8月中とは思っていたものの、はっきりとはわからなかったヤギの出産日。
3日ほど前に母ヤギが大きな棚の後ろの日陰で休んでいるのを確認したその翌日に
すっかり毛が乾いて落ち着いている子ヤギがいて驚きました。それも2匹です。
きっと、棚で母ヤギを見た時には生まれていたでしょうに
ヤギは、自分を含む人間のように誰かの手を借りなければ出産できないわけではないのを
言い訳に、気が付いたら終わっていました。
直ぐ近くに60cmほどの高さに置いてある材木があるのですが、
なんとその上に胎盤が残っていました。
幅20cmくらいしかないのに、ここで産み落としたようで、
本当に、なんて生きる力があるのだろうと、言葉もありませんでした。
普通は、その胎盤を食べてしまうのですが、さすがにそれは無理だったようです。
でも、その日の午後、再び見ると、胎盤がありません。
きっとカラスが持っていたのでしょう。
ただただ、生きるために、生きる動物たち。
今、様々な人間の目線で苦しみ、悩み、いたたまれない気持ちで息を潜めている方々に。
また、この暑いのに、罪のない方々に冷たい視線を無意識にでも送っている方々に。
人知れず、母親だけで子どもを産み落とし育てているヤギの姿からも
この世に生まれてきた、そのことだけが全ての子ヤギたちからも。
なにかしらの心あたたまるエネルギーを受け取ってもらいたいと
思うのです。
汗をかいた私の腕をなめ、塩分補給する母ヤギの舌も生あたたかで、
それは、ちょっと勘弁してほしいと思いつつ
なめられるがままに、腕を差し出しておりました。