三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

米軍政の韓国人職員の半数は日帝の元官吏

2024年08月09日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2024-08-09 09:40
■「米軍政の韓国人職員の半数は日帝の元官吏」
 韓国の官僚を研究するアン・ヨンシク教授 
 日帝の官吏を務めた朝鮮人の 
 解放後の公職進出を明らかにした著書出版 
 「米軍政の郡守の70%が日帝時代の官吏 
 米軍政は日帝の延長線上にあった」

【写真】延世大学のアン・ヨンシク名誉教授=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 『日帝の官吏を務めた朝鮮人の解放後の動向』(図書出版ボピョン)。
 本書は、韓末から1967年までの韓国官僚の任免と行跡を追跡し、複数の資料集を出版してきた延世大学行政学科のアン・ヨンシク名誉教授(83)が、河南(ハナム)文化院郷土史研究所のユ・ニョングン研究委員と共著し、先日出版した資料集だ。
 アン教授が35年近いこれまでの研究をもとに、日帝強占期に官吏を務めた朝鮮人が米軍政を経て第三共和国に至るまで、どのような公職に任用されたのかをまとめたものだ。
 アン教授はこの資料集に、書名と同じく「日帝の官吏を務めた朝鮮人の解放後の動向」と題する論文も載せている。この論文によると、米軍政の朝鮮人要員の49.1%(787人)が日帝の元官吏だ。米軍政時代、日帝の元官吏は地方政府の韓国人官吏の40.7%(262人)、判事・検事の70.8%(211人)を占めた。郡守も70.4%(133人)が日帝の官職保有者だった。

【写真】アン教授が最近出版した資料集//ハンギョレ新聞社

 中央行政を担った米軍政本部は、日帝官吏を務めた朝鮮人の任用は相対的に少ないが、日本留学を経験した高学歴者が多かった。米軍政本部の6つの局では、元日帝官吏の経歴を持つ99人のうち、44人が少なくとも専門大以上の学歴の保有者だった。日本や京城帝国大学の出身者も20人いた。
 「日帝時代に金持ちで家柄も良く、才能のあった人たちが日本に留学し、一生懸命に生きて良い地位で官僚をしたと考えなければなりません。彼らは解放後も高位の公職に就きました」。7日に電話取材に応じたアン教授は、「論文には書かなかったが、日本の恩恵を被って生きた人々(日帝強占期の朝鮮人官吏)を責める人が多いということも理解する」と述べた。「貧しい多くの朝鮮人は日本人の下でひっ迫していましたからね」。
 同氏は、2年11カ月の米軍政期については、「私たちに残してくれたことはあまりない」として「失敗」だと規定した。「米軍政は日本の朝鮮総督府の官吏体系をそのまま受け継いでいます。日帝の延長線上にあったものでした」。「米軍政の最大の失策は、臨時任命という美名の下に日帝の協力者を無分別に任命したことにあった」と論文に記したアン教授は、「(米軍は)他国に来てもう少し慎重に問題を解決するという努力と姿勢が非常に足りなかった」と指摘した。
 これまでに出版した資料集はすべて自費出版だというアン教授は、今後の著述計画を問うと、次のように語った。「朴正熙(パク・チョンヒ)政権から現在まで、誰が官僚社会を支配し、官僚制がどのように運営されてきたのかをまとめなければなりません。しかし膨大すぎる作業なので、私は年も取ったし、もう力もないから難しい。後学がやってくれることを期待します」。

カン・ソンマン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-08-08 17:53
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追悼式を開くと言いながら…佐渡金山動員「朝鮮人名簿」も出さない日本

2024年08月09日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「中央日報日本語版」 2024.08.08 07:52
■追悼式を開くと言いながら…佐渡金山動員「朝鮮人名簿」も出さない日本

【写真】「佐渡島の金山」世界遺産登録の翌日の先月28日、新潟県佐渡市の相川郷土博物館に強制動員された朝鮮人労働者に関する記録物が展示された。 キム・ヒョンイェ東京特派員

 日帝強占期に佐渡金山に強制動員された朝鮮人労働者の名簿を要求した韓国政府に日本が応じていないことが分かった。早ければ来月にも朝鮮人労働者の追悼式が開かれる予定だが、日本が追悼対象者の情報さえも共有しないという指摘が出ている。
 外交情報筋によると、政府は新潟県立文書館にある「半島労務者名簿」を提供してほしいと日本に要求しているが、まだ確保できていないという。名簿は、1980年代初期に新潟県地域の歴史を編纂する過程で研究陣が朝鮮人名簿を発見して写真で撮影したもので、マイクロフィルム形態で残っている。昨年4月にその存在が明らかになったが、日本は韓国政府と市民団体の公開要求に沈黙する状況だ。
 現在、佐渡金山朝鮮人労働者関連資料としては年初配給名簿などが公開されている。しかし半島労務者名簿までが確保されれば資料を比較・分析し、正確な労働者名簿を用意できるという分析だ。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長も前日の立場表明で「政府は今年から佐渡金山追悼式を開くという日本政府の約束を重視したが、追悼式の前に誰を追悼するのかから確認するべきではないだろうか」とし、名簿の提供を促した。
 日本は先月27日、「佐渡島の金山」をユネスコ世界文化遺産で登録する際、韓国の賛成を引き出すために追悼式を毎年開き、相川郷土博物館に強制動員関連の展示をすることにした。
 名簿の所有権は佐渡金山を運営した企業の三菱にあるが、公開するかどうか決定する主体も正確に把握して資料を要求すべきという指摘も出ている。朝鮮人年初配給名簿などを分析して佐渡金山に動員された朝鮮人745人の名前を確認したチョン・ヘギョン日帝強制動員平和研究会代表は「名簿は実際に被害者が佐渡金山に動員されたということを立証できる重要な資料。半島労務者名簿の場合も何より作成の主体が誰であり、公開するかどうか決定する権限をどこが持っているのかを先に正確に把握しなければいけない」と述べた。
 一方、韓国政府は先月、ユネスコ世界遺産委員会(WHC)に要請文を送った佐渡金山強制労働被害者の遺族4人と接触するのにも苦労している。外交部当局者は前日、記者らに対し、遺族との接触について「努力を続けている」と話したが、連絡先の確保さえも難しい状況という。


