三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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大阪人権博物館での報告「日本占領下の海南島で」中止問題 5

2009年05月02日 | 大阪人権博物館
 大阪人権博物館への海南島近現代史研究会の4月13日の質問と要請にたいして、4月28日に、つぎのような回答がありました。

■大阪人権博物館の回答
     大人博第24号
     大阪人権博物館
     館長 秋定嘉和

貴研究会の「質問および要請」に対する回答

 謹啓、日頃から当館の運営に関しまして格別の理解と協力をいただき、感謝申し上げます。
 貴研究会より2009年4月13日付けの「質問および要請」を受け取りましたので、回答いたします。
 なお回答するにあたっては、貴研究会に宛てた2009年3月12日付けの「貴研究会の「要請書」に対する回答」を前提とします。

 まず「質問」の1について。まず2007年9月7日の展示企画委員会において2008年度事業計画案が議論され、リバティセミナー「アジア太平洋戦争と差別」の実施を来るべき理事会で提案することが決定されました。その内容は次の通りですが、あくまでも予定なので出演者に了解をとったものではありませんでした。
  ア、日時 2009年1月~3月の土曜日
  イ、会場 研修室
  ウ、趣旨 ①アジア太平洋戦争の歴史的意味を探ります。
        ②アジア太平洋戦争と差別の関係を考えます。
  エ、出演 アジア太平洋戦争と植民地・占領地 キムチョンミ(近現代史研究者)
        アジア太平洋戦争と民族差別 杉原達(大阪大学)
        アジア太平洋戦争と女性差別 藤目ゆき(大阪外国語大学)
        アジア太平洋戦争と障害者差別 生瀬克巳(桃山学院大学)
        アジア太平洋戦争とアイヌ民族差別 小川正人(北海道立アイヌ民族文化研究センター)
        アジア太平洋戦争と部落差別 朝治武(大阪人権博物館)
 しかし大阪府の財政緊急措置により補助金が4ヵ月間に限定されたため、2008年度事業計画案も4ヵ月間しか設定することができず、3月26日の第88回理事会では4月から7月までの2008年度事業計画案についてのみ議論され、この時点ではリバティセミナーについては事務局から提案しませんでした。
 8月から翌年3月までの2008年度事業計画案については7月30日の第91回理事会で議論され、この第91回理事会において次の通り「アジア・太平洋戦争と被差別民衆」と改称したリバティセミナーが承認されました。
  ア、日時 2月の土曜日(全4回)午後2時~5時
  イ、会場 研修室
  ウ、趣旨 今日からアジア・太平洋戦争と差別との関係を振り返り、平和の尊さを学び、人権の大切さを考える。
  エ、内容 ①アジア・太平洋戦争と在阪沖縄人
        ②アジア・太平洋戦争と都市下層社会
        ③アジア・太平洋戦争と朝鮮人
        ④アジア・太平洋戦争と部落民衆
 
 6回から4回になったのは大阪府と大阪市から予算が削減されたためであり、講師については一定の考えはあったものの、明確にすることなく承認を受けたものでした。つまり名称は別としてリバティセミナーは展示企画委員会と理事会で承認をうけたものですが、この時点では海南島については明確な姿勢を打ち出して承認をうけたものではありませんでした。
 そして担当者が10月頃からリバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の企画内容を具体化し始めましたが、このことについては3月12日付けの「貴研究会の「要請書」に対する回答」で述べた通りです。

 「質問」の2について。たしかに貴研究会が指摘するように、厳密にいえば今回のセミナーと2007年度に予定されていた「海南島に関する企画展」とは直接的に関係ないにもかかわらず、大阪市市民局人権室は展示企画委員会と理事会における延期決定に関連づけたといえます。
 当館も企画展は延期になっているものの、リバティセミナーに関しては企画展の延期とは別であると考えて開催の準備をおこないました。
 しかし大阪市市民局人権室からの口頭の説明では海南島を含むリバティセミナーは公開でおこなわれるため、公開をともなう企画展と同じ博物館事業であるとの見解が示されました。それによって「大阪人権博物館運営費補助金変更承認申請書」の手続きでは「不受理」となったということです。
 また3月12日付けの「貴研究会の「要請書」に対する回答」で述べた通り、当館は大阪府と大阪市から多額の運営費補助をうけています。そのため事業に関しては展示企画委員会や理事会で承認されていたとしても、特に大阪市の場合では事業の変更を伴う時は大阪市から承認されないと実施できない仕組みとなっています。このような状況のなかで変更を伴う事業を実施すると、大阪市からの運営費補助が削減もしくはストップする状況をつくり出し、当館の存立基盤を危うくする可能性があります。このような大阪市の対応は、市民の代表として選ばれた市議会の意向を配慮する必要であることと関係しているのではないかと思われます。
 このような大阪市をめぐる状況をふまえれば、大阪市市民局人権室の「不受理」を無視してリバティセミナーを出来なかったわけです。
 ただ当館は大阪市の「不受理」を現実的対応として受け入れて今回のリバティセミナーについて中止・延期を決めたものの、リバティセミナー全体の開催趣旨からして全面的に納得しているわけではありません。
 なおリバティセミナーの中止・延期については館長をはじめとした職員で構成する事務局で決めたことですが、これについては理事長と常務理事に相談して了承をうけたものです。

 「質問」の3ついて。いうまでもなく、当館は「海南島に関する企画展」の開催を追求していく姿勢には変わりありません。ただ当館という場合は事業を推進する事務局という意味であり、館長をはじめ職員で構成された事務局は事業を含めて運営全体に責任をもつ役員会としての理事会のもとにあります。そして展示などの事業に関しては、第三者による審議機関としての展示企画委員会があります。事務局としての当館は「海南島に関する企画展」を開催する立場を明確にしていますが、大阪府や大阪市の関係者も入っている展示企画委員会や理事会では全員が「海南島に関する企画展」を開催するという姿勢ではなく、いまだ延期という決定が生きています。
 展示企画委員会や理事会で延期決定を再考するには、貴研究会と連携・協議したうえで「海南島に関する企画展」についての具体案を議題に上らせる必要があります。できるかぎり早いうちに当館としては具体案を議題に上らせたいと考えていますが、今回のセミナーでさえ中止・延期になった厳しい状況を考えると、時期については明確に示すことができません。
 現在のところ、具体案の作成のために貴研究会と連携・協議して具体案を作成し、それを展示企画委員会と理事会に提案するために個別の委員・理事と大阪府と大阪市の関係者に説明することが重要であると考えています。
 このような取り組みをふまえて、あらためて時期を明確にして延期決定の再考をおこなっていきたいと考えています。
 また「海南島に関する企画展」の延期決定の再考とともに、当館主催のリバティセミナーなど博物館事業や貴研究会との連携した海南島に関係した催しなどの実施も追求していきたいと思います。

 「要請」について。2007年度に予定されていた「海南島に関する企画展」に関する展示企画委員会と理事会における延期決定の全ての資料については、貴研究会に提示します。

 なおリバティセミナーの中止・延期については、本日付けのホームページおよび本日に納品のあった『広報誌リバティ』第43号(2009年4月1日発行)において「リバティセミナー中止・延期についてのお詫び」を公表しました。

 最後になりましたが、あらためてリバティセミナーの講師を依頼していたキムチョンミさんおよび貴研究会に対してお詫び申し上げるとともに、今後とも当館の運営に理解と協力を頂けますようお願い申し上げて、貴研究会の「質問および要請」に対する回答といたします。
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