kiss Blog

ワタシKISSの思っている事、気づいた事などを書きなぐっています。どぞ宜しく・・・・。

音楽CDのMP3ファイルへの変換2

2005年05月04日 17時07分33秒 | 雑感書きなぐり
ExactAudioCopy を使う方法

CDの完璧なリッピングにこだわりたい人は EAC を使うべきである。しかし、EAC は初心者向きのソフトではない。最初の設定が結構難しい。しかしそれさえ乗り越えてしまえば、その後の使い方は簡単である。

ExactAudioCopy (EAC) を使えば1枚のCD全体を1つのMP3ファイルに変換できる。トラック間に切れ目のないノンストップCDをトラック単位で複数のMP3ファイルに分割して再生すると、トラック間にギャップができたり、トラックの境目にノイズが発生する場合がある。しかし、CD1枚をまるごと1つのMP3に変換すれば完全なギャップレス再生が実現される。その代わりトラック単位での再生ができなくなるので、トラック単位に分割されたMP3ファイルも作成しておいた方が良いだろう。
EAC を使えるようにする

まず次の解説を読んで EAC で音楽CDをパソコンに取り込めるようにしておく。

* ジギルさんの解説 http://www.iriver.co.jp/community/column.php?ETC1,community,56

ただし、曲タイトルなどが文字化けしないように FreeDB サーバーを

* http://freedbtest.dyndns.org:80/~cddb/cddb.cgi
* http://ns.w7r.net:80/~cddb/cddb.cgi

のどちらかに設定しておいた方が良い。 (おそらく後者の方が良い。) また、この解説では Ogg Vorbis ではなく、 LAME を使うことを前提にするので、以下の「EAC で LAME を使えるようにする」も参考にして欲しい。 (もちろん高音質を目指すために Ogg Vorbis を使いたい人はそうした方が良いだろう。)

以下の解説は非常に参考になる。

* http://musicpc.fc2web.com/
* http://homepage2.nifty.com/yss/eac/eac.htm

以下ではすでに EAC を使えるようになっていることを仮定する。
EAC で LAME を使えるようにする

この解説では LAME を使って MP3 ファイルに変換する方法を採用する。

まず http://www.rarewares.org/mp3.html から LAME 3.96.1 stable bundle のアーカイブをダウンロードして展開し、その中の lame.exe を C:\lame\lame.exe に移動する。以下では lame.exe が C:\lame\lame.exe にあることを仮定して解説を進める。

C:\lame\lame.exe

次に EAC で LAME を使ってエンコードするように設定しよう。 EAC を起動して「EAC → エンコードオプション → 外部エンコーダ」と選択して以下のように設定する。

* エンコードに外部プログラムを使用する = オン
* エンコーダ別パラメータ = LAME MP3 Encoder
* エンコードに使用するプログラムをパスを含めて指定 = C:\lame\lame.exe
* 追加のコマンドラインオプション = (空白にする)
* ビットレート = 128 kBit/s
* エンコードが終了したらWAVファイルを削除:オフ (安全のために絶対にオフにする!)
* ID3タグを追加 = オン
* 「追加のコマンドラインオプション」が空ならば高音質・低音質の設定は関係ない。他のオプションはデフォルトの設定のままで構わない。

ファイルサイズを犠牲にしてより高音質にしたければ「ビットレート = 192 kBit/s」などに設定する。ファイルサイズは128kbpsでは1分あたり1MB弱の大きさになり、192kbps では1.5倍になる。

注意:上のエンコードオプションの設定は多くの人にとってかなり満足できる音質を実現するが、実はもっと良い設定の仕方が存在する。その設定については「EAC で外部エンコーダーのオプションを設定」で説明してある。しかし、初めて EAC を使う人は上の設定で試してから先に進んだ方が良いだろう。

初心者にとって http://musicpc.fc2web.com/mp3.htm の解説も参考になるかもしれない。しかし、その解説では「エンコードが終了したらWAVファイルを削除」がオンのままになっているので、安全のためオフにすることを忘れないようにしなければいけない!