「The Hankyoreh」 2024-08-05 09:24
■佐渡鉱山と雑輩たち【コラム】
 佐渡鉱山(佐渡島の金山)が世界遺産に登録されたという事実を伝える先月27日の報道資料をみて、はらわたがちぎれるような痛みを感じた。佐渡鉱山は韓国の同意がなければ「登録」が不可能な状況だったため、この交渉は韓国が“絶対的に”有利な状況のもとで進めることができた。しかも韓国には、2015年7月の軍艦島(端島)などの「明治日本の産業革命遺産」の過程で勝ち取った良い“先例”もあった。日本は9年前、軍艦島などの登録のために、「多くの朝鮮半島出身者が本人の意思に反して過酷な条件のもとで強制労働させられた」事実を認めざるをえなかった。このような点をうまく活用すれば、少なくとも当時と同程度の成果を勝ち取ることができると感じていたのだ。
 結果は誰もが知っているように、予想から大きく外れた「外交惨敗」だった。日本は佐渡鉱山でなされた朝鮮人強制労働について、いかなる「強制性」も認めることなく、この施設を世界遺産に登録することに成功した。
 振り返ってみると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の就任からの2年間に、似たようなことが繰り返されてきた。両国間の主な懸案について、日本は動かないにもかかわらず韓国だけが後退したのは一度や二度ではない。国家のアイデンティティに直結する歴史問題、何度も慎重に考えて決めなければならない安全保障協力問題、「LINE問題」のような経済問題など、分野を問わない。
 尹大統領はいったいなぜ、このようなことをするのだろうか。1年半ほど前、この政権の外交・安全保障ラインのまさに核心的な当局者から妙な話を聞いたことを思いだした。尹大統領はそのころ、韓日間で最重要の懸案だった強制動員被害者への賠償問題について、第三者弁済という“一方的な譲歩案”を出した後、訪日(2023年3月16~17日)を予定していた。韓国が「度量の大きな譲歩」をしただけに、日本も何らかの「相応の措置」を出すだろうという期待が高まっていた状況だった。日本は何か準備をしているのかと聞いたところ、この当局者は意外なことに“冷笑的”な表情を浮かべて答えた。
 「韓国が先に何かを要求してこそ日本は考えるんでしょうが、大統領にはまったくそうするつもりがないようです。外交部も既存の韓日関係の枠組みにとらわれていると考えておられるようです。韓国が要求していないのだから、向こうから何かを自発的に出すわけがありません」。
 1876年の朝日修好条規(江華島条約)を通じて、朝鮮と日本の近代外交関係が始まった後、朝鮮が生き残るためには日本との協力が必要不可欠だと信じる人たちが、一定数存在していた。これらの人たちは、「売国奴」とは違う中立的な意味での「親日派」と呼ぶことができるだろう。親日派を引きつけた魅力は、朝鮮に先行する日本の「先進性」だった。東亜日報の1930年1月4日付2面左側上段の記事には、そのころには亡国の「元老政治家」に転落してしまっていた朴泳孝(パク・ヨンヒョ、1861~1939)のインタビューが掲載されている。「壬午年(1882年)の事件(壬午軍乱)の謝罪使節として日本を訪れてみると、日本の文物は朝鮮と比較して雲泥の差があることを発見し、わが国が強くなろうとするのであれば、まずは日本を見習わなければならないという決心を堅く持つことになりました」
 名門の一橋大学で1年間勉強することになった父親や家族とともに、1967年に上野駅に到着した尹錫悦少年の目に映った日本の姿も、それと似ていた。尹大統領は訪日前の読売新聞の2023年3月15日付39面のインタビューで「今も一橋大のある(東京都)国立市が目に浮かぶ。(中略)(日本は)先進国らしくきれいだということだ。日本の方々は正直で、(何事にも)正確だということを多く感じた」と述べた。
 日本の力を借りて朝鮮を変えようとした初期の「親日派」のうち、1910年の強制併合後も生き残り、「売国奴」呼ばわりを免れたのは、兪吉濬(ユ・キルジュン)、金允植(キム・ユンシク)、金嘉鎮(キム・ガジン)の3名しかいない。この3名は、朝鮮と日本は協力しなければならないと考えながらも、両国の「戦略的利害」は同じではないという事実を鋭く認識していた。両国の利益がすべて一致するはずはないのだから、協力しながらも絶えず対立していたのだ。そのため、兪吉濬は伊藤博文の前で大声で「朝鮮独立万歳」と叫び、金允植は併合の最後の瞬間、ただ1人「不可」と叫び、金嘉鎮は朝鮮の高官のなかで唯一、大韓民国臨時政府に参加した。日清戦争の開戦時に在朝鮮日本全権公使だった大鳥圭介の目に映ったそれ以外の親日派は「機会に乗じて私利をむさぼろうとする雑輩」にすぎなかった。歴史は繰り返すものであり、だからこそ複雑で恐ろしいものだ。尹大統領はどうか自重してほしい。
キル・ユンヒョン|論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-08-04 20:17


「中央日報日本語版」 2024.08.02 15:38
■【グローバルアイ】日本が本当に「コップの残り半分」を満たすには

【写真】国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録された日本佐渡金山の坑道内部。朝鮮人1519人が強制労働に就いていた場所だ。キム・ヒョンイェ記者

 朝鮮人寮の場所を探し回って1時間。村の奥深くに立てられた案内版には拘置所も炊事場の場所もちゃんと表示されていたが、そのどこにも佐渡鉱山で働いた朝鮮人のための寮があったという表示は見られなかった。
 先月26日に訪れた新潟県佐渡島の大工町。膝まで雑草が生い茂った廃虚の前で81歳のナガハマさんが近づいてきて手で示した。「ここが炊事場だ。朝鮮人が食べる飯をここで作って運んだとのことだ」。
 「戦争が終わっても戻らなかった朝鮮人がいたが、同じ班にも朝鮮出身の友達が7~8人はいた」。炊事場の場所から徒歩5分の拘置所跡に行ってみた。鍵のかかった拘置所前をぐるぐる回っていると、ひとりの住民が鍵を持って近づいてきた。
 普段は訪ねてくる観覧客がいないので住民が自主的に遺跡を管理しているという。拘置所の中庭に入ると、韓国外交部の資料に掲載されていた朝鮮人寮跡の写真のその場面が目に入ってきた。配置されていた資料には1954~1972年に拘置所として使われた記録があったが、それよりも前にここに朝鮮人寮が存在したという事実はどこにもなかった。
 この寮の存在が分かったのは1991年。富田たばこ店の主人が残した「年初配給帳簿」があるという事実を日本の市民団体が知りながらだ。相川第1・3・4寮に収容されていた朝鮮人がいつ入所してたばこを配給され始めたのか、名前・出身地・生年月日まで詳しく書かれていた。
 市民団体はその時から強制動員朝鮮人の足跡を追跡して1519人の身元を把握した。「殉職産業人名簿」から坑内の作業中に死亡した朝鮮人の名前・年齢を発掘し、佐渡金山所が残した資料から朝鮮人がどのような業務に就き、どのような差別を受けていたのかを突き止めた。過酷な強制労働に苦しめられた朝鮮人をかわいそうに思った佐渡島の漁師数人が朝鮮人の脱出を助けた話もこのようにして世の中に知らされた。
 佐渡金山の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産搭載翌日の7月28日。日本政府はその間知らん振りを通して否定してきた朝鮮人の存在をその時はじめて認めた。年初配給帳簿が世に出て30年余ぶりだ。だが、ここまでだ。「全体の歴史を知らせる」と約束したが、朝鮮人が強制的に連れて来られて働いていたという文面は遺跡のどこにも見られなかった。
 早ければ9月佐渡島で日本政府が約束した朝鮮人追悼式が開かれる。日本側の約束が虚しい言葉だけで終わらないようにするためには、ありのまま過去を記憶するようにしなければならない。それが「コップの残り半分」を満たす真心のこもった行動の第一歩だ。

