喫茶文化館

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イラン 廃墟の町の喫茶店 バム

2005-12-26 18:40:15 | 中東の喫茶店
2年前の今日、2003年12月26日。イラン東部のケルマーン州に地震が起こり、ケルマーン州最大の遺跡アルゲ・バムのあるバムも人口の約半数ほどの方が亡くなるという大惨事に見舞われました。
私がバムを訪れたのはこの地震の約2週間前です。
アルゲ・バムは2000年ほど前から存在したと言われる城塞都市でした。日干し煉瓦を積み上げた巨大遺跡は訪れるものを圧巻し続けていたに違いありません。事実、多くの世界遺産を抱えるイランの中でも素晴らしい遺跡の一つと言っても過言ではないでしょう。
そして城塞の奥にひっそりと喫茶店(チャイハネ)があり、旅人の心をとても和ませていたのです。地震後バムを訪れていないのであの喫茶店がどうなったか知る由もありませんが、バムそのものが壊滅状態だという報道がされているので、城塞の上に建てられていたチャイハネはかなり危険な状態だったはずです。
チャイハネは中に入ると少し薄暗いのですが、小窓から少し光が差し、まるで「お家の中」にいるようなアットホームな喫茶店でした。お茶を頼むとハンドメイドかな、と思う心温まるクッキーをお店の女性が出してくれた事を思い出します。
アルゲ・バムは崩れたまま2004年に世界遺産に登録されました。
地震で被害にあわれた方と心温かいバムの人々に早く笑顔が戻る日をお祈りしております。
注:写真は地震前のバムです