念のためにファイル名の設定などを確認しておく。まず「EAC → エンコードオプション → IDタグ」と選択して「ID3タグからファイル名設定」の項目を確認しておく。私の設定は次のようになっている。

* ID3タグからファイル名設定 = %N %T

次に「EAC → EACオプション → ファイル」と選択して「保存するファイル名の設定」を確認する。私の設定は次のようになっている。

* ファイル名設定 = %N %T
* 複数のアーティストを含む時の設定を使用する = オフ
* スペースをアンダースコアに置換する = オフ

最後に「EAC → EACオプション → ディレクトリ」と選択して「取り込むファイルを保存する標準ディレクトリ」を確認する。私の設定は次のようになっている。

* 毎回尋ねる (デフォルトでは前回使用したディレクトリを表示) = オン

以上の設定によって EAC で MP3 ボタンを押すことによって CD を MP3 ファイルに変換できるようになったはずである。念のために実際に CD をパソコンのドライブに入れて CD ボタンを押してトラック単位に MP3 ファイルが生成されるかを確かめてみた方が良いだろう。
CD全体を1つのMP3ファイルに変換

まず、EACを起動し、CDをパソコンのCDドライブに入れて

アクション → CDイメージをコピーしCUEシートを作成

を実行して CDImage.wav と CDImage.cue を作成する。CDイメージの取り込みが終わるまでお茶でも飲みながら待つ。パソコンの構成によって5分から十数分程度の時間がかかる。

次に、CDImage.wav をMP3ファイルに圧縮しよう。

ツール → WAVファイルエンコード

で CDImage.wav を選択してエンコードして、 CDImage.mp3 を作成する。これで1枚のCDがまるごと1つのMP3ファイルに変換された。上の設定では128kbpsでのエンコードなので CDImage.mp3 の大きさは CDImage.wav の11分の1程度になっているはずである。たとえば750MBの CDImage.wav は 70MB 程度に圧縮される。

エクスプローアで CDImage.wav、CDImage.cue、CDImage.mp3 のすべてが CDImage と表示されて困っている人がいるかもしれない。そういう人はこのページの最初に注意しておいたように「登録された拡張子は表示しない」のチェックを外しておかなければいけない。

最後に CDImage.mp3 にタグ情報を入力しよう。 EACの

ツール → ID3タグ編集

で CDImage.mp3 のもとになったCDのアーティスト情報などを入力する。もちろんSuperTagEditor改造版を使ってもかまわない。

CDImage.mp3 のファイル名を内容がわかり易いもの (たとえば「アルバム名.mp3」のような名前)に変えて適当な場所に移動しておいた方が良いだろう。 (CDImage.wav の方の名前は書き変えない方が良い。書き変えた場合には CDImage.cue の編集が必要になる。)
CDイメージの活用の仕方

CDImage.wav にはCDの内容の全体が記録されており、 CDImage.cue には CD のトラック情報が記録されている。 CDをこの形式でパソコンに取り込んでおけば、CDをパソコンのドライブに挿入することなく、CDの内容のすべてを利用できるようになる。

1. ACDIR

にゃおちさん作のACDIRを使えば、 CDImage.wav と CDImage.cue から最新の lame.exe や oggenc.exe を用いてトラック単位に分割された MP3 ファイルや Ogg Vorbis ファイルなどを作成することができる。使い方の詳しい説明については次の文書を読んで欲しい。

* http://nyaochi.sakura.ne.jp/xoops/modules/wordpress/index.php?p=135
* http://nyaochi.sakura.ne.jp/xoops/modules/wordpress/index.php?p=134
* http://nyaochi.sakura.ne.jp/xoops/modules/wordpress/index.php?p=133
* http://nyaochi.sakura.ne.jp/xoops/modules/mysoftwares/tc_2.html (英語)
* http://web.archive.org/web/20031226111053/http://homepage3.nifty.com/nyaochi/soft/acdir/

使い方を簡単に説明。まずパスを通したフォルダに以下のファイルを置いておく。 (「パスを通したフォルダ」という言葉の意味がわからない人は自分で調べて欲しい。)

* acdir.exe、lame.exe、oggenc.exe
* cue2files.zip の中に入っているバッチファイル

たとえばコマンドプロンプトで cue2lame-medium.bat CDImage.cue を実行すれば CDImage.cue と CDImage.wav からトラック単位に lame.exe --preset medium でエンコードされた MP3 ファイルが作成される。エクスプローアで CDImage.cue を cue2lame-medium.bat の上にドラッグ&ドロップしてもよい。

2. CUESPLIT

ACDIR とほぼ同じ目的のために作られた CUESPLIT というソフトも存在する。その紹介が http://www.hydrogenaudio.org/forums/index.php?showtopic=32678 にある。そこには ACDIR に関する有用な解説もあるので ACDIR を使いこなしたい方は見ておいた方が良い。