 キム・ヒョンイェ/東京特派員


「中央日報日本語版」 2024.07.31 14:08
■日本「佐渡金山登録時の『銘記決議』に『強制性認定』軍艦島の立場含む」 初めて認める

【写真】佐渡金山の朝鮮人労働者に関連する展示空間が用意された佐渡金山付近の相川郷土博物館 韓国外交部

 日本が「佐渡島の金山」ユネスコ世界文化遺産登録当時に「銘記する(bearing in mind)」と明らかにした「すべての決定と約束」には、2015年の軍艦島登録当時に韓国人が「強制的に労役(forced to work)」した事実を認めたことも含まれると明らかにした。これに先立ち韓国政府は佐渡金山が登録される過程で日本が動員と労役の強制性を抜いたという指摘に対し「日本の強制性認定はすでに前提になっている」という趣旨で説明したが、日本政府がこれを明示的に認めたのは初めてだ。
 在韓日本大使館は31日、中央日報の関連質問に対し「日本側のステートメント(statement、発言)で言及された『今まで世界遺産委員会で採択されたすべての関連決議』には、2015年の世界遺産委員会での『明治産業遺産(軍艦島含む)』登録当時の日本側のステートメントも含まれる」と明らかにした。これに先立ち佐渡金山登録が決定した27日のユネスコ世界遺産委員会会議で、ユネスコ日本代表部の加納雄大大使は「日本政府はこれまで世界遺産委員会で採択されたすべての関連決定とこれに関する日本の約束を銘記する(bearing in mind)」と公開発言した。
 日本は2015年に軍艦島など近代産業施設を世界遺産に登録した当時、「朝鮮人が『意思に反して(against their will)』動員されて『強制的に労役(forced towork)』した」と明らかにした。しかし佐渡金山を登録する当時にはこうした表現を使用せず「日本が今回は強制労役を認めないのでは」という声につながった。こうした中、日本側が軍艦島登録当時に明らかにした強制労役関連の立場を事実上継承すると明らかにしたのだ。
 これに先立ち韓国外交部の当局者は28日、記者らに対し「繰り返して表現しなかっただけであり、(『銘記』という表現に)過去の約束をそのまま継続するという意味が込められている」とし「それ(強制労役認定)はすでに我々が受けたものであり、もう一度コンファーム(confirm、確認)さえすればよいこと」と説明した。
 日本側もこうした韓国外交部の説明を再確認し、2015年の軍艦島登録当時に朝鮮人動員と労役の強制性を認めたことを依然として有効な立場として維持すると明らかにしたのだ。中央日報はこの日、在韓日本大使館に対する質問で「2015年の軍艦島登録当時に明らかにした立場が依然として有効に維持されるということか」も同時に尋ねた。
 これに関連し、日本メディアは当初、両国間の事前協議過程で強制性関連の表現を抜くことにしたと報じた。読売新聞は28日、「日韓両政府が『強制労働』の文言を使わないことで事前に折り合った」と報道した。これに対し韓国外交部は「事実無根」と反論したが、林芳正官房長官は「外交上のやり取りは答えを差し控える」として答弁を避けた。これに対し禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は29日、国会の所管常任委員会の外交統一委員会と文化体育観光委員会に事実関係の確認を指示したりもした。
 こうした中、在韓日本大使館が強制性を認めた軍艦島世界遺産登録当時の立場を継承すると公式化したことで、今後、関連の余波に影響を及ぼすかが注目される。
 これに先立ち27日の世界遺産委員会会議では、韓国を含む委員国21カ国がすべて賛成し、コンセンサス(全会一致)で佐渡金山が世界文化遺産に登録された。日本は「全体の歴史を反映させるべき」という韓国側の要求に基づき、佐渡金山付近の「相川郷土博物館」に強制労役関連の展示物を設置し、毎年追悼式を行うことにした。追悼式は早ければ9月に開かれる可能性がある。


「聯合ニュース」 2024.07.30 19:15
■佐渡金山展示に「強制」の文言なし 韓国政府「補完すべき部分あるか確認する」
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は30日、世界文化遺産への登録が決まった新潟県の「佐渡島の金山」に関する展示に朝鮮半島出身者の労働の「強制性」に関する表現がないことについて、補完すべき部分があるか確認するとの立場を示した。

【写真】相川郷土博物館=(聯合ニュース)

 同部の李在雄(イ・ジェウン)報道官はこの日の定例会見で、「(展示の)内容を見て補完する部分があるか、追加で日本と協議する事案があるか確認する」として、現在の展示物を常設化するために追加作業が行われると理解していると説明した。
 佐渡島の金山の世界遺産登録を巡って韓国は、日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場であり、全体の歴史が忠実に反映されなければならないとの立場を示してきた。これを受け、日本は佐渡島の金山の旧鉱山本部事務所に開館した相川郷土博物館で強制労働に関する展示を行うと約束した。
 外交部当局者は「実際の展示内容を韓日が協議して構成する際、韓国側は強制性がより明確に表れる多くの内容を要求した」とし、「日本側が最終的に受け入れたのが現在の展示内容」と説明。交渉の過程で韓国側の要求が十分に受け入れられなかったことを示唆した。また「徴用」や「強制労働」などの直接的な表現の使用を求めたかどうかについては明らかにしなかった。
 これに先立ち、日本の一部メディアは韓日政府が展示で「強制」という文言を使わないことに事前合意していたと報じたが、外交部は「全くの事実無根」と否定した。
 同部の当局者も「韓日間の合意は最後まで不透明で、全ては最終段階で合意された」として、強制労働被害者の遺族に対してもこのような内容を説明する方針だと伝えた。


「The Hankyoreh」 2024-07-30 08:56
■「佐渡鉱山の強制動員削除は売国行為」…日本は祝いの横断幕
 日帝強制動員市民の会が声明

【写真】ユネスコ世界遺産に登録された新潟県の佐渡鉱山の出入口に「世界文化遺産決定」と記された横断幕がかかっている/聯合ニュース

 日本の佐渡鉱山(佐渡島の金山)がユネスコ世界遺産に登録される過程で、韓日両政府が「朝鮮人強制動員」という表現の排除を事前に調整していたとの疑惑が持ち上がっていることを受け、市民団体が徹底した真相究明を求めた。
 「日帝強制動員市民の会」は29日の声明で、「韓日両政府が佐渡鉱山の展示施設で『強制労働』という言葉を使わないことを事前協議したという日本メディアの報道について、徹底的に糾明しなければならない」と述べた。
 市民の会は、「日本の読売新聞は28日の報道で、韓日両国政府が、現地の展示施設で『強制労働』に関する文言を使用しない代わりに、当時の暮らしぶりなどを説明するということで事前に折り合いをつけたと報じているが、韓国外交部は『協議はなかった』と述べており、矛盾する」とし、「事前調整を経て強制労働という表現を排除したのなら、第2の売国行為」だと主張した。
 市民の会はまた、「韓国政府は日本の佐渡鉱山の世界遺産登録後、韓国人労働者が直面した過酷な労働環境と苦難を伝える新しい展示物が設置されたことについて、外交的成果として飾り立てている」、「だが、28日から観覧が始まった展示には、肝心の『強制動員』と『強制労働』に対する言及が抜け落ちている」と指摘した。
 市民の会は、佐渡鉱山の展示の中の「朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の暮らし」の展示において、日本政府は違法な強制動員の被害者ではなく合法的な動員であることを強調するために「朝鮮半島出身労働者」という表現を使ったと解釈している。
 市民の会は、「日本は2015年に強制動員などを含む全体の歴史的事実を伝えることを前提に、軍艦島(端島炭鉱)のユネスコ産業遺産登録を成し遂げたが、登録直後に『強制労働はなかった』と言葉を翻した」とし、「佐渡鉱山の世界遺産登録への同意は、強制動員を否定する日本の歴史歪曲に韓国政府が手を貸すもの」だと批判した。
 インドのニューデリーで開催された第46回ユネスコ世界遺産委員会は27日、21の委員国の全会一致で、日本が申請した新潟県の佐渡島鉱山の世界遺産への登録を決定した。
キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-07-29 15:01


