社会統計学論文ARCHIVES(人生という森の探索)

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坂寄俊雄「人口高齢化の不均等発展について-都道府県及び市町村における-(2)(3)」『立命館経営学』第21巻第1号,1982年5月;第21巻第3号,1982年9月【その2】

2018-06-17 11:38:31 | 社会統計学・社会科学方法論アーカイブズ
 次に山口県の例示である。筆者は島根県と同様に,男女の配偶関係,雇用関係,世帯類型,家計収入に高齢化問題がどのように現れているかを整理している。中高年者(55歳五以上)の配偶関係では有配偶者の比率で男子のほうが女子よりも高い。45-49歳年齢層では男子の有配偶者比率は93.4%,女子のそれは80.8%,65-69歳年齢層では男子の有配偶者比率は89.9%,女子のそれは48.8%,75-79歳年齢層にいたっては男子の有配偶者比率は75.9%に対し女子のそれはわずかに22.8%である。死別状況をみると,45-49歳年齢層男子は0.9%,女子では5.9%である。65-69歳年齢層では,男子は7.4%に対し,女子は46.7%である。

  雇用関係を男子でみると,40-44歳年齢層から50-54歳年齢層までは,労働力率,就業者率及び完全失業率はあまり大きな変化はないが,年齢があがるにつれ労働力率が下がり,完全失業率が上がる。女子では中年の50歳代あたりから年齢の経過とともに,労働力率が低下し(60%前後),60-64歳年齢層では46.7%と著しく低下する。しかし,完全失業率は,年齢層にかかわりなく,0.5%程度である。

  世帯類型では,「65歳以上の親族がいて夫婦のみの世帯」の全世帯に対する比率は14.5%,「65歳以上の親族がいて核家族の世帯」のその値は22.5%である。「夫婦,子供と両親からなる世帯」と「夫婦,子供と片親からなる世帯」は合計で全体の39.6%であり,いわゆる3世代世帯が約4割である。「65歳以上の親族がいる単独世帯」は10.3%である。最後に家計収入の状況を調べると,「65歳以上の親族のみの世帯」では,「賃金・給料が主な世帯」(10.3%),「農業収入が主な世帯」(7.3%),「農業以外の事業収入が主な世帯」(8.2%)である。また,「恩給・年金が主な世帯」が58.3%,「生活保護が主な世帯」が5.0%。「雇用保険が主な世帯」が0.2%である。さらに「仕送りが主な世帯」が5.2%である。「65歳以上の親族のいる世帯」では,「賃金・給料が主な世帯」(47.5%),「農業収入主な世帯」(10.1%),「農業以外の事業収入が主な世帯」(13.5%)である。最も多いのが「恩給・年金が主な世帯」(22.3%)である。「生活保護が主な世帯」は1.6%になっている。「雇用保険が主な世帯」「仕送りが主な世帯」あわせて1.8%えある。これらの数値からも社会保障関係による所得保障の役割が大きいことがわかる。「65歳以上の親族がいる世帯」はかなり困難な生活をおくっている。

  「人口高齢化の不均等発展について(3)」は,都道府県における市町村レベルの人口高齢化の実態を比較している。その方法は,1980年の高齢化の程度が大きい「地方」ごとに,全国平均(65歳以上人口比率9.0%[1980年],同11.6%[1990年],同15.57%[2000年])をこえる区市町村を数え,それぞれの都道府県に存在する区市町村数に対するその比率を計算して考察するというものである。考察の順は,中国地方(島根,岡山,鳥取,広島,山口),四国地方(高知,徳島,愛媛,香川),九州地方(鹿児島,大分,熊本,佐賀,宮崎,長崎,福岡,沖縄),中部地方(静岡,福井,新潟,富山,石川,山梨,静岡,愛知,三重,岐阜),東北地方(山形,福島,秋田,宮城,岩手,青森),近畿地方(和歌山,兵庫,京都,滋賀,奈良,大阪)関東地方(東京,神奈川,千葉,埼玉,茨城,栃木,群馬),北海道地方(北海道)である。計算結果の形式的叙述に終始している。(終わり)
      
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