3. DAEMON Tools

DAEMON Tools (個人利用のみフリーのシェアウェア) を使ってマウントすることによって、 CDImage.wav + CDImage.cue を仮想的なCDとして扱うことができる。

* http://www.xucker.jpn.org/pc/daemontools.html
* http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se230607.html

DAEMON Tools でマウントできる EXTRA-CD のCDイメージは DiscJuggler Demo Edition や Discdump で作成することができる。

* http://pro-g.livedoor.com/download/dj4.html
* http://www.padus.com/downloads/demo.php
* http://www.xucker.jpn.org/pc/discdump.html
* http://come.to/ddumpfrontend/

EAC で Ogg Vorbis を使う

EAC で Ogg Vorbis エンコーダーを使って CD をリッピングするための設定について説明しよう。

まず、 http://www.rarewares.org/ogg.html から Oggenc2.5 using libVorbis POST 1.1.0 SVN with IMPULSE_TRIGGER_PROFILE Option のアーカイブをダウンロードする (よほど古いパソコンを使っていない限り P4 Only のバイナリをダウンロードすればよいだろう)。そのアーカイブを展開すると現われる oggenc*.exe を C:\vorbis\oggenc.exe に移動する。以下では oggenc.exe が C:\vorbis\oggenc.exe にあることを仮定して解説を進める。

C:\vorbis\oggenc.exe

次に EAC で oggenc.exe を使ってエンコードするように設定しよう。 EAC を起動して「エンコードオプション → 外部エンコーダ」と選択して以下のように設定する。

* エンコードに外部プログラムを使用する = オン
* エンコーダ別パラメータ = Ogg Vorbis Encoder
* エンコードに使用するプログラムをパスを含めて指定 = C:\vorbis\oggenc.exe
* 追加のコマンドラインオプション = -a "%a" -t "%t" -l "%g" -d "%y" -N "%n" -G "%m"
* ビットレート = Quality 4 (medium)
* エンコードが終了したらWAVファイルを削除:オフ (安全のためにオフにしておく)
* 他のオプションはデフォルトの設定のままで構わない。
* OKボタンを押して設定を終了する。

EAC Ogg Vorbis 設定 quality 4

「ビットレート = Qaulity 4 (medium)」という設定にするとほぼ 128kbps 程度の Ogg Vorbis ファイルができる。「ビットレート = Variable Bitrate 128kBit/s」と設定するよりも「ビットレート = Qaulity 4 (medium)」と設定する方が好ましい。

音質を改善したければビットレートを上げればよい(ファイルサイズは大きくなる)。たとえばビットレートを 192kbps 程度にしたければ次のように設定する(ファイルサイズは1.5倍になる)。

* 追加のコマンドラインオプション = -a "%a" -t "%t" -l "%g" -d "%y" -N "%n" -G "%m"
* ビットレート = Quality 6 (medium)

EAC Ogg Vorbis 設定 quality 6

逆に音質を犠牲にしてファイルサイズを半分程度 (64kbps程度) にしたければ次のように設定する。

* 追加のコマンドラインオプション = -a "%a" -t "%t" -l "%g" -d "%y" -N "%n" -G "%m"
* ビットレート = Quality 0 (very low)

EAC Ogg Vorbis 設定 quality 0

iriver の iFPシリーズなどのように再生できる Ogg Vorbis ファイルのビットレートに制限がある機種を使う場合にはビットレートの上限と下限を指定してエンコードを行なわなければいけない。たとえば平均的なビットレートを 128kbps 程度にし、96kbpsから192kbpsのあいだにビットレートが収まるようにしたければ次のように設定する。

* 追加のコマンドラインオプション = -m 96 -M 192 -a "%a" -t "%t" -l "%g" -d "%y" -N "%n" -G "%m"
* ビットレート = Variable Bitrate 128kBit/s

EAC Ogg Vorbis 設定 ABR 128kbps, min 96kbps, max 160kbps

「追加のコマンドラインオプション」が長すぎて右側が切れていることに注意。

このようにして作った Ogg Vorbis ファイル以外を iriver の iFP シリーズで再生しようとすると「NOT SUPPORTED OGG FORMAT」 (サポートされていない OGG FORMAT) というエラーメッセージが表示されて再生できなくなるかもしれない。

oggenc.exe には幾つか変種がある。個人的におすすめなのは Ogg Vorbis 高速化プロジェクト http://homepage3.nifty.com/blacksword/ の OggEnc_SSE_*.zip のような名前のアーカイブに入っている「高速版 aoTuV beta 3」の oggenc.exe である。その oggenc.exe を C:\vorbis\ 以下にコピーすれば以上の設定のままで「高速版 aoTuV beta 3」の oggenc.exe を使うことができる。この高速版 oggenc.exe はオリジナルの oggenc.exe の倍程度の速さでエンコードしてくれる。 Ogg Vorbis 高速化プロジェクトのおかげで Ogg Vorbis エンコーダーが遅いという評判は過去のものになってしまった。