「The Hankyoreh」 2024-07-30 08:29
■韓国の市民団体「佐渡鉱山の世界遺産登録は尹政権の外交の失敗」
 韓国人「強制動員」抜け落ち

【写真】新潟県佐渡市の佐渡鉱山内にある代表的な遺跡「北沢浮遊選鉱場」。日本で初めて金銀鉱石から金や銀などを採取する浮遊選鉱法という工法が導入された=佐渡/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 韓国の市民団体「民族問題研究所」は27日、日本の佐渡鉱山(佐渡島の金山)がユネスコ世界遺産に登録されたことについて、「日本が約束した『全体の歴史』から韓国人強制動員が抜け落ちている」とし、「韓日関係の改善という名目で歴史の真実を日本政府に譲歩した韓国外交の失敗」だと批判した。
 同研究所はこの日の声明で、「日本政府は、佐渡鉱山の全体の歴史を記録すると言いながら、最初から最後まで『朝鮮半島出身労働者』という用語を使っている」とし、「これは2018年に韓国最高裁で強制動員賠償判決が下された後に、安倍晋三元首相が『強制性』を否定するために作り出した言葉」だと述べた。そして「(今回の佐渡鉱山は)2015年の軍艦島(端島)を含む明治日本の産業革命遺産の登録の際の、朝鮮人が『自身の意思に反して』、『強制労働』させられたという日本政府の発言からも大幅に後退している」とし、「日本政府は歴史否定論を貫徹した」と強調した。
 韓日両政府の合意により新潟県佐渡島に設置された「朝鮮人展示」についても問題を提起した。研究所は、「展示に強制動員という言葉は見当たらず、強制性を隠した『朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の生活』というタイトルが用いられている」と指摘した。そして「これをどのように外交成果として誇るというのか、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の歴史認識を深刻に批判せざるを得ない」と述べた。
 研究所は、「日本政府がいくら歴史を隠そうとしても、韓国人強制動員の歴史は決して隠すことができない」と強調した。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-07-27 17:37


「The Hankyoreh」 2024-07-30 07:28
■【社説】大韓民国の憲法・最高裁判決に背き、日本の肩を持つ尹政権

【写真】ユネスコ世界文化遺産に登録された新潟県の佐渡鉱山(佐渡島の金山)の出入口に28日、「祝世界文化遺産決定」と書かれた幕が掲げられている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、新潟県の佐渡鉱山で朝鮮人の「強制労働」が行われたことを日本が事実上否定しているにもかかわらず、同施設がユネスコ世界文化遺産に登録されるよう賛成した。これは見過ごすことのできない重大な「外交惨事」だ。この決定で、尹政権は日本の歴史歪曲に加担し、これを国際的に公認までしたという批判を免れなくなった。尹大統領は、なぜこのようなことが繰り返されるのか国民の前で説明し、自分が大韓民国の大統領職を遂行するのに適した歴史認識を持っているのかを自問しなければならない。
 日本の加納雄大ユネスコ大使は27日(現地時間)、インドのニューデリーで開かれた世界遺産委員会の審議で「朝鮮半島出身の労働者について勧告を誠実に実行し、韓国と緊密に協議し、『佐渡島の金山』の歴史全体を包括的に伝えるための展示や施設の充実に努める」と述べた。日本は2015年7月、端島(軍艦島)の登載過程では「多くの朝鮮半島出身者などが自身の意思に反して連れてこられ、厳しい環境のもとで働かされた」という事実を明確に認めた。ユネスコ世界遺産への登録決定は、満場一致で決めるのが慣例となっている。韓国政府がこのような事実をテコに十分な「外交的努力」を傾けたなら、少なくとも2015年と同レベルの言及を引き出すことができたはずだ。
 1940年から佐渡鉱山に連れて行かれた朝鮮人労働者1519人がどんなに過酷な扱いを受けたかは、韓日市民共同調査報告書「佐渡鉱山・朝鮮人強制労働」などに詳しく記録されている。彼らは日本政府が合法的に動員した可哀想な労働者たちではない。「臨時政府の法統を継ぐ」大韓民国の憲法精神によると、「不法な植民支配・侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員の被害者」(2018年10月最高裁判決)たちだ。大韓民国の政府なら、この事実が展示などに反映されるよう最善の努力を尽くすべきだった。それが政府の負うべき最小限の「憲法的責務」だ。
 日本政府は2018年11月から、植民地支配は合法であり、朝鮮で実施した労働力の動員は「強制労働」ではないという意味を込めて「朝鮮半島出身労働者」という言葉を使っている。2021年4月には「強制連行」、「強制労働」などの表現が不適切だと閣議決定した。大韓民国のアイデンティティと関係するこの重要な問題で、尹政権は大韓民国の憲法と最高裁判所の判決に背き、日本政府の見解を国際的に公認した。これでも大韓民国の政府と言えるのか。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-07-29 18:31


「中央日報日本語版」2024.07.30 07:16
■韓国大統領室、「佐渡金山『強制性』脱落」指摘に「日本政府から先制措置を引き出したことに意味」
 韓国大統領室が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に登載された日本佐渡金山展示空間に「強制性」の表現が入っていないことに関連して「登録以前に日本政府から進展した先制的措置を引き出した点に意味がある」と明らかにした。
 大統領室関係者は29日、「日本政府が世界遺産登録前に朝鮮人労働者展示室を開くなど先に措置を取った」と話したと韓国メディア「聯合ニュース」は伝えた。
 日本側は佐渡金山ユネスコ登録過程で、韓国の同意を得るために佐渡金山の近くに展示施設を設置し、過去の鉱山労働者のための年次追悼式を行うと約束したことがある。韓国政府はこのような措置を日本から先に引き出したというのが大統領室の説明だ。
 これに先立ち、登録に賛成する条件として、韓国と協議して日本が設置した朝鮮人労働者強制労役関連の展示空間に「強制性」表現が入っておらず論争になった。
 一部の日本メディアでは韓日政府が展示から「強制」表現を外すことで事前に合意をしたという報道が出てきて、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は常任委に経緯把握を要請した。日帝強制動員市民の会はこの日、「展示空間に『強制性』表現が入っていないことに対する真相調査が必要」という声明を出した。
  韓国政府は具体的な表現がなくても展示内容を通じて強制労働に関する歴史を全体的に知ることができるという立場だ。展示に「朝鮮総督府の関与の下に募集・斡旋(あっせん)が行われた」「1944年9月から徴用が施行されて義務的に作業が付与された」「韓国人労働者が坑内の危険な作業をさらに多く行った」などの内容が含まれているということだ。


「中央日報日本語版」 2024.07.29 08:59
■「歴史すべて伝える」という佐渡金山…日本「強制労働」の表現は除いた

【写真】佐渡金山の道遊坑道。坑道の中には作業する65体の人形がある。人が近付くとセンサーが作動し、人形が「酒を飲みてぇ」などと話したりする。キム・ヒョンイェ特派員

