詩の散歩道


日々思うことや静かになれる詩、本を紹介していきます。

木枯らしが吹いたら/銀座WEST

2006年12月11日 | place(cafe,shop…)



最近寒い日が続いていたためか、身体が慣れてきて
過ごしやすくなってきた。
だが、木枯らしの吹く日は少し違う。
風がコートを突き抜けて、
暖房のきいた部屋ではしっかりしていた気持ちも
細く細くなってしまう。
そしてそんな日は、私は理由をつけて紅茶やコーヒーの美味しいお店に足を運ぶ。
そういう場所の一つがこのお店だ。
ここでは「風の詩」という一般から応募した詩や
エッセイを週替わりでHPやお店のリーフレットに
載せるなどして、心豊かな時間を提供している。

さて、紅茶をいただいて温まったところで
また外へ。

思えばあと少しで1年も終りだ。
来た時とは違って、どこかなつかしい匂いのする木枯らしが
私の横を吹き過ぎていった。


銀座WEST
http://www.ginza-west.co.jp/


BOOK CLUB KAI

2006年12月04日 | place(cafe,shop…)



この間スピリチュアルな本を集めた本屋
「BOOK CLUB KAI」に行った。

一階の地下への入口からなだらかな螺旋上の階段を降りて
サザエの壷に入り込んでいくような感覚でドアを開ける。

部屋の中にはカラーセラピーなどの本の他に、
あわびの貝の上で草のようなものを燃やして
空間を浄化させるという
何やら一見妖し気なものまで揃っている。

それでもやはり居心地がよくて、
気がついたら3時間ほど同じような場所をぐるぐると回っていた。

最近は前のめりになるほど興味がわく本に出会うことが多く、どうしても併読になってしまう。

今読んでいるのは「箱庭療法 こころが見えてくる方法」
(精神分析に関する本で、箱庭の形で無意識下にあったものが表現される。なぜこの子は極彩色の鳥をその場所に配置したのか、など引き込まれていく面白さがある。また、ユングが幼少の頃、自分の感情が傷付くと屋根裏部屋に密かに置いている筆箱の中の人形とすべすべとした石をそっと開けに行く、などのエピソードも興味がそそられる。)

「魔女の薬草箱」
(魔女が空を飛ぶ際に使うと言われていた軟膏の薬草危険レシピ集。よく聞くあの花はそんなに毒が強いのか、と驚かされる。)

外へ出ると、空は少しずつ夕暮れに近付いていた。
帰り道、ユングのエピソードをもう一度思い出す。
光がわずかに入る場所でユングの手のひらにおさまった人形とすべすべの石、その危うく落としてしまいそうな重みを小さな手のひらで感じていることを想う。

自分がどれほど不安定でも「変わらない」ものへの想いを心に刻み、自分を保とうとしていたのだろうか。

結局は本に愛着を持つ私も、知識欲を満たす以前に
「不変の」何かを求めて心に刻み付けようとしているのかもしれない。

少し寒いな、と感じたら自分の内部への階段を
一段一段慎重に降りていくのもいいのかもしれない。


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BOOK CLUB KAI

http://www.bookclubkai.jp/

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