最近の Vorbis エンコーダーの音質改善に関しては蒼弓さんの貢献が大きい。蒼弓版の Vorbis エンコーダーは aoTuV と名付けられている。 aoTuV beta 2 は128kbpsの試聴試験でトップの成績を収めている。
EAC で外部エンコーダーのオプションを設定

lame.exe などをビットレートを指定するのではなく、オプションを指定して起動したい場合にはエンコードオプションで「ユーザー定義のエンコーダ」を使う方が良い。その理由は「ツール → WAVファイルエンコード」を試してみればわかる。

lame.exe を EAC で有効活用するための設定は「ExactAudioCopy における LAME の設定の仕方」で解説されている (EAC で LAME を使いたい人にはおすすめの設定)。
EAC で Gracenote CDDB を間接的に利用する

QCD Player や Winamp や iTunes のようなメジャーなソフトは CD のデータベースとして Gracenote CDDB を利用している。しかし、 EAC では直接的に Gracenote CDDB を利用することができない。しかし、 Player というソフトを利用して Gracenote から CD の情報を取得してそれを cdplayer.ini に登録し、 EAC に cdplayer.ini から CD の情報を取得させることによって、 EAC でも間接的に Gracenote CDDB を利用することができる。

Player は http://www.vuplayer.com/player.htm からダウンロードできる。ダウンロードした playersetup.exe を起動すれば Player をインストールできる。

私は version 2.3 をダウンロードして日本語化して使っている。 Player の日本語化パッチは http://downloads.at.infoseek.co.jp/ からダウンロードできる。私は 2003/01/12 Player v2.3 の player23j.lzh をダウンロードして展開すると出て来た player23j.EXE を Player 2.3 がインストールされている C:\Program Files\Player\ に移動して起動することによって日本語化パッチをあてた。

Player 日本語パッチ

Player を起動して「ファイル → オプション → 一般」と選択し、「ディスク情報を自動的に検索」と「自動的に cdplayer.ini をアップデート」にチェックを入れる。これで Player の設定完了である。

Player オプション選択 → Player 設定

Player が起動された状態で CD をパソコンのドライブに入れると自動的に Player が Gracenote に問い合わせて CD 情報を取得して cdplayer.ini に登録する。もしもその作業が自動的に進まなかったら、下向きの太い矢印の「ディスク情報を検索」ボタンを押す。この作業を繰り返せば複数の CD の情報を cdplayer.ini に登録できる。しかし EAC と Player を同時に起動するという使い方の方が便利だろう。

EAC で CD の情報を cdplayer.ini から取得するためには、「データベース → CD情報取得 → CDPLAYER.INI」と選択する。

わかり易い解説が http://homepage3.nifty.com/nanahoshi/player/player.html にある。
コメント

1. EACを使えばどのようなCCCDであってもリッピングできると思っている人がいるようだが、それは間違いである。 CCCDがパソコンでリッピングできるか否かは、どのソフトを使うかではなく、パソコンのCDドライブとリッピングしたいCCCDの相性でほとんど決まってしまう。

2. 無圧縮ZIPをすすめる人は結構多いが、完全なギャップレス再生を望む人はCDイメージのMP3ファイルを作成する方法を使った方が良いだろう。一度やり方がわかればそう難しくない。

3. MP3 の規格ではトラック単位に分割された複数の MP 3ファイルを真のギャップレスで再生することは不可能であるが、 Ogg Vorbis の規格はそれが最初から可能になるように設計されている。 (MP3 でも非公式の規格である LAME タグに対応すれば真のギャップレス再生が可能になる。) しかし、現在 (2005年3月7日) の時点で Ogg Vorbis のギャップレス再生に対応した携帯デジタルオーディオプレーヤーは販売されていないようである。 (LAMEタグ対応の携帯プレーヤーもない。) Ogg Vorbis の再生に完全対応することによって高音質とギャップレス再生の両方を実現することは、他社に差を付けたいメーカー側にとっても、音楽を楽しみたいユーザーの側にとってもメリットがある。是非とも実現してもらいたいものである。

最新の画像もっと見る