 「世界文化遺産決定」。
 28日午前7時、新潟県佐渡金山がある相川。新幹線と船を利用して東京から5時間もかかるほど遠く離れている場所だ。相川に入ると27日に世界遺産委員会の決定で佐渡金山が世界遺産に登録されたことを知らせる垂れ幕が目に入った。
 佐渡金山はかつて日本最大の金鉱で、日帝強占期には朝鮮人約1500人が強制徴用された所だ。「全体の歴史を伝える」という日本政府の約束によって設けられたという朝鮮人労働者展示室をこの日一般公開に先立ち訪問した。
 展示館は博物館の本館の後方にある別館2階にあった。木の階段を上がると横5.2メートル、縦4.2メートルの小さな部屋が現れた。大人20人が入ればぎっしり埋まるほどの大きさだ。展示室に入ると朝鮮人労働者が使った木製の弁当箱1点が見えた。展示室の唯一の「実物」の遺物だ。そばには「朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の暮らし」という名前で日本語と英語の紹介文が壁に並んで掲示されていた。1階の展示パネルとは異なるデザインがされているのが目に付いた。
 最初の展示物は「徴用」に対する説明だった。戦争中に国家総動員法(1938年発令)により1944年9月から朝鮮に「徴用」が導入されたと紹介した。続けて、「徴用」は法令に基づいて労働者に業務を義務化したもので、違反すれば懲役または罰金を科したと紹介した。
 朝鮮人労働者の徴用が法律による合法的行為だった点を強調するようだった。展示物はすべて写本をパネルに張った形だった。1940~45年に朝鮮出身労働者が1519人だったという記録、1140人分の未払い賃金が供託されたという文書の写本などが展示された。ここには朝鮮総督府の関与の下に「官斡旋」と募集があったという事実も入れられた。
 相川地区のたばこ店で見つかったたばこ配給関連文書の写本には、当時朝鮮人寮に住んでいた7人が逃走し、3人が刑務所に入ったという内容が書かれていた。当時労働者が人身拘束状態で労働がなされたことを間接的に示す資料だ。
 苛酷な労働環境などを示す資料も一部あった。1カ月平均28日働き、1人当たり1日1升のコメが支給されたが、徐々にこれが減っていき、ダイコンと乾めんを混ぜた混食をしたと明らかにした。そのそばには額縁に入った岸田文雄首相の強制徴用に対する「心が痛む」」という発言が掲示されていた。
 このように展示物は当時の朝鮮人労働者の実態を表わす資料が一部含まれたが、日本語だけでなく英文の案内文のどこにも「強制」や「強制労働」という単語はなかった。徴用の強制性に対する具体的な言及だけでなく、植民地支配と侵略に対する評価もなかった。
 この日読売新聞は韓日両国が事前に「強制労働」の表現を使わないことにしたと報道した。「現地の展示施設で『強制労働』に関する文言を使用しない一方、当時の暮らしぶりなどを説明することで事前に折り合った」という。
 これと関連し、韓国外交部当局者は「全く事実無根」との立場を明らかにした。「強制性表現問題は2015年(軍艦島登録)に整理された。当時の合意はそのままで、日本がそれを含めてすべての約束を認めた状態」ということだ。日本メディアの報道は、韓国が今回は強制性は認めなくても良いことにしたと合意したかのように伝えているが事実と異なるという説明だ。
 強制性を言葉で繰り返すよりは行動で見せるようにしたという趣旨と読める。だが前例から見ると日本側が自国に有利に該当部分を歪曲する可能性を排除することはできない。佐渡金山登録そのものだけ祝い、強制性は否認したり薄める懸念だ。
 強制労働に正確な表現が抜けた展示状況は佐渡金山の全体の歴史を反映しようと主張してきた日本の人たちの批判を受けたりもした。佐渡金山朝鮮人強制労働資料集出版などに参加した佐渡市の荒井真理市議は、ここに連れてこられたら帰れない状況の中で朝鮮人を働かせたのは強制労働以外には考えられないと指摘した。荒井市議は当時の実態をきちんと知らせるには朝鮮人強制労働当事者の証言映像なども展示しなければならないと主張した。
 延世(ヨンセ)大学政治学科のソン・ギョンホ教授は「基本的に日本は約束通りに朝鮮人強制動員犠牲者を賛えるための後続措置を真正性あるように推進しなければならないだろう。政府も健全な韓日関係復元に向け日本の後続措置履行を促さなければならない」と話した。


「中央日報日本語版」 2024.07.28 11:39
■「世界遺産」佐渡金山に行ってみたら…あちこちに朝鮮人労働者の痕跡

【写真】佐渡金山に連れてこられ強制的に働いた朝鮮人寮があった場所。朝鮮人寮がなくなった後ここには拘置所が建てられ、現在は文化財に指定されている。キム・ヒョンイェ特派員

 ユネスコ世界遺産委員会が27日に日本の佐渡金山を世界文化遺産に登録すると、岸田文雄首相をはじめとする日本政府関係者らは一斉に歓迎のメッセージを出した。
 岸田首相はこの日、「日本の宝から世界の宝となった。国内はもちろん、世界中の様々な人々が現地を訪れ、『佐渡島の金山』の価値に触れられることを期待している」と明らかにした。X(旧ツイッター)にも投稿し、「伝統手工業を極限まで高め、欧米機械化と比肩する日本独自の技術の粋だった」と意味を付与した。上川陽子外相も談話を通じて「世界中の方々に我が国の世界遺産の価値の理解が進むよう、関係省庁と連携し、取り組んでまいります」と説明した。
 世界遺産登録のニュースにこの日佐渡の住民らは喜びの表情を隠すことができなかった。ある宿泊業関係者は明るい顔で「佐渡市民が世界遺産登録発表をみんな一緒に見守った。お祝いの意味を込め今夜の祭りで盆踊りもする予定」と説明した。
 高齢化などで人口が5万人にすぎない佐渡は鉱業が衰えて主要な商店街の空き店舗が増えるなど衰退が続いていた。住民らの立場では世界遺産登録が観光業で都市を再生する好材料となるわけだ。

◇世界遺産となった佐渡金山に行ってみると
 記者は世界遺産登録決定前日の26日、新潟から佐渡へ向かう船に乗り込んだ。本格的な夏休みシーズンが始まったこの日、佐渡へ向かう快速船は満席だった。
 船内では佐渡金山の世界遺産推薦に対する放送が流れた。新潟を出て1時間以上過ぎると見え始める佐渡。観光客はスマートフォンを取り出して写真を撮り続けた。
 佐渡に降りて自動車で40分ほど走ると佐渡金山に到着した。切符売り場前の停留場にお客をいっぱいに乗せたバスが次から次へと到着した。佐渡金山内の坑道は約400キロメートル。日本はこのうち2カ所を観光コースとして展示し一般の人たちに公開していた。佐渡金山関係者は「1年に14万~15万人が訪ねてくるが、世界遺産に登録されれば観光効果を期待できそうだ」として期待感を示した。

◇佐渡金山には「朝鮮人募集、帰国」の2行で記録
 一般の人たちに公開された坑道は2カ所。世界遺産登録期間として日本が決めた江戸時代(1603~1868)に手掘りで金を採掘していた当時を再現した宗太夫坑道が最初だ。見て回るのに約30分かかり、400年前に行われていた採掘方式を詳しく説明するために人形などを動員した。「早く外に出て酒を飲みてぇ」と話す人夫の姿を再現している。
 もう1カ所は近代期である明治時代(1868~1912年)以降に鉱石を掘り出すのに使われた道遊坑道。鉱石を速やかに積み出すために鉄道が敷かれ、片側には当時使われた鉱石運搬車が展示されていた。総延長は1.5キロメートルほどで、見て回るのに40分かかる。
 道遊坑道を出ると、近代技術を導入した機械工場の遺跡がある。ここの壁面に日本は佐渡金山の歴史を日本語だけで整理して記しているが、朝鮮人という単語が登場するのはたった2回。「昭和14年(1939年)労務動員計画で朝鮮人労働者の日本での募集が始まる」と「昭和20年(1945年)9月敗戦で朝鮮人労働者が帰国した」というものだ。1000人を超える朝鮮人が強制動員されたという事実は抜けていた。

