【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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「【特別展】百花繚乱-花言葉・花図鑑-」(山種美術館)

2013-05-18 23:51:07 | 美術(絵画)/写真

 

 山種美術館(渋谷区広尾)で【特別展】百花繚乱-花言葉・花図鑑-」が開催されています(4月6日~6月2日)。お目当ては、速水御舟(1984-1935)の「名樹散椿」(重要文化財)です。テレビ番組の「美の巨人」で、この絵が紹介されていて、興味津津となりました。


 山種美術館の特徴は、日本で最大の日本画コレクションと言われています。昭和41年創設。コレクションには、この速水御舟の他、川井玉堂、奥村土牛、菱田春草、酒井抱一、鈴木基一など多数です。梅原龍三郎、小出楢重などの洋画も多数所蔵されています。

 今回の展示会の構成は、「人と花」「花のユートピア」「四季折々の花-春爛漫、夏の香り、秋の彩り、冬の華、春の訪れ」となっています。会場に入るとまず、狩野常信の「明皇花陣図」の彩りの明るい、構成のしっかりした絵が目に飛び込んできます。これは目をひきます。そして、鈴木守一、菱田春草、森村宜永などの細密で、日本画の素晴らしさを秘めた作品群が並んでいます。

 速水御舟の作品、「名樹散椿」は、二曲一双の屏風絵。苔山の上に五色八重の散椿があり、この椿は生命力あふれ、枝ぶりはのたうつようです。京都の地蔵院にあった散椿を御舟が観察して(昭和4年春)、描いたといわれています(この撒椿は400年の古木で枯れてしまい、現在は2代目が植えられています)。背景は金地、重く、鈍く、一切の破綻がありません。この金地は、金砂子の撒きつぶしという技法によるとか。「名樹散椿」の他には、「桔梗」「椿の花」「春の宵」が展示されていました。
 最近、わたしは奥村土牛の作品に惹かれ初めていますが、「木蓮」「吉野」「桔梗」などを鑑賞できました。
 梅原龍三郎、横山大観、上村松篁、狩野芳崖などの、いわゆる大家・巨匠の作品に接することが出来たのも幸運でした。
 酒井抱一(「扇面夕顔図」「立葵図」)、鈴木基一(「牡丹図」「菊図」)、谷文晁(「武蔵野水月図」)らは、作家乙川優三郎氏の小説に登場し、名前も人となりも多少わかっていたので、親しみがもてました。

 どれもこれも日本画への感興をかきたてるものばかりですが、荒木十畝「四季花鳥」にはため息がでるほどの美しさです。花々と鳥の組み合わせ、配色の妙味。

 古から日本人は草花、鳥、虫、動物、自然の造形物に敏感な感性をもって目をむけてきました。その粋がここに集まっているような印象です。

  


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