2024年06月28日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[#84 洋上風力発電と漁業 海外の経験 英国 BP 雇用凍結 新たな洋上風力発電PJ停止へ]
日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。
世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。
一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。
エネルギー世界大手の一角を占める英国BPは、雇用凍結を実施し、新たな洋上風力発電プロジェクトを停止する。
新社長マレー・オーチンクロスは、同社の株価を圧迫していた化石燃料からの撤退を撤回した。
BP幹部は、不満を持つ投資家への対応として、雇用を凍結し、新たな洋上風力発電プロジェクトを停止する。
BPの元財務責任者オーチンクロスは、前任者のバーナード・ルーニーの電撃退任後、株主への価値提供に注力すると約束し、2024年1月に社長に就任した。
BPは、一部の再生可能エネルギー・プロジェクトに予想以上にコストがかかることが判明し、ロシアによるウクライナ侵攻後に石油とガスからの利益が急増しており、環境目標をめぐって株主から圧力を受けている。
BPのライバルであるシェルも2024年6月初め、グリーン成長への野心を縮小し、低炭素ソリューションに携わるスタッフを約200人削減、利益率の高い石油プロジェクトに重点を移し、ガス事業を拡大するという独自の計画を発表している。
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