◇佐渡のあちこちに残っている朝鮮人の暮らし
 佐渡金山では朝鮮人労働者の痕跡を見つけるのが容易ではないが、「鉱山村」地域である相川一帯)では違った。ここには日本政府が「全体の歴史を伝える」として別途に朝鮮人強制徴用者などに対する展示室を設けた相川郷土博物館をはじめ、朝鮮人労働者の寮と炊事場の跡が残っている。相川郷土博物館は耐震工事を経て5月にリニューアルして再オープンしたが、朝鮮人労働者に対する展示室が設けられた2階Eブロックへ向かう通路は28日の一般公開を控えて立ち入り禁止状態だった。
 ここは過去に日本の皇室の財産を管理した所で、佐渡金山管理事務所として使われた後に佐渡市が管理する現在の形態の博物館に変わった。5ブロックの展示室で構成されている。日本政府は、朝鮮半島出身者を含んだ鉱山労働者の生活を紹介する展示室を設けた。日本が第2次世界大戦中に発令した国家総動員法により朝鮮人労働者が動員され1945年の日本の敗戦まで1000人以上の朝鮮半島出身労働者がここで働いたという内容が反映された。
 強制動員の事実は抜けているが当時の朝鮮人労働者の生活が分かる史料などが展示される。シャトル外交再開とともに昨年韓国を訪問した日本の岸田文雄首相の「心が痛む」という強制徴用労働者に対する発言もともに扱われる予定だ。
 ここのはす向かいには世界遺産から除外された浮遊選鉱場がある。近代施設でここでは佐渡金山から掘り出された鉱石を分類し金と銀を分離する作業が行われた。ここから車で10分もかからない大工町。ここで会った高齢の住民は雑草が茂ったところを示しながら「ここが朝鮮人炊事場のあった所」と説明した。
 炊事場があった場所は表示板ひとつない状態だった。住民は「炭鉱に連れてこられた朝鮮人がいると聞いたが、実際にその後その人たちが定着し朝鮮出身の友達が同じクラスにも7~8人いた」と話した。
 炊事場から歩いて5分もかからない所には朝鮮人寮跡がある。現在は拘置所の表示板だけ掲示されているが、日本政府はここに朝鮮人寮があったという案内板を設置する予定だ。
 日本は1954年にここに拘置所を建て1972年まで使ったが、国の文化財に登録されている。この地域の住民は「ここに朝鮮人寮があったという話は初めて聞いた。どんな経緯で朝鮮人寮の跡に拘置所が建てられたのかも知らない」と話した。拘置所の中に置かれた内部資料や施設には拘置所閉鎖後には倉庫として使われ、2010年の修理を経て文化財に公開されているという説明だけ書かれていた。


「中央日報日本語版」 2024.07.28 10:25
■韓国外交部長官、佐渡金山の世界遺産登録に「後続措置の真正性見せなければ」

【写真】日本が佐渡金山での朝鮮人強制労働を含む「全体の歴史」を盛り込んだ展示物を設置した相川郷土博物館。佐渡金山から約2キロメートル離れた距離にある。[写真 韓国外交部]

 韓国外交部の趙兌烈(チョ・テヨル)長官は27日、日帝強占期の朝鮮人強制労働現場である日本の佐渡金山がユネスコ世界文化遺産に登録されたことと関連し、日本の「真正性ある後続措置」を促した。日本が2015年の軍艦島世界遺産登録当時に全体の歴史を伝えるという約束を守らなかった前例を繰り返してはならないという点を明確にしたものと分析される。

◇「合意で解決しようと粘り強い努力」
 趙長官はこの日、ラオスのビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議を終えた後に記者らと会い、「日本が約束履行の意志を明確に見せるために、すでに現場に設置した展示物だけでなく、追悼式など関連の後続措置履行でも韓国政府と緊密に疎通し真正性ある姿を見せ続けることを期待する」と話した。
 その上で、韓国が佐渡金山の世界遺産登録に同意した背景と関連しては「韓国政府が2015年の教訓に基づいて日本と対決するよりは相互合意による問題解決に向け粘り強く努力した結果」と説明した。2015年の軍艦島登録当時を反面教師として今回は「話よりは行動」、そして「行動の担保」に力を入れたという意味だ。
 趙長官はまた「今後韓日間でどのような難しい問題があっても、知恵を集めて問題を解決することによって関係改善の流れを継続できることを望む」と話した。
 世界遺産委員会はこの日、インドのニューデリーで開かれた第46回ユネスコ全体会議で佐渡金山の世界遺産登録を決定した。韓国を含んだ委員国21カ国がすべて賛成しコンセンサス(全員合意)を成し遂げた結果だった。日本は「全体の歴史を反映すべき」という韓国の要求を受け、佐渡金山に近い相川郷土博物館に強制労働関連展示物を設置し、毎年追悼式を行うことにした。
 この日の登録直後、韓国外交部は「韓国政府は『全体の歴史』を佐渡金山の『現場に』反映するようにという国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告と世界遺産委員会の決定を日本が誠実に履行すること、また、これに向けて先制的措置を取ることを前提に登録決定に同意した」と明らかにした。

◇「辛い歴史反映が目標」
 外交部高位当局者もこの日記者らと会い、「無条件で日本が失敗するように登録を反対するのはわれわれの目標ではなかった。過去の影と辛い歴史まで正確に記録され反映されるようにすることが目標だった」と説明した。その上で、「これに伴い、交渉戦力を履行措置確保に投じた。もうひとつの結果を得たもの」と強調した。「今回の佐渡金山合意も結局記録として残り、それが日本を縛っておく効果を持つ」としながらだ。
 ただ日本側はこの日、佐渡金山登録当時に2015年の軍艦島登録の際に明らかにした「朝鮮人が『自分の意思に反して(against their will)』動員され、『強制的に労役(forced to work)』した」という言及は特にしなかった。代わりに「世界遺産委員会関連決議及び同決議に関連する自らのコミットメントに留意」するとだけ明らかにした。一部で日本側が2015年と違い今回は強制労働を明確に認めていないのではないかという指摘が出る背景だ。
 これと関連し、外交部高位当局者は「繰り返して表現しなかっただけであり(『留意する』という表現に)過去の約束をそのまま継続するという意味が込められているもの。表現をめぐって交渉力を浪費するよりは、それ(強制労働認定)はすでにわれわれが得たもののためもう一度コンファーム(確認)だけすればよいもので、より良い履行措置を得ようとした」と説明した。
 同当局者は、日本が2015年の軍艦島に続き今回の佐渡金山に関しても登録当時に約束した後続措置をまともに履行しない場合、「国際社会での評判にひびが入るだろう」と警告することもした。彼は「世の中に無料はない。韓国政府は、佐渡金山は佐渡金山として、近代産業施設遺産(軍艦島など)はそれとして、日本に後続措置履行を促すだろう」と強調した。


「The Hankyoreh」 2024-07-27 07:10
■「軍艦島」で約束未履行の日本に迎合…尹政権、佐渡鉱山の世界遺産登録に暫定合意

【写真】日本の佐渡鉱山を代表する相川金銀山で明治時代以降に建設された坑道。曲がりくねった狭い江戸時代の坑道とは違い、比較的広くて滑らかに掘られている。佐渡鉱山には2000人以上と推定される朝鮮人が太平洋戦争中に日帝によって動員され、苛酷な環境で強制労働をさせられた/聯合ニュース

