本年度のカンヌ映画祭・パルムドール賞を受賞した是枝監督の話題作。
「万引き家族」は7人。父親・柴田治(リリー・フランキー)と母親・信代(安藤サクラ)は今では夫婦だが、二人は信代の前の夫を殺し、治にはその前科があるようである。この父親と母親のもとに、信代の妹・亜紀と本当の子ではないがわけありで一緒に暮らしている2人の子どもがいる(それぞれ別々の家族の子)。生活の糧は、老婆(樹木希林)の年金である。この家族の話が「万引き家族」である。
子どもたちは堅苦しい親のもとから逃げてきた少女、子育てに無関心な親の元をはなれた男の子。一番小さいさい女の子は仲の悪い無責任な親のところで食事もろくにあたえられず、それをかわいそうにおもった治がなかば誘拐してつれてきた子である。彼らは貧しいながら、それなりに人間くさい生活をしている。しかし、経済基盤は悲惨で、治は日雇労働者、女親は洗濯屋でアルバイトでわずかの収入を得ている。少女は怪しげなJKサロンで金を稼いでいる。そして常習化している治と子どもたちの「万引き」。
映画の半分以上はこの家族のいろいろなエピソードを挟んで、是枝監督一流のたんたんとしたカメラワークで進んでいきます。そして、後半3-40分ぐらいから急に「展開」します。
このような家族を生みだした日本社会の体質の脆弱さ(声高に主張するのではなく、それをじわっと感じさせる手法)で、心に涙のダムができました。
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