闘機を配備可能にするための大規模な改修をおこない、同型の艦船2隻を「空母」にすることを決定しました。
 また、F-35Bは艦載可能とするため航続距離が短くなるため合わせて空中給油機、ステルス性能補完の早期警戒レーダー機などを運用するための費用は莫大なものになります。
 これは、2018年度で削減目標された社会保障費1300億円をはるかに超えています。
 日本政府は「空母」ではないとしているが、2018年9月27日強襲揚陸艦「エセックス」(いずもと同様艦)がアフガニスタンでの攻撃にF-35Bを搭載し使用しています。
 インド太平洋地域への軍事影響力をアメリカと共に強化しようとする、中央政府の軍事力強化のために地域政府が協力することはあってはなりません。
 また、これまでの米軍艦船のオタル港を含む民間港への入港に伴う係船料などの経費は日本が負担しています。私たちの税金がアメリカ軍の軍事行動に使用されています。
 市民生活の要である社会保障費を削減して軍事費を増大することを許してはなりません。

(六)軍艦の侵入を阻止する方法を、市民と共に立案してください
 毎年アメリカ合州国の軍艦がオタル港に侵入しようとし、侵入している問題について話し合う市民集会を主催してください。
市民とともにアメリカ合州国の軍艦のオタル港への侵入を阻止するために、できることを急いで具体的におこなってください。
 1997年8月にアメリカ合州国の空母「インデペンデンス」がオタル港に侵入しようとした時、米空母に反対する市民の会は結成されました。その後米空母に反対する市民の会は、くりかえし山田勝麿前々オタル市長、中松義治前オタル市長にアメリカ合州国軍艦をオタル港に侵入させないことを要請してきました。しかし、この二人のオタル市長は、アメリカ合州国軍艦のオタル港侵入の常習化を阻止するために、市民と共に語りあい、市民と共に具体的な対策をあみだし、それを実践しようとしてきませんでした。
 2015年4月に新たに就任した森井秀明オタル市長もまた、前々任者・前任者同様、積極的に軍艦のオタル港への侵入を阻止する努力を重ねようとすることなく、就任後、退任するまで4度も連続的にアメリカ合州国軍艦のオタル港侵入を承認しました。

 迫俊哉オタル新市長に、オタルを再び軍港都市にしないために、市民集会を主催し、商業港であるオタル港へ軍艦の侵入を阻止する有効な具体的な方法を、市民と共に立案するように努力することを求めます。


 以上の要請に、10日後の1月21日までに、文書で回答してください。


  2019年1月11日
              米空母に反対する市民の会
              改憲阻止! 労働者・市民行動
              ピリカ全国実(札幌圏)  
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