 韓国政府と日本政府が日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人強制動員が大規模に行われた新潟県の佐渡鉱山(佐渡島の金山)の世界遺産登録に暫定合意したことがわかった。日本は佐渡鉱山の関連施設に「全体の歴史」を反映することを約束したが、「強制動員」を明記するかどうかについては現時点では不明だ。
 外交部当局者は26日、記者団に「難しい過程が終わり、なんとか韓日合意が最終段階に至り、今後24時間以内に特別なことが起きないかぎり、明日のインドのニューデリーでの世界遺産委員会で、投票対決なしでの佐渡鉱山の世界遺産登録が予想される」と述べた。世界遺産委員会は27日に会議を開き、佐渡鉱山をはじめとする新規登録案件28件を審査する予定だ。世界遺産登録の是非は慣例上、世界遺産委員会の21カ国の委員国の全員同意方式で決定されるが、韓国も委員国に含まれている。
 同当局者は、韓国が佐渡鉱山の世界遺産登録に合意した理由として「日本が全体の歴史を反映することを約束し、そのための実質的な措置をすでに取った」からだと説明した。それとあわせて、「今回は(2015年に日本の近代産業施設である軍艦島の登録のときとは違い)日本の履行の約束だけを受けたのではなく、履行の具体的な内容について合意し、実質的な措置を引き出した」と付け加えた。
 これに先立ち、ユネスコの諮問機構である国際記念物遺跡会議(ICOMOS、イコモス)は、3つの主軸となる勧告事項(商業採掘再開禁止の約束▽江戸時代後の遺産が多く残る区域の除外▽一部の遺産の緩衝区域の拡張)に加え、先月、新たに「追加勧告」項目を通じて、「全体の歴史を現場の水準で包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設や設備などを備える」ことを注文した。「全体の歴史を反映しなければならない」とする韓国の要求を反映したものだ。
 争点は、朝鮮人強制動員の「強制性」がどのように反映されるかだ。佐渡鉱山の朝鮮人強制動員を認めると同時に、それを伝える展示が適切に履行される方法が必要だ。すでに議論になった先例があるためだ。日本政府は2015年7月、端島(軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」23カ所の世界遺産登録の審査過程で、朝鮮人の強制労働の事実を公式の場で認め、「全体の歴史」を理解できる施設を作ると言いながらも、約束を履行しなかった。
 民族問題研究所は声明を出し、「韓国政府は日本が適切に記録できるよう、最後まで外交的努力を尽くさなければならない」と求めた。
シン・ヒョンチョル記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-07-27 00:17


「聯合ニュース」 2024.07.28 09:54
■佐渡金山の世界遺産登録 韓国外相「後続措置で誠意ある姿勢を」
【ビエンチャン聯合ニュース】韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官は27日、ラオスの首都ビエンチャンでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議後に行った記者会見で、「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録されたことについて、「(日本が)現場に設置した展示物はもちろん、追悼式など関連後続措置の履行においても、わが政府(韓国)と緊密に意思疎通を図りながら誠意ある姿勢を示すことを期待する」と述べた。
 また、「今後、両国間でいかなる難しい問題があっても共に知恵を集め問題を解決することで、関係改善の流れをつなげていくことを望む」と表明した。
 佐渡島の金山は日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場であり、韓国は全体の歴史が忠実に反映されなければならないとの立場を示してきた。日本がこれを反映すると約束し、韓国は今回、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で登録に賛成した。
 ただ、日本側は世界遺産委員会で朝鮮半島出身者への強制労働について明確に言及せず、世界遺産委員会の決定とこれと関連した日本の約束を守ると述べるにとどめた。このため、日本の「誠意ある姿勢」を疑う見方もある。


「聯合ニュース」 2024.07.26 20:33
■佐渡金山の強制労働被害者遺族 各国に嘆願書「歴史の記録を」=韓国
【ソウル聯合ニュース】日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦した新潟県の「佐渡島の金山」を巡り、同地で労働を強いられた韓国人被害者の遺族らが世界遺産委員会の21の委員国に朝鮮半島出身者が同地で強制労働の被害を受けた事実を記録することを求める嘆願書を送った。
 被害者を支援する市民団体「民族問題研究所」が26日、明らかにした。同地であった強制労働の実態などをまとめた韓日市民団体の共同調査報告書も添えられたという。
 被害者遺族は嘆願書で、「佐渡金山が人類全体の世界遺産として歓迎されるためには、われわれの父親たちがそこで流した血と汗と涙、強制労働の歴史が必ず記録されなければならない」とし、被害者の名前を必ず記憶してほしいと訴えた。
 民族問題研究所は「韓国政府は違法な植民地支配の過程で自らの意思に反して佐渡金山に連れて行かれ、苦痛を受けた徴用被害者の歴史を日本政府がしっかりと記録するよう最後まで外交的努力を尽くさなければならない」と強調した。
 「佐渡島の金山」の審査は27日に行われ、韓国を含む21の委員国が全て同意すれば登録される。朝鮮半島出身者の強制労働など「全体の歴史」の反映を韓国が求め、日本側が受け入れたことで、特別なことがない限り、登録される見通しだ。


 「中央日報日本語版」 2024.07.26 16:11
■「佐渡金山」韓日暫定合意…「日本『朝鮮人労役の歴史』知らせる措置すでに講じている」
 日帝強占期に約2000人の朝鮮人が連行されて強制労役に苦しめられた場所である佐渡金山が、このような歴史的事実を明示する条件で国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録される見通しだ。日本はすでにこのための措置に着手した。
 韓国外交部当局者は26日、記者団と会って「厳しいプロセスの末に辛うじて韓日合意が終盤に至り、今後(登録されるかどうか決定されるまで)24時間内に特別なことが起きない限り、投票対決なしで佐渡金山の世界遺産登録が予想される」と話した。
 佐渡金山の世界遺産登録は27日、インド・ニューデリーで開かれるユネスコ世界遺産委員会(WHC)第46回会議で決まる。通常、世界遺産の登録は加盟国のコンセンサス(全員合意)によって決まる。
 これに関連し、日本は先立って佐渡金山の登録を申請しながら、その対象期間を江戸時代中心の16~19世紀中盤に限定し、金鉱の価値だけを印象づけた。太平洋戦争当時、軍需物資調達のために朝鮮人を連行して強制労働させた事実を冷遇したという批判が出てきた。
 これに対して韓国は強制労役事実を含めて佐渡金山の「全体の歴史」を反映するべきだと主張して日本と水面下で交渉を繰り広げてきた。特に韓国がWHC委員国の地位を有している点を根拠に「日本側が全体の歴史を反映しない場合、登録のためのコンセンサスを阻止する」という断固とした立場を取った。
 委員国が1国でも反対すればコンセンサスは不可能で、投票を通じて委員国の3分の2以上が賛成してこそ登録が決まる。票確保のための外交戦も容易ではないが、このように投票まで進む状況自体が一種の「傷」として記録に残ることになる。
 外交部当局者が「投票対決」に言及したことは、このような状況まで進まないように両国が暫定合意に至ったという意味だと解釈することができる。当局者は「我々が(コンセンサス)登録に同意した理由は、日本が全体の歴史(whole history)を反映すると約束し、このために実質的な措置をすでに取ったため」と説明した。
 また「今回は(2015年軍艦島など日本近代産業施設登録の時とは違い)日本の履行約束だけを取り付けたのではなく、履行の具体的内容に対して合意し、実質的な措置を引き出した」と説明した。
 これに先立ち、日本は2015年軍艦島の登録時にも太平洋戦争時期は外したまま登録を試みて、結局朝鮮人が強制的に労役した事実を認めて、現場でこれを知らせて追悼するための施設を設置することを約束した。だが、軍艦島のある長崎ではなく東京に「産業遺産情報センター」を設置して、強制徴用関連の歴史を歪曲(わいきょく)する内容を展示するなど約束をまともに履行しなかった。
 これに対して韓国政府は、今回は言葉ではなく行動を担保することを目標にした。当局者が言及した「実質的な措置」の「具体的な内容」はまだ公開されていない。
 ただしユネスコの諮問機構である国際記念物遺跡協議会(ICOMOS・イコモス)が先月、佐渡金山に対して「全体の歴史を現場水準で包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備などを備えること」を勧告したことから、これを履行する方向の措置が取られたものとみられる。
 これに関連して、朝日新聞は26日、朝鮮人強制徴用の歴史事実を含む全体の歴史を現場で展示することで韓日両国が合意したと報じた。同紙は「日本政府は韓国側の要求に一定程度歩み寄る方針を固め、朝鮮半島出身の労働者の存在を現地の展示で紹介することや、世界遺産委でこうした立場を表明する」と伝えた。

  
「聯合ニュース」 2024.07.26 08:57
■ASEAN関連会議で韓日外相会談開催へ 佐渡金山の登録問題議論か
【ビエンチャン聯合ニュース】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に合わせ、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官は26~27日、上川陽子外相、中国の王毅・共産党政治局員兼外相とそれぞれ会談する見通しだ。
 韓日外相会談では、朝鮮半島出身者が強制労働させられた「佐渡島の金山」(新潟県)の世界文化遺産登録をめぐる問題が協議される可能性がある。
 インド・ニューデリーで26日に始まる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は27日に予定している新規登録の審議で、日本が推薦した「佐渡島の金山」の登録可否を決める。韓国と日本のいずれも投票権を持つ。
 韓国側は、登録に際しては朝鮮半島出身者が強制労働させられたことなど、全体の歴史に対する十分な説明が必要だという立場だ。
 趙氏は同問題について、「韓日間で最終交渉が行われている」と述べるにとどめた。
 日本側は韓国の要求を受け入れるかどうかについて、立場を示さずにいる。
 一方、趙氏は中国外相との会談では、ごみをくくりつけた風船の散布など北朝鮮の挑発やロ朝の軍事協力強化など、緊張する朝鮮半島情勢に対して懸念を表明するとともに、中国が朝鮮半島の平和・安定に向け建設的な役割を果たすよう求めるとみられる。


「聯合ニュース」 2024.07.25 19:50
■韓国国会 佐渡金山の世界遺産登録推進撤回求める決議
【ソウル聯合ニュース】韓国国会は25日の本会議で、日本政府に対し、新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録推進の撤回と、世界文化遺産に登録済みの「明治日本の産業革命遺産」(長崎など8県)を巡る国連教育科学文化機関(ユネスコ)勧告の履行を要求する決議案を採択した。

【写真】日本政府に佐渡金山の世界遺産登録推進の撤回などを求める決議案が国会本会議で可決された=25日、ソウル(聯合ニュース)

 決議案は出席議員225人全員が賛成して可決された。
 同決議は朝鮮半島出身者の強制労働があった佐渡島の金山の世界遺産登録を日本政府が目指していることについて深刻な遺憾を表明するとともに、歴史に対する日本政府の真の反省と責任ある姿勢を求めた。
 また「明治日本の産業革命遺産」については、強制労働があったという歴史の反映などユネスコ世界遺産委員会の決定や自ら約束した後続措置を日本政府が誠実に履行するまで、佐渡金山の世界遺産登録推進決定を撤回するよう強く要求することを韓国政府に促した。
 ユネスコ世界遺産委員会は26~29日にインドのニューデリーで開かれる。佐渡金山をはじめとする27件について登録の可否を審議する。
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韓米、「太平洋地域強制動員犠牲者」の遺骨発掘で協力

2024年08月09日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「中央日報日本語版」 2024.08.08 16:33
■韓米、「太平洋地域強制動員犠牲者」の遺骨発掘で協力

【写真】昨年12月1日、ハワイのDPAA前広場で、太平洋地域で初めて見つかった強制動員犠牲者チェ・ビョンヨンさんの国外追悼式で故人の遺骨が引き渡されている。[写真 韓国行政安全部]

 韓米が「太平洋地域強制動員犠牲者」の遺骨発掘と災害対応で協力する。
 韓国行政安全部は7日、米ハワイで米国国防総省傘下の戦争捕虜・行方不明者調査局(DPAA)と「太平洋地域で強制動員された韓国人犠牲者の遺骨発掘と身元確認分野協力」に向けた了解覚書(MOU)を締結したと明らかにした。
 今回の締結式には行政安全部の李祥敏(イ・サンミン)長官とDPAAのマッキーグ長官ら主要関係者が参加した。
 今回のMOU締結を通じ両国は太平洋戦争の韓国人犠牲者遺骨発掘と身元確認と関連し▽遺骨発掘調査参加▽科学的情報(検視、DNA標本抽出など)と技術データ共有▽相互協力プロジェクト推進▽専門・技術人材の訪問・交流――など、より具体的で実質的な業務協力基盤を設けることになった。
 行政安全部は「これまで遺骨試料採取、遺伝子分析にだけ限定されていた韓米間の協力体系を遺骨発掘分野にまで拡大し、韓国が太平洋の激戦地での遺骨発掘に直接参加することになったことに大きな意義がある」と説明した。
 太平洋地域の強制動員死亡・行方不明者は5407人に達する。行政安全部は昨年、DPAAとの協力を通じて日帝によりタラワ(現キリバス共和国首都)に強制動員され犠牲になったチェ・ビョンヨンさんの遺骨を韓国に奉還し追悼式を開催している。1943年11月20日から3日間続いたタラワの戦いに強制動員され死亡した韓国人犠牲者は1200人に達する。チェさんは激戦地のタラワで韓国人の身元を確認し韓国に奉還した最初の事例だ。これと関連して李長官はDPAAの献身と情熱に対し感謝牌を贈呈した。
 この日の業務協約式に先立ち、李長官とマッキーグ長官は対日抗争期の太平洋地域での犠牲者の遺骨発掘・確認と奉還拡大に向けた韓米間協力案について話し合った。
 李長官は「来年の光復(解放)80周年を控えて締結された今回の了解覚書が太平洋戦争犠牲者とその遺族に奇跡を贈る契機になるよう望む。故郷を懐かしみながら犠牲となった人たちの遺骨を家族の元に送り返せるよう積極支援したい」と話した。
 一方、李長官は了解覚書締結後、ハワイ緊急事態管理庁を訪問し、自然・社会災害対応に向け両国の災害安全政策を共有し、昨年山火事で被害を受けたハワイ僑民に対する支援プログラムなど韓米の協力強化策も話し合った。ビッグデータを活用した早期警報システムと民防衛情報システムなど最新災害警報機術の共有、地震・津波など多様な危険要因に対する対応力強化に向けた情報交流と技術協力強化が主要議題として取り上